『おやまぁ .. ?
兵太夫と….三木の所の一年生と 、
滝の所も……ああ、君達もいる 。』
「団蔵でーす!!」
「皆本金吾ですッ」
「喜三太でぇす♪」
「しんベヱでーーす!」
『….君達は赤組じゃないの 。』
「僕は綾部先輩と離れちゃったから 、
せめて頑張ってと応援して欲しくて!!
ここまで来たのに ….
なんで皆まで着いてくるんだよ!!」
「まぁまぁ兵太夫〜
俺達だって綾部先輩と話したいし!」
「そーそーー
立花先輩もそうだけど 、綾部先輩は
もっともーーーっと可愛いし!!」
「喜三太の言う通り!!
立花先輩も負けてないけど 、綾部先輩は
もう別嬪さんですよ〜!!」
「おいおい、、趣旨が違うんじゃない 。」
『….喜三太としんベヱは放っといて』
「 「あやべせんぱぁい!!!」 」
『兵太夫も皆も頑張ってね』
「!!!!!」
『僕達白組の一年生を舐めてると
痛い目見ることになっちゃうからね 。』
「ふん!!伝七なんかには負けないですよ!」
「左吉に負けてたまるかぁ!!」
自信に満ち溢れた所で 、
もう入場門には一年生が集まりきっていた
『ほーら 、もう入場門いっぱいだよ
応援してるから 、頑張ってきなね』
「 「 はーい!」 」
「あ!!あと綾部せんぱいっ
その髪型もすっっごく可愛らしいですよ!!」
『ふふ 、ありがとう 。兵太夫 。』
集の中でひとりぐるんと大きく振り向いて
元気にそう言う兵太夫 。
素直に伝えてくれるのが
一年生のいいところだよね
一年生はまだまだ愛いなぁ 。
なんて考えていると 、後ろからコツっと
叩かれてしまった
『むむ 、誰ですか 。
この可愛い後輩を殴った人は』
「敵チームを応援する
馬鹿を叱った迄だが???」
『….貴方には情がないんですか。潮江先輩』
「あのなぁ、、」
グダグダと忍者にとって情がとか
お前に言われてたまるかとか
こんな日にまでお説教をしてきた
そんな時 、潮江先輩がこちらに
僕の肩によろめいた
「うおッ!?!
…..仙蔵っ 、気配を消してから押してくるな!!」
「理不尽に喜八郎を怒るからだ 。
それに 、気安く喜八郎に触れるな!!!」
立花先輩がそう言い放った時 、
ニヤけ顔の潮江先輩にグイッと引かれ
潮江先輩の腕の中に引っ込められた
「さてはお前 、後方のが
理由で嫉妬してるんだろう?
いやぁ 、参ったなぁ喜八郎 。
俺はただお前を思ってしていただけなのに
それなのに仙蔵ときたら 。」
わざとらしいその演技に僕も先輩も顔を顰める
そして気づいたら 、
立花先輩の右手には焙烙火矢を持っていた
「…..いいだろう 、仙蔵 。ならば決闘っ
「それでは一年生の入場でーす!!!」
運がいいのかなんなのか 、
ユキちゃんのまたまたファインプレーで
とうとう競技が始まった
「第1レース1レーン 、笹山兵太夫くん!」
「はぁい」
兵太夫 、足速いんだぁ
ま 、伝七もい組だしなんだかんだ大丈夫だよ
そう思いつつ 、どっちを応援しようか
うんと悩んでいた 。
「第2レーン 、猪名寺乱太郎くん!!」
「はぁーい!!」
乱太郎かぁ 、確か伊作先輩と同じく赤組に
なっちゃったんだっけ 。
不運で転けないといいけど
「第3レーン 、黒門伝七くん!!」
「はい!!!」
「一位以外認めないぞ伝七ッ!!」
「た 、立花先輩?!がが頑張ります!!」
はぁ 、と僕はため息をついた 。
こうも先輩が熱くなるのも分からなくもない
なぜなら 、この大運動会でビリになった組の
代表一名は女装姿をしなければならない 。
学園長先生にどんな趣味があっても
興味は無いけど 、絶対負けられないことは
明らかだった 。
「兵太夫なんかに負けるわけにはいかない!」
「はあ??こっちだって負けないんだから!!
