まだ終わりじゃない、と告げた俺のほうに向き、座り直す。
その表情は、まだ先ほどの余韻を感じさせる、ぼんやりとした表情で、俺のほうがドキッとさせられる。
「僕も、もっと食べてほしいんだけど···」
破壊力が強すぎる。
お望みとあらば、と抱きかかえて寝室に移動する。
力が抜けたままの涼ちゃんの組み敷き、口づけた。口づけの隙間で小さな声が漏れる。
「ん、ふぅ···ごめ、んね、いやな思い、させたよね」
更に小さくゴメンナサイ、と呟かれた。
やきもちを焼いて、責めた俺にあやまる涼ちゃんをみて、心の奥がぎゅっとなる。
「いや、もあったけど、寂しかった。涼ちゃんを満たすのはいつも俺だけでいたいから」
本音を言うと涙が出そうになるから、顔を見られたくなくて、肩のあたりに押しつけた。
「僕はいつだって元貴だけで満たされてるよ。
彼らを見てたのはデビューしたばっかりの僕たちみたいで、応援したかっただけ。他の人が入る隙間なんて、ないんだから···」
そう言いながら、ぎゅーっと俺を抱きしめてくれる。
やきもちはもうおしまいだ。
顔を上げると涼ちゃんの瞳に涙がたまり、溢れたものが頬を伝った。
急に顔を引き寄せられ、軽い口づけを貰う。
「仲直りのキスだよ」
えへへ、と照れるいつも通りの涼ちゃんのお腹が小さく鳴った。
「ごめん、お腹空いたよね、ご飯にしよう?」
「···いいの?」
「いっぱい食べて、またあとで···ね」
俺の言葉にコクっと頷いてくれた涼ちゃんからそっと退いて、手を引いて起こしてあげる。
そのあと涼ちゃんは美味しそうにお弁当を食べ、俺はそれをみながらコーヒーを飲んで。
お預けになっていたコトを2人で楽しんだ。片付けをして下着だけを身に着け、同じ毛布に包まる。
ウトウトしていると腕の中にいた涼ちゃんが呟く。
「やきもちもとき、も、たまにはいいね···そんなもときも、すき···」
思わず目を見張るが、もう涼ちゃんはすやすやと夢の中にいるようで。
だからそういうのは破壊力が···
また昂りそうな自分に落ち着け、と言い聞かせて。
どうか味をしめた恋人が夢の中でさえ、もう他の人に注力することがないようにと願ってハグをして、俺も眠りについた。
夢の中でも俺だけに満たされてて。
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