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︎︎ ︎︎バカみたいにでけえ悲鳴が聞こえたから。
︎︎別に見に行かなくていいと眉を顰めるミョンギの袖を引っ張って行けば、行き止まりに追い詰められたカワイソーな青ゼッケンくんが小柄な赤ゼッケンに殺られている真っ最中だった。赤ゼッケンの女は壁にぐったり凭れて床に尻つけてる男の腹? ︎︎胸?を何度も何度もナイフでブッ刺している。血溜まりが女のジャージを汚している。
「 アハハ! ︎︎な〜あ見ろよ秘技ミョンギ、ミョーンーギ。あの女ずっと死体刺してる、ハハ、もうとっくに死んでんのに 」
「 はあ……半狂乱になってるだけだろ 」
「 目ぇ見たら一発で分かんの知らねえんだろうな〜〜、あの人形みたいな目。あ、教えてあげるか 」
やめとけと制してくるミョンギの肩を軽くポンポンしてから、女に近寄る。女はまだ俺の存在に気づいていないらしく、最後に男の首にブスリとナイフをブッ刺して抜いてからその場にへたり込んだ。ひっく、ひっく、って小さくしゃっくりを上げていた。なんか小動物じみてんな
「 おーい……え〜〜と、211番? 」
上から覗き込んで無理やり目を合わせにいったら、女は目元を真っ赤に腫らしていた。ヤクをキメたときと大差ない充血具合についつい笑いそうになる。
「 ……ッはは、 」
「 ……だれ 」
女は見かけによらず低くてハスキー気味で、涙でグズグズの声で返ってくると思ってたから驚いた。背後でおお、と小さく声を上げたミョンギ。俺はこのチビ女の声が意外だったってことに変に嬉しくなって、まだ座り込んでいる女の横に並んで死体の頭を撫でながら言った。
「 俺はナムギュ。お前は? 」
「 ……ソンハ。 」
名前を口にした女……のナイフの刃先が何故か、俺に向いた。