テラーノベル
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とうの昔に日は沈んだ夜。
なつは鬱状態になり、涙を流しながらいるまを待つ。
恋人同士となってから、理由もなく苦しくなることは減った。
それでも、度々ネガティブな感情で溢れかえってしまうことに、変わりはなかった。
「ぅ…ぃた、、」
カミソリの刃が手首の腕を滑るが、血は少し滲むだけだった。
深く切る勇気すらない自分に、また失望してしまう。
外気と家の空間を遮断する重いドアが、ガチャリと音を立てて開いた。
「なつ…待たせてごめんな?」
「ぅ、いるま…」
床にさっきの刃物が落ちていたが、何も言わなかった。
言う必要がないと思った。
「ごめ…なさぃ、、俺…またやっちゃって…」
「謝んな、なつのせいじゃないでしょ。辛かったな。」
なつを抱き寄せて、慰めるだけ。
注意も叱責も、してしまったら終わりだと、いるまは思っていた。
いるまは何も言わず、傷の手当てをした。
傷に滲みる消毒液が、なつにとっては愛してもらえている実感を湧かせるものだった。
カミソリは元の場所にしまった。
隠しはしなかった。そうすれば、今度こそ気持ちを塞ぎ込んで病んでしまうと思った。
これ以上腕の傷を増やさないより、心の傷を増やさない方が、いるまにとって大事なことだった。
面倒くさい人なんて、一回も思ったことはなかった。
だってそれ以上になつのことが「好き」だったから。
悲しくはなかった。
だって自分を「一番の心の拠り所」にしてくれたから。
「なつ、風呂入る?」
「一緒に入っていい…?」
「もちろん、ダメなわけない。」
なつの体を洗った。
病んでるとか関係なく、大事にしたいと思ったから洗ってるだけ。
「なつ、先に湯船浸かってな?」
「ん…まって、ちゅーしてから…」
「はいはい、ちゅ…」
「んむっ…ぅ、はぁ…」
キスは、なつが愛情を感じるために必要なことだった。
もちろんそれ以上もするし、そっちの方が愛情を感じられる。
でも今は、キスだけで十分だった。
「ん…はっ…もう終わり…?」
「楽しみは取っておかねぇと。」
その言葉だけで、この後することは明確だった。
なつの体を拭いて、髪を乾かす。
代わりに自分の髪を乾かしてもらった。
別になつはやらなくてもいいのに。
でもなつは、借りをしっかり返す主義だった。
「終わったよ、いるま」
「ん、ありがと。」
それ以上の言葉は交わさず、いるまの部屋へ向かう。
部屋に入ればふわりと香るいるまの匂いと、微かななつの匂い。
それは、これまで一緒に過ごしてきた証。
いるまの部屋は、なつが1番安心できる場所だった。
毛布の中へ潜り込む。
流れるように深いキスをした。
「ふ…んぅ、ぁ…は、ぅ♡」
「ん、ぅ…はっ」
数十秒経ってから、やっと舌を離す。
いるまはなつに抱きつきながら、ゆっくり服を脱がせた。
いつのまにか手に取っていたローションを垂らす。
期待するように、抱きつく力が強くなった。
軽く指を入れながら、もう一度口付けをした。
「ん…ぅ、はぁ♡、んぁ…♡」
「ぅう…ん、はぅ゛、、」
少し苦しそうにしていたので口を離し、入っていた指をさらに押し進める。
「ぷは…ぁう…んっ゛…!?」
「ここきもちい?」
こりっとした感触のものを軽く押してみた。
身体が跳ねて、驚いたように声も出る。
そんな姿がどうしても愛おしかった。
「ん、ぅ゛ぁ…ふ、ぅ…きもち…むり、、」
「一回イって楽なろ?」
「ぅ…んぃ、く…ぅぁ゛~~ッ」
身体を震わせて、なつは果てた。
少し経ってもまだ息は荒く、いるまを強く抱きしめていた。
なつが落ち着くまで頭を撫で続け、ようやく体の力が抜けてきた。
「ふ、ぅ…も…いれて、」
「いいの?今入れて辛くならん?」
「早く…欲しいから……」
可愛いことを言われる。
こんなにも甘えてくれるから、こっちもなつを甘やかすのをやめられない。
ゆっくり挿入して、なつの様子を伺う。
「ぃ…う、、ぁえ…ん゛…♡」
苦しそうではあるが、痛くはなさそうだ。
動かずに様子を見ていると、なつの頭がかくっと動いた。
「んん…ねむ…」
「眠い?やっぱ抜くか…」
「挿れたままにする…」
さすがに予想していなかった。
今まで挿れたまま寝たことはなかったし、挿れたまま寝たいとも言わなかった。
でも断りはしなかった。
今日はなつをとことん甘やかすと決めていた。
「そっか…おやすみ。寝れなかったらまた言ってな。」
そう言って背中をさすってやると、なつは目を閉じてすぐに眠ってしまった。
そんな中自分も眠気に襲われ、抱き合ったまま眠りについた。
コメント
1件
この話、すごく良かった…。いるまの「叱らない」って選択が印象的で、普通なら「やめなさい」って言いたくなる場面なのに、全部受け止めて寄り添うんだなって。カミソリを隠さない判断も、なつの心の傷を優先してるのが伝わってきて泣けた。「挿れたまま寝る」って甘え方にも、全部預けてる信頼関係が滲んでて、あったかい気持ちになったよ。irohaさん、繊細な心情描写が素敵です✨
白羽もく
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かは
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