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ワンクッション
・nmmnという言葉に聞き覚えのない方は即🔙
・流出厳禁
・ご本人様との関係は皆無 全くありません
⬇️以下本文
ご一読ありがとうございました。
何処だ、此処は。
目を覚ましたら真っ白の、丸くならないと自分ですら入れないような狭い部屋に閉じ込められていた。
それも、僕の足に長い長い鎖を付けて。
「…何処、此処」
『ああ、起きましたか?』
狭い狭い部屋の中まで、聞き慣れたような男の声が響いた。
…そう、聞き慣れた声が。
何度も何度も聞いた、無人島や農業などの過酷なロケを共に撃破してきた聞き慣れた声。
きっと…、いや。
声の出所は加賀美ハヤト、社長だろう。
もしかして社長も誰かに閉じ込められたのか?
いや、あり得ない。
あのゴリラが捕まる訳がない。
何故このような事を?
そして何故か知らないが、少し甘い声をしていた気がする。
いつものドデカ覇気ボイスではなかった。
どんな顔であの声を出していたのだろう。
まあ、部屋に閉じ込められているため、どんな顔をしているのかは分からないが。
「何処ですか、此処」
僕が問い掛けると、此方へ向かってきているような音が耳に入ってきた。
聞こえないか?いや、近付いて来ているのだから、それはないだろう。
『それは…お教えできません。』
何故?
「なんでですか」
距離が近いのだろうか?
彼の呼吸する音が聞こえる気がする。
『ねぇ剣持さん、
貴方、自分が色々な人に目を付けられているのはご存知ですか?』
「は?」
『どれだけ私がアピールしても貴方は気が付かない。
もういっそ、閉じ込めばいいのでは?と思ったんです。
聡明な貴方なら理解、できますよね?』
「何を言って」
『ねぇ剣持さん、私では駄目なんですか?』
僕の言葉を遮った彼の声は、甘く煮詰めているようでいて、圧がかっていた。
まるで有無を聞かせないような声。
声を出そうとしても、はくはくと息の音が漏れるだけで、僕の喉は動かなかった。
『此処には貴方と、私がいるだけ。
やっと私のモノになったんです。
まぁ…その狭い部屋から出してあげれないのは残念ですが。』
「…なんで、僕なんですか」
やっとの思いで喉から音が出る。
『…なんで、とは?
貴方を手に入れるため、ですよ。』
何を言っているのだろう、この男は。
瞬間、急に瞼が重くなってきた。
考える暇も無く、僕の視界は落ちてしまった。
『…フフ、コレでずっトイッショですヨ、ケンモチサン♡』
そう呟いた男の頭には天使のような輪をつけ、目を細め笑っていた。