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ヒロアカ夢小説
夢の子プロフィール
名前『五十嵐 縫い』(いがらし ぬい)
個性『縫合(ステッチ)』(人や物を縫い合わせる事が出来る、操る事も可能)
性格『明るく元気』
年齢『不明』
好きな物『ぬいぐるみ、人形、人』
嫌いな物『束縛、監禁』
趣味『人間観察』
得意『裁縫』(さいほう🪡🧵)
その他『誰にでも敬語で喋る』
原作ちょい無視かも知れないので注意⚠️
何でも許せる人向け
第一話 『招待』
夜の街は嫌いじゃない。
昼間よりも人間の本性が見えるから。
酔っ払い。
喧嘩する人。
泣いている人。
笑っている人。
皆それぞれ違う顔をしている。
だから人間観察は面白い。
()縫い
「今日は誰が見られるでしょうか」
そう呟きながら、私は紙に書かれた住所を見つめた。
数日前。
黒い霧のような男が現れた。
そして私に言ったのだ。
()黒霧
『我々のリーダーがお会いしたいそうです』
と。
正直断ってもよかった。
だが少し興味があった。
最近裏社会で話題になっている組織。
ヴィラン連合。
ヒーロー社会を壊そうとしている集団。
噂だけなら何度も聞いたことがある。
だから――。
「面白そうですよねぇ」
私は小さく笑った。
そして目の前の扉を押し開けた。
カラン。
小さなベルの音が鳴る。
思っていたより静かな場所だった。
酒臭くもない。
むしろコーヒーの香りが漂っている。
バーというより喫茶店に近い。
()縫い
「失礼します」
誰に向けるでもなくそう言う。
その瞬間。
視線が集まった。
()縫い
(あぁ)
(皆さんヴィランなんですね)
普通の人間とは違う。
警戒心。
敵意。
殺気。
部屋の空気そのものが重かった。
けれど不思議と怖くはない。
むしろ興味が湧く。
まず目に入ったのは制服姿の少女だった。
金髪。
乱れたセーラー服。
口元には笑み。
だがその目はどこか危うい。
()トガ
「えっ」
少女が声を上げる。
()トガ
「かわいい!!」
()縫い
「ありがとうございます」
()トガ
「かわいい!!」
()縫い
「二回言いましたね」
()トガ
「ほんとだ!」
少女は楽しそうに笑った。
変わった人だ。
でも嫌いじゃない。
次に視線を向ける。
壁際。
そこには火傷だらけの男が立っていた。
青い瞳。
無愛想な表情。
縫い目のような皮膚。
()縫い
(痛そうですねぇ)
思ったことが口から出る。
()縫い
「痛そうですね」
()荼毘
「……は?」
男が眉をひそめた。
()縫い
「火傷です」
()荼毘
「見りゃ分かる」
()縫い
「大丈夫なんですか?」
()荼毘
「何が」
()縫い
「痛みです」
男は数秒黙った。
そして。
()荼毘
「知らねぇよ」
とだけ答えた。
()縫い
(変な人ですね)
さらにその隣。
大きな剣を背負った男。
真面目そう。
そして――。
マジシャンのような男。
どこか掴みどころがない。
皆個性的だった。
面白い。
その時だった。
黒い霧が広がる。
()黒霧
「お待ちしておりました」
「五十嵐 縫い」
現れたのはあの日の男。
黒霧。
そして。
カウンター席に座る青年。
首や腕に無数の手。
不健康そうな顔。
赤い瞳。
非常に。
彼がこちらを見る。
その瞬間。
空気が変わった。
()死柄木
「……集まったか」
低い声。
誰も喋らない。
彼はゆっくりと立ち上がる。
首を掻く。
また掻く。
さらに掻く。
癖なのだろう。
()死柄木
「随分遅かったが」
「まあいい」
「お前達を呼んだ理由は一つだ」
死柄木は集まった全員を見渡した。
()死柄木
「ヒーロー社会を壊す」