伝七なんかに勝って
綾部先輩に褒めてもらうんだー」
「なっ!!狡いぞ!!僕も!!」
「えぇ??なら私もされたいされたい!」
『おやまぁ 、喧嘩してますよ』
「お前は能天気だなぁ」
「ま、そこが喜八郎のいいところだぞ〜」
「喜八郎はちょっと鈍感なんだもんね〜」
一年生が騒いでいる中 、3つの声が
どんどん近ずいてきた 。
『おやまぁ 、竹谷先輩 . 尾浜先輩に
タカ丸さんじゃあありませんか』
「相変わらずモテちゃってさぁ〜
少しは危機感持ってよね〜」
『….モテる、?危機感、?』
「勘ちゃん 、ダメだなこいつ」
「あはは〜 、あ!見て3人共!
いま山田先生が来て3人に拳骨を下して
喧嘩が治まったよ!!!!」
『は 、あの伝七に拳骨をしたの 。
しかも兵太夫にも……..』
「….きはちろー??顔怖いよぉ??」
「ほ、ほーら!もう走るってよ!」
次の罠とターゲットは山田伝蔵かな 。
そう考えていると 、大きな音が鳴った
「いけー!!!兵太夫!
そのまま一位いっちゃえ!!」
「乱太郎〜!!そこカーブ気をつけて!!
…… あ〜っ 、言わんこっちゃない 。 」
「出遅れるなよ伝七!!負けたら潮江先輩からの
きつい説教だぞ!!!!」
その瞬間 、転んでいた乱太郎を
勢いよく抜かしていく伝七の姿がいた
気づけば兵太夫と伝七の一騎打ちになった
ギリギリ兵太夫が勝つと思っていた
そんな時 、兵太夫の横を赤いハチマキが
通り過ぎた 。
「1着は猪名寺乱太郎くん!
2着は笹山兵太夫くん!
3着は黒門伝七くんでした!!」
「あーー!!!
あとちょっとで一位だったのに!」
「えへへっ 、綾部先輩に褒めてもらいたくて
頑張っちゃった 笑」
「うぅっ….ぐず 、この僕が … 最下位だなんて、」
そんな3人の元に 、気づいたら近ずいていた
「….あ、綾部先輩 。」
『…3人共 、お疲れ様 。』
そう言って僕は順番順番に頭を撫でてあげた
乱太郎は 、頬をかきながらぽぽと顔を赤らめて
兵太夫は 、照れくさそうに笑って
伝七は 、必死に顔を擦っていてやっとの思いで
顔を上げてにっこり微笑んだ
『さ 、後は応援しようか』
そういい兵太夫と乱太郎は 、藤内と伊作先輩に
伝七は僕と応援席に戻った
「あっ!次は左吉が出ますよ!!」
『左吉 、、三木のところの子だ』
「まぁ 、僕ほどでは無いですが!
彼もなかなかいい足してます!!」
『ふふ、じゃあ見どころだね』
「第3レース1コース!任暁左吉くん!!」
「はいッ!」
「左吉ー!!お前に勝って 、
綾部先輩は俺達赤組のもんだー!!!」
「なっ 、団蔵!!紹介前に喋るなっ!!」
「加藤団蔵、、また左吉を困らせてっ」
『元気でいいねぇ〜』
「そう言うと調子乗っちゃうんです!」
伝七に怒られたぁ、、としょんぼりしていると
さっき伝七が呼んだ名前が聞こえた
「えぇっと 、第2レーン..加藤団蔵くん!!!」
「はい!!」
なんか決まんねーなと
三年生の伊賀崎孫兵と次屋三之助が話している
すると次は 、初の紫組から選手が出た
「第3レーンは摂津のきり丸くん!!」
「くぁっ…はーい」
呑気に欠伸なんてやるなぁ 。
そう思っていたら自分に欠伸が移ってしまった
「アハハ!喜八郎ー
きり丸の欠伸移ってやんの!…くっあぁ~っ」
『先輩も移ってるじゃないですかぁ』
自業自得な尾浜先輩を放置すれば 、
もうみんな位置についていた
「位置について 、よーい………ドンッ!!」
さっきのような掛け声がほとんどで
少し空きが出てきた 。
そんな時 、ギンギン団長が何か叫び出した
「ゴラ左吉ィ団蔵ッ!!!
