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2025年09月01日

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夜の廟堂に1人。

9月だというのにまだ蒸し暑い夜の中。

屋根の上で酒盛りをするのがここのところの楽しみとなっていた。


「ん〜…。やっぱ、暑い夏に冷たい日本酒は最高だよねぇ…」


沼の手のひらに合うサイズの盃を持ちつぶやく。

綺麗で大きな月。その周りを囲う星々。

何処からか鳴いている虫たち。

こんな夜を独り占めできるなんて、なんて贅沢なのだろうか。


これも、俺が手足を手に入れたらか出来るようになったのだ。

前の手(?)では盃にグルグルに巻き付けて、バランスを取るのも精一杯ので、よく飲み物をこぼしていた。

その度にマリちゃんとシュミちゃんに笑われたなぁ…。なんて。

もう二度と行わないであろう、昔の出来事を思い出す。


「にしても、いつ涼しくなるのやら…

エネミー狩りもこの暑さだとたまったもんじゃないしさぁ〜」


はぁー。と深いため息を吐き、冷たい酒をくいっと喉に流し込む。

最後の一杯を飲みきり、屋根の上から飛び降りる。

飛び降りた目線の先では立派な大麻畑が広がっている。


「うーん。雰囲気のぶち壊し⭐︎」


人がこの廟堂に来てくれるのは嬉しいが、色々アウトなモノをここで栽培しないでほしい。

師匠に顔向けが出来ない。

しかし勝手に取ってしまったら、後であのヤク中に何されか分からない。最悪、ヤク漬けなんて…。

考えただけで身震いする。

そうなれば最悪、マリちゃんを売ろうと思う。


マリちゃんが自分に向かってそんな冗談はよせ!怒鳴ってくる様子を想像してみて、クスッと笑う。

そんなことを考え、心の中で唱える。 「マリちゃんごめんね。今度苺大福をあげるか… 」

そういえば今家の冷蔵庫には苺大福があったのだ。


酒の後に苺大福とは…。あまり合わないがするが、本人は気にしていない。

上機嫌に鼻歌を歌って足早に廟堂の中に入っていった。


「あー!!こんな日がずぅーーと!続けば良いなぁ!!」


大きな月を見上げながら、そう、叫んだ。







自分の体内にある “違和感” を誤魔化すように。

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