静かな声だった。
しかし確かな憎しみが込められていた。
()死柄木
「今の社会は腐ってる」
「偽物ばかりだ」
「だから壊す」
誰も口を挟まない。
トガは楽しそうに笑っている。
火傷の男は黙って聞いている。
剣の男は真剣な顔だった。
縫いは死柄木を見ていた。
じっと。
ただひたすら。
観察する。
()縫い
(怒っていますね)
(悲しんでいますね)
(苦しそうですね)
そして。
(寂しそうです)
すると
()死柄木
「何見てんだ」
突然声が飛んできた。
気づけば死柄木がこちらを見ていた。
()縫い
「あ」
縫いは瞬きをする。
()縫い
「観察です」
()死柄木
「……は?」
()縫い
「人間観察が趣味なんです」
()死柄木
「そうかよ」
死柄木は露骨に嫌そうな顔をした。
()縫い
「質問があります」
縫いは手を挙げる。
黒霧が少し驚いた顔をする。
()黒霧
「何でしょう」
()縫い
「ご飯は出ますか?」
沈黙。
数秒。
()死柄木
「は?」
死柄木が固まる。
()縫い
「食事は大切ですから」
()スピナー
「そこかよ!」
トカゲの男が初めて大きな声を出した。
トガが爆笑する。
()トガ
「アハハハハ!!」
()縫い
「あと寝る場所はありますか?」
()死柄木
「……」
()荼毘
「……」
()縫い
「お風呂は――」
()荼毘
「お前自由すぎんだろ」
今度は荼毘が突っ込んだ。
しかし縫いは真面目だった。
()縫い
「大切なことですよ」
()縫い
「ヒーロー社会壊す前に生活環境が気になります」
()スピナー
「お前なぁ……」
スピナーが呆れたように頭を押さえる。
気づけば。
さっきまで張り詰めていた空気が少しだけ緩んでいた。
死柄木は不機嫌そうだった。
だが追い出そうとはしない。
黒霧も困ったように笑っている。
トガに至ってはもう隣に座っている。
()死柄木
「五十嵐縫い」
突然死柄木が名前を呼んだ。
()縫い
「はい」
()死柄木
「お前は何のためにここへ来た」
皆の視線が集まる。
トガは好きに生きたいから。
他の者達もそれぞれ理由がある。
では。
五十嵐縫いは?
縫いは少しだけ考えた。
そして。
()縫い
「興味です」
と答えた。
()死柄木
「……」
()縫い
「皆さん面白そうだったので」
死柄木が眉をひそめる。
()死柄木
「それだけか」
()縫い
「はい」
少しだけ間を置いて。
縫いは微笑んだ。
()縫い
「あと」
()死柄木
「?」
()縫い
「帰る場所もありませんので」
その言葉に。
何故か誰も笑わなかった。
死柄木は数秒黙る。
そして小さく舌打ちした。
()死柄木
「好きにしろ」
()縫い
「?」
()死柄木
「居たいなら居ろ」
()縫い
「いいんですか?」
()死柄木
「追い出すのも面倒だ」
()縫い
「そうですか」
縫いは嬉しそうに笑った。
()縫い
「ありがとうございます」
その日。
五十嵐縫いはヴィラン連合へ加わった。
まだ仲間ではない。
友達でもない。
家族でもない。
ただ同じ場所に集まっただけの他人。
けれど。
その時の縫いは知らなかった。
この場所が。
この人達が。
いつか自分にとって何より大切な居場所になることを。
コメント
1件
ああ、これ面白かった! 縫いちゃんの「ご飯出ますか?」「寝る場所ありますか?」って質問、あのピリピリした空気の中でガチ勢に聞くのが最高にクセになるわw 死柄木の「追い出すのも面倒だ」ってセリフ、実はちゃんと受け入れてる感じがしてニヤッとした。 観察が趣味で「帰る場所もない」ってさらっと言う縫いちゃんの寂しげな背景がチラ見えして、今後の居場所としてのヴィラン連合がどう描かれるかすごく気になる!続き読むわ🔥