テラーノベル
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「えー、春休みが明け、新しい顔ぶれともに始まりましたが、えー、自分が成長したことをね、えー、自覚していって欲しいと思います。それからですね、えー」
校長先生の話は「えー」の数を数えるためにあるのだろうか。始業式は1年生との対面と、転入生の紹介。そして、訳の分からない…じゃなくて、ありがたーい校長先生の話で終わった。教室に戻ると、改めて転入生の紹介をされた。
「和倉光平です。隣の県から引っ越してきました。よろしく」
「はいありがとう。席に戻っていいよ」
光平は私と隣の席だった。まぁ出席番号的にそうなるだろうと思っていたのだが。
「この学校は3年生5年生でクラス替えをするんじゃなくて、4年生でクラス替えをするのでちょっと変わってます。でも、卒業までそのメンバーなので、皆で仲良くしていきましょう」
その日は給食はなく、午前中で下校となった。私と双子で一緒に帰ろうと約束していたので、空舞と共に玄関で奏舞を待つ。現れた奏舞は、転入生ととても仲良くしていた。
「バイバイ!お待たせー!」
「転入生と仲良くなったんだ」
「うん!たまたま隣の席で、話しかけたらすっごいおしゃべりでね!」
奏舞はとても楽しそうだった。空舞はあまり興味が無いのか、早く帰りたさそうにしている。
「そっちは?なんだっけ…光線みたいな名前の」
「和倉光平。愛楽と隣の席だよ」
「ほんと!?なんか喋った?」
「いや別に」
「ウソでしょ!?」
信じられないという顔で見られたので、少し戸惑う。私は奏舞みたいに自分から話しかけに行くタイプではない。それは奏舞も知っているはずだ。
「あっちも話したいみたいな雰囲気してなかったし、いいでしょ」
「いやいや、よろしくも言わないのは優しくないよー!」
「愛楽は話しかけなくていいよ」
空舞が割って入ってくる。珍しいなと思いつつも、奏舞に少しドヤ顔をしてみた。
「なぁに〜、その顔は〜!」
「いひゃいひょ、ひゃにゃして」
「あーちゃん可愛い〜!」
なんだか子供扱いされている感じでイラッとする。そのまま手を払いのけた。空舞たちには3つ下の妹がいるから、もしかしたらその影響なのかもしれない。でも私はその妹より3つ上なのだ。一緒にしてもらっては困る。
「あれ、そういえば妹は一緒に帰らないの?」
「澄舞は母さんたちと帰るって」
「ふーん」
「愛楽にも弟いるよね?」
「うん。今年で5歳」
「うわちっちゃ!」
「可愛い?」
「可愛いっていうかもうこの世の言語じゃ表せられないよねほんとに。昨日なんて苦手なピーマン食べて褒められたってすごい嬉しそうにしてさ。え?なにそれ本当にすごいし可愛い。記念日にしてもいいと思う一昨日なんかもうそりゃあ可愛くて可愛くて…」
「「ぶ、ブラコンだ」」
コメント
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第3話、楽しく読みました!校長先生の「えー」を数えたくなる気持ち、すごく共感しました(笑)転入生・光平くんの登場で人間関係がどう動くのか気になります。特に奏舞ちゃんはすぐ仲良くなってるのに、主人公はまだ挨拶もしてない距離感がリアルでいいなと。空舞ちゃんが「愛楽は話しかけなくていいよ」と割って入るシーン、妹の存在感じさせつつ姉を気遣うようなニュアンスが絶妙でした。弟の話で盛り上がるブラコン炸裂の場面も微笑ましくて、日常の空気感が丁寧に描かれていて好きです🌷
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