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なんかなにもない分からない話
史実はないよ
旧国はあるよ
もうなにもわからないよ
ぐちゃぐちゃだよ
天使さまが助けてくれるよ
天使さまが助けてくれるよ
天使さまが…
この街には、天使がいる。そんな迷信がある。それを私、大英帝国は信じてない。…そうなはずだ
「…お前は誰だ」
自分に似た姿のこいつは、ただ笑っていて、頭の上に輪っかがあって、羽があって、本で見るような天使だった
「私ですか?私は…なんでしょうね?」
そいつはそう尋ねてきた。ヤク中か?
それは◯◯◯が?
「なにって…天使じゃないのか?」
とりあえずそう答えてみた。そいつは
しばらく黙って考えていたがやがて
「そうかもしれませんね」だなんて言った
なんだ、それ?やっぱり気が狂っているのかもしれない
「私はたぶん天使ですね。ということはあなたを迎えに来た。…てことであってます?」
…こいつ本当に狂ってるな
「天使ってのは私たちを助けるんじゃないのか?」
迷信は信じないたちだが、このままじゃ連れて行かれそうで、そうやって教える
「助ける?…例えば?」
「例えばって…そうだな…」
少し考え込む。助けなんていらないはずだから、思いつかない
…本当にそうなのだろうか。自分は完璧だろうか。人殺しの自分は、薬に頼ってばかりの自分は…本当に助けがいらないのだろうか?
「…どうやったら助かるか教えてほしいな」
そう答えるとそいつは首をかしげた
「助かるかを教える?そんなの自分で考えるものじゃないです?人の考えなんて読めるものじゃありませんし」
…案外天使ってのは現実的らしい。それとも人間だからかもしれないが。にしては羽も輪っかも現実で証明するには少し難しいもので、人間かを疑う
「…お父様?」
ふとそう呼ばれる
ゾッと背筋に寒気が走る
あいつが言ったのか?やめてほしいものだ。自分の息子は、事故で、死んでしまったのだから
自分の息子は正直あまり好きではなかったし、お父様なんて呼ぶのも甘える声そのもので、呼ばれるのが嫌いだった
生憎私は父親なんて呼べる人間ではないのも嫌いな理由だ
「…唐突にどうしたんだ?」
「あ、えっと少し、思い出してきて…昔、私が生きてたころのことですかね?川辺で遊んでて、お父様?がいて…水が冷たかったです」
そうやって、指を弄りながらそいつは言った。それが息子の癖によく似ていて、どうしても思ってしまう
川辺で息子が死んだことも考えて、心が痛む
…こんなのはきっとたまたまだ。こいつが私の息子な訳が無い。◯◯を失敗した私の息子な訳が無い
…でも、もし会えたら、その時は謝らないと。そうやって思っていた
…事故は私のせいだから。そうしないと息子が報われないような気がするから。
いくら嫌いでも、自分の支えで、救いで、助けで、◯で
「…あ、思い出しました」
やがてそいつは、天使はそう言った
「こんにちは、お父様。迎えに来ましたよ」
ニコッて笑う私の、私の…妻はそう言った
悪魔みたいで、それでいて綺麗で、素敵で、いつもの妻だった
「私は天国なんて行けない」
絶対にそうだ。元々の妻を好奇心と独占欲のまま、殺して、残った息子を妻として見て、心中しようと川に行って、妻(息子)だけ沈めて殺した自分が行けるわけなんてないんだ
「ふふ、そりゃあそうですよ」
妻は平然とそう言った
近づかれて手を握られる。もう熱は感じれない
「お父様も地獄行きです」
「…も?」
…まさか
「えぇ、私も地獄行きです。…たくさんの人を悲しませちゃいましたからね。それに、お父様をいじめちゃいましたから」
そうやって言う妻は、優しい小悪魔だ
…でも、天使だ
「私と同じところに来なくていいんだぞ」
これ以上、この子を縛ったりなんてしたくない
だから、殺したのに
「…お父様って本当に罪から逃げたがりますよね」
抱きしめられる。体が冷たくなっていく
「結局、私が必要なんでしょう?」
天使のそういう声が聞こえる。…耳元で
「お父様に殺された時点で私のことはお父様が縛ってます」
心臓が速く鼓動する。そのたびに痛む
「私はお父様のこと愛してますよ」
視界が暗くなっていく。イギリスの姿はそこにある
「だから、いつだってついていきますよ」
かすれた喉から、一言声を出す
「やっ、め…」
思考が壊れる
体がいかれる
もう戻れない
天使が救って
るんだきっと
…わからない
なにが正解?
なにか間違い
きっといつか
未来があるよ
うな、そんな
…気分、もの
足りないもの
足りないもの
足りないもの
…わからない
でも君がいて
それでいっか
って思うんだ
…結局はそう
いつだって、
変わらない。
そういう人間
そういう人物
…だから私は
いるしかない