一位取れなかったら休みはねぇぞ!!」
ヒィっと野次が震えあがる中 、
2人のスピードがどんどんあがっていく
そこで 、きり丸が段々落ちているように思えた
すると今度はいけどん団長が叫んだ
「ほーらきり丸〜!!小銭だ〜!!!!」
するとダダダダダダと大きな音とともに
応援席にきり丸が走りよってきた 。
「違う違う!!ゴールに行くんだ!それ!」
そうしてゴールテープ付近に小銭を落とした
すると気づけばきり丸は既にゴールをして
小判を大事そうに抱きしめていた
「1着は摂津のきり丸くん!!!
2着は任暁左吉くん!!
3着は加藤団蔵くんでした!! 」
「クッソー!!!きり丸に負けるのも悔しいし
左吉とは後ちょっとだったのに!!」
「あぁ、、危なかった 。
でも 、きり丸の小銭による執着は凄いな」
「そんな褒めんなって笑
ま 、小銭に唯一勝るのが綾部先輩だな」
なにを!?ともう一度3人で喧嘩をしだす
背後からズモモモ…と恐怖が襲った
3人のうちひとりは固まり 、
ふたりは振り向いた
「はは 、潮江会計委員会委員長〜、、
今日はすごく良い快晴の日ですねっ!!」
「こんな日は 、委員会をせずに
このように運動会をするのが1番!!あははは」
目が笑っていない左吉に団蔵と
これまた目が笑っていない潮江先輩で
何やらコソコソ話しをしていて
話終わって戻ってきた頃には
左吉は抜け殻状態だった
『僕 、作法委員会で良かったです』
「嬉しいことを言ってくれるな 、喜八郎」
「あんな先輩の元でなんてやっていけません」
「なんか言ったか?喜八郎」
『なんへもありまふぇん〜っ』
「バカ文次郎ッ
喜八郎の頬が赤くなるだろう!」
その後も 、一年生の徒競走は続いた
第3レースは 、
1着が皆本金吾
2着が黒木庄左ヱ門
途中でナメクジのナメコを無くしたといって
どこかへ走り去ってしまい山村喜三太は失格に
第4レースは
1着が鶴町伏木蔵
2着が上ノ島一平
緊張のあまりチビってしまい下坂部平太は失格に
第5レースは
1着は今福彦四郎
福富しんべヱは美味しそうな匂いにつられて
観客席の方に行ってしまい失格
二ノ坪怪士丸は超絶ベストポジションな日陰を
見つけてしまい日陰ぼっこに行ってしまい失格
初島孫次郎は自身の委員会で飼育するうさぎが
逃げていることに気づき一目散に駆け出し失格
第6レースは
1着が夢前三治郎
2着が佐竹虎若
3着が二郭伊助
乱太郎の次は三治郎が速いだなんて、
兵太夫の同室は凄いなと 、同じ組だったため
頭を撫でて褒めてやった
すると次々と僕も僕もと詰め寄ってきた
一年生で赤組だったのは全部で六人
団蔵に金吾 、喜三太にしんベヱ 、乱太郎
そして兵太夫 。
白組は 、左吉に三治郎 、庄左ヱ門に伏木蔵
怪士丸と伝七もこちらも六人だった
紫組は 、きり丸に伊助 、虎若に彦四郎 、
一平に孫次郎に平太の計七人だった
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「伊助なりに頑張ってたねぇ〜」
『伝七も流石でした』
タカ丸さんと後輩の話をしていると
またまた名前を呼ばれた
なんだか今日は忙しいな
『おやまぁ 、藤内 。どうしたの?』
コメント
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この運動会のお話ほんっとに大好きすぎる‼︎