第1話
惹かれるままに
「ふんふふ〜ん♪」
私――汐田 渚は、鼻歌を歌いながら街中を歩いていた。
結い上げまとめた髪は先日染めたばかりのアッシュ色。細身の体はロリィタ系のフリルサマードレスに包まれている。
髪飾りのリボンと同じ色のサマードレスに、白色のパンプスを合わせ、白と淡い水色で統一した。しかもパンプスはリボン付き。完璧だ。
(冬に買ったこれ!! このスカイブルーのフリルドレス!! ちょー可愛い!!)
ネットで見つけたサマードレス。着るには早い時期に買ったものだが、予想通り白のパンプスと似合う。
やっぱり買ってよかった!!、と心の中で大声を出した。
(夏だし、明日はマリンセーラーでも着ようかな。あ、でもでも、レトロ系も着たいしな〜!! ピンクもつけたいしなぁ~)
明日のことを思い描き、ワクワクとしているとすれ違う人に白い目で見られる。
「見ろよ、アレ」
「うわ~。ああいうのって、本当にいるんだな」
「………」
(……聞こえてるっつーの)
現代社会においても、ロリィタを普段着で着る人は中々居ない。奇抜な服装と思う人は多い。
中には嫌味を言う人も。
いい気分なんてしないが、白い目を向けられることは慣れてしまった。
それに、
(私は、私の好きなことをしてるだけだもん!)
悩んでいた時期もたしかにあったが、それでも渚は好きなことを続けることを選んだ。
それに誰かに迷惑をかけている訳でもない。
(私は…私が好きな私でいたいんだから…!、)
好きなことを、沢山すること。
それが今の夢。
「よし!、気を取り直して―――あれ、?」
気合いを入れ直そうとした時。
「こんな所に、道なんて…、、あったっけ?」
街中の裏道に何故か酷く惹かれた。
誰かが呼んでいる…とまでは言わないが、私の好奇心をくすぐる。
(なんか…ある、気がする)
自分の中で確信を得てニンマリと顔が緩んだ。
「行ってみよっ!!」
☆。.:*・゜
コメント
1件
ロリィタばか可愛いのに嫌味を言うとは何様だぁっ!? これの良さが分からない輩は可哀想だ、、