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第24話 光希、救済ー‼︎
「光希!!!!」
叫び声と共に、煙幕弾が投げ込まれる。
混乱の中、佳代が突入し、光希へ駆け寄った。
その間に柑奈は光希と佳代を襲おうとする周囲の敵に向かって銃を撃っていた。
「佳代…..なんで……?」
「迎えに来ましたよ、光希さん。言ったでしょう、今度は”私”が行くって」
佳代は涙をこらえ、笑って見せた。
別ルートから脱出してきた監禁棟にいた男たちとお鶴の方、西円寺と、佳代、柑奈、光希が施設中央で合流した。
「やっぱり生きてたな、光希!」
「光希、よく耐えたな….!」
みんなから歓声が飛び交った中、敵は黙ってはいなかった。
無数の兵士が、施設内の全方位から押し寄せてくる。
西円寺が叫ぶ。
「数が多いわ!ここじゃ囲まれる!」
林が銃を構えた。
「時間は稼ぐ、逃げ道を探せ!
とりあえずこの建物から出るぞ!」
日向が左右から壁を破壊し、敵の通り道を塞いだ。
「こっちだ!とりあえず隠れるぞ!
走れ!!走るんだっ!」
みんなが走る中、光希だけが置いて行かれている。
仕方ないとも言える。
みんなは必死だし光希は体に負担があって動けない。
だがー。この状況に最も早く気づいた佳代が光希に駆け寄る。
「行きましょう。みんなが待ってます。」
その言葉に、光希の瞳がわずかに揺れた。
そしてーー
「…..ありがとう、佳代」
彼は仲間の元へ、佳代と共に踏み出した。
「ここ!階段がある!こっちよ!」
西円寺が叫んでみんなに伝える。
みんなはこれから階段を登り、3日ぶりに地上へと足を下ろしたのだった。
そして。
地上へと続く階段を駆け上がった11人の前に、突如、異様な気配が立ち込める。
空気が歪み、黒い霧が地面から湧き上がる。
「そう簡単に逃がすと思ったか、光希よ。」
その声と共に、目の前に現れたのはーー。
かつての人間の姿を捨て、悪魔の肉体を宿したアルベリヒだった。