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「あっ」
「あ」
……探偵社の主軸の名探偵さんじゃねぇか
「素敵帽子くん!!こんにちは。久しぶりだね」
名探偵は無邪気な顔をして挨拶してきた。
「よぉ名探偵。ここで何してるんだ」
このまま別れるのも物足りない為聞いてみた。
「んー?ちょっとお菓子買おうかなーって」
「……君今暇でしょ?一緒に来てよ」
舐めたような口調で、どーせが隠れてそうな質問。それに少し腹が立ってしまった。…まぁ暇なんだけどよぉ…
仕方なく「おう」と返事をして、名探偵についていくことにした。
in駄菓子屋
「ここよく行くんだよねー!君こういう所そんなに来ないでしょ?マフィアだからお金もってるよね。もうちょっと高価なもの買ってるんだ」
…全部見透かされてるみたいでいい気がしねぇ
「にしても甘ったるい匂いィ…」
「そう?」
「手前はよく来るから慣れてるだけだろ」
「そうかもね〜」
名探偵はお菓子を選ぶのに夢中でテキトウに返事をした。
しかし、名探偵が選んでいるお菓子たちはどれも懐かしいものだった。羊のとき、あるいはそれ以上前……
「よしっ、こんなもんかな〜?」
どうやら選び終わったようだ。彼はそれらを突き出して
「素敵帽子くん、これ買って」
?????何言ってんだこいつ。俺は唯の付き添いであって…買わされに着いてきたわけじゃないんだが??
「着いて来たってことは買ってくれるんじゃないの?」
いやまじで何言ってんだこいつ。どこか太宰と似てるが、全く違くてめんどくせぇ…
まぁこんくらいならいつものエリス嬢のおやつ代より安いか…
「はぁ…仕方ねぇな」
まじでめんどくせぇと思いながらレジへ向かった。
「合計1021円です」
「んじゃぁカードで」
ポケットから常に持ち歩いてるブラックカードを出す
「すみません…ここはカード使えないんですよ」
「おお、じゃぁ電子マネーで」
「あ、申し訳ございません…ここ現金だけでしか支払いは承ってなくて…」
現金なんてもってねぇよ
「それじゃぁ仕方ないね。僕が払うよ」
名探偵が口を挟んだ。
……最初からそうしてくれよ!!!!!無駄に恥かいたじゃねぇか!!
名探偵は懐から蝦蟇口財布を取り出して現金で支払った。
「じゃぁな。そろそろ帰るなー」
こいつといると3日分は疲れる。早くマフィアに戻って資料とか諸々まとめないといけないしなぁ
「はいこれ。君にあげるよ」
はっ???
「何言ってんだ手前…」
だって買わせようとしてきて…あげるって…
もう溜め息しか出てこない。
「だから!!あげる!!ちゃんと貰ってよね」
「お、おう…??ありがとう」
結局……押されて貰ってしまった。
「ふふっじゃぁね素敵帽子くん!!!今日はありがとう!」
名探偵は、別れを告げて早々と退散しようと後ろを向いた。その後にまた軽く振り向いて、薄らと翠色の瞳を見せて
「良い1日にしてね」
と言い今度こそ去っていった。
なんだったんだあいつぁ…
inマフィア
「ちゅうやー!!お帰り!!まってたよ!」
マフィアに帰るとエリス嬢が飛びついて来た。
「ただいま戻りまし」
「中也くん。お誕生日おめでとう」
エリス嬢の背後から首領が出て来てそう言った。嗚呼そうだ今日は俺の誕生日だった。
「ありがとうございます。」
と微笑み感謝を言った。
「ちゅうやーこれなぁに?誰かからの誕生日プレゼント?」
先程名探偵に貰った駄菓子屋の袋を指さしてエリス嬢が聞いて来た。
そうか…誕生日プレゼント……
袋の中身を見てみると紙が一枚入っていた。そこには不器用な文字で
“素敵帽子くんお誕生日おめでとう”
と書いてあった。もしかして最初から俺に誕生日プレゼントを買うつもりだった?嫌そんな訳…でもあの名探偵ならありえる。
名探偵が選んでた駄菓子は全部俺に馴染みがあったもので、意図的に選んだとしか思えない。
「ははっ…直接言えばよかったのに」
掴みどころのない変なやつだと思ってたのに結構不器用なやつなんだなぁ…
「おや中也、帰って来ておったのかえ?」
「姐さん…!先程戻って来ました」
「実は皆で中也の誕生日パーティーの準備をしておったのじゃ」
「…えっそんな…!?あっありがとうございます」
「今日は中也が主役じゃから、楽しむんじゃぞ」
………ははっ!今日はいい日になりそうだ。