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まずやるべきは買い物だ。
武器がなければ戦には望めない。どんなナマクラでも手に持てば武器となる。
….だけど、うちには武器と言えるものはない。
くしだってないから普段は手ぐし。だってそれが一番効率いいし。
いちいちくしを取り出さなくたって、しまわなくたって、握らなくたって、もしなにか気になるところがあればすいすいとける。生き物に手があって良かったね。ぴーす
でも玲王の好みになるためにはそうはいかない。
だって玲王は毎回クラス一番になるくらい頭もいいし、クラスの女子や男子が群がるくらいは人付き合いが良くてコミュ力お化け。まぁ俺はそこらの女子みたいに上っ面だけを見てるんじゃないけどね。確かに玲王は頭も良くてザ・天才だし、顔もめちゃくちゃかっこいいし、みんなに分け隔てなく接してくれるけど、際限無しの努力家で本当は親に反抗したりだとかの気品だけじゃないところもあるんだよね。あと俺のお世話してくれる。
玲王の良いところはまだあるけどさ、一応これくらいにしておこう。
早く必要なもの….ドラッグストアに行けば大体のものは手に入るかな。Googleせんせーで聞いたから多分あってるばず。
服装は制服のままでいいやー…めんどいし。
「えーと、これか?もう全部同じに見える〜みんなこれ見分けてんの?えぐ….」
ドラッグストアの美容コーナーは思った1億倍くらい広くて思わず目眩がしそうになる。
例えば化粧水、透明な液体のくせに大量にあって成分がどーたらこーたら….わかる人には手に取るように分かるんだろうけど。
とりあえず、Googleせんせーで調べて上位にきたサイトに載ってたのをかごに入れていく。
「化粧品ーナーえっぐ…なにこれ?あいらいん…みんなこれで書いてたんだ。ほえ…化粧後今の俺とあんま変わんないね。けどまぁ乾燥さえ防げりゃいいでしょ。」
これらを毎回やっていたと思われるクラスの女子に若干ドン引きしながらも、いい感じの見出しのリップクリームをかごに入れていく。
小さい頃からお金の使い道なんてゲームしかなかったから、小遣いは少ないながら貯金は腐るほど…ではなけど沢山あるから買い揃えるくらいは楽勝なのだ。
「重い〜」
会計を終え買い揃えた物を両手いっぱいに持って道路を歩く。ここからどう変わるのかな〜明日も頑張ろう。
….あ、今頑張るって….ちょっとはこれに乗り気になれのかな。
こう普段と違う行動….サッカーを始めたのとか、こうして頑張るって思ったのも全て玲王が居たからだった。
つくづく自分は玲王に魅了された人代○○号なのだろう。だからこんなめんどくさいことだってする。
「玲王のせいだからね。」
この恋が実ったならば、俺はこの後どうなるんだろうか。きっとめんどくさいのは嫌いなままだろうけど、けれど実ったならさ、玲王の隣に立てるくらいにはなるよ。