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[ 学パロ / 風邪(熱) ]
黄色い歓声が響き渡る、体育のバスケの授業中 。
言えば、運動も何でもできる俺は、バスケなんてもうお手の頃
軽い足取りのドリブルで、相手を次々と交わしていっては、即座にゴール下に入り、また一本と点を決める 。
その度に、後ろで見学をしている女子たちが、悲鳴かと思えるほどの声を上げていた
( ..俺が聞きたいのは、その声じゃないんだけど.. )
聞こえてくるのは、いつも、悲鳴に似た女子たちの歓声で ..
肝心な、あいつの声だけが聞こえない 。
( ..あいつ、いまどこにいんだよ.. )
ちょうど休憩の時間に入り、波のように押し寄せてくる女子たちを押しのけながら、ある人を探しに行く 。
すると、ちょうど得点板のそばで、顔を下に向け、うずくまっている “ 仁人 ” がいた 。
仁人に話しかけたくて、そばに行こうとするが、
周りの女子たちに押し流され、中々仁人のもとへ行けない 。
“ こうなったら、大声でじんとを呼ぶしかない “
そう思い、俺は全く気づく気配のない仁人に向かって、大声で名前を呼びかける 。
『 仁人ッ! 』
そうすると、今まで動きのなかった仁人の肩がびくっと跳ね、さっきまで下を向いていた顔が、ゆっくりと前へ向かれる 。
大声で呼ばれたのにびっくりしたのか、目を大きく見開いて、きょとんとした表情をしていた 。
「 ッ..勇斗、!? 」
自分の名前を呼んだのが、俺だと気づいたのか 。
今までびっくりしていた顔は、少し嬉しそうな輝かしい表情に変わり、うずくまっていた体勢を崩して立ち上がり、俺のもとへ駆け寄ってくる 。
その一連の流れが、どうも可愛らしく、
” さすが、俺の彼氏.. “
なんて、心の中で得意げに思ってしまう 。
そんな俺は、案外、仁人に溺れてしまうほど、愛しているのだろう ..
そんな呑気なことを考えながら、さっきからずっと、疑問を投げかけてくる仁人の言葉を無視して、
仁人の頭に手を置き、まるで、犬を愛でるかのような手つきで頭を優しく撫でる
すると、さっきまでの嬉しそうな輝いた表情から、目線を少し上に向け、上目遣いをした状態で、頬をほんのり赤く染める 。
その言葉にし難い感情を持ってしまう不意打ちの可愛い表情に、胸がぎゅっと締め付けられた 。
「 ..勇斗、? 」
『 ..ぁッ、ごめんごめん、』
『 ぼーっとしてたわ、笑 』
「 ..別にいいけど、」
「 あと、もうすぐ試合再開するぞ 」
『 ぇ..ッ、まじで..!? 』
( せっかく仁人と、喋れたのに.. )
” 正直、このまま授業を抜け出して、仁人と2人きりで喋りたい、触れ合いたい __ “
( ..でも、いまは我慢.. )
この授業さえ乗り切れば、次は昼休憩 。
つまり、仁人と2人きりで、お弁当を食べられるのだ 。
『 ..仁人、俺、頑張ってくる! 』
「 ん、..見といてやるから、頑張ってこい 」
『 ..!、』
( ぜってぇ勝つ..ッ! )
” 見といてやるから “
この言葉は、仁人に言われるから嬉しくて、やる気がでるのだ 。
赤い炎で燃え上がったこの心と共に、俺を呼んでいる声がするほうへと、足を踏み出した 。
試合の開始を合図するホイッスルの音が、体育館内に大きく響き渡る 。
それと同時に、自分の身体に、少しの異変を感じた 。
暑いような、頭が痛いような __ …
でも、この頃の俺はそれを無視して、ただひたすらに目の前のボールを追いかけた 。
どうしても勝ちたい理由が、俺にはあったから __ 。
試合は終盤に差し掛かり、3点差でこっちが勝っている状況 。
友 ) 佐野、パス!
チームメイトがパスしてくれたボールを受け取り、ゴール下までドリブルで切り抜けようと、足を1歩前にだす 。
すると、急に視界がぐらつき、鉄パイプで殴られたかのような衝撃が頭に響いた 。
同時に、足に力が入らなくなり、受け身を取る前にその場に崩れ落ちる 。
友 ) 佐野..!?
女 ) 佐野くん..!?
( ぁ 、れ.. )
( なにが、おきて.. )
倒れたときに、頭を強く打ったのだろうか
意識が朦朧とし、頭痛はさっきよりも酷くなっていて、不安や恐怖からなのか、徐々に呼吸も浅くなっていく 。
( こわ、ぃ..ッ )
『 ッ゛は、ぁ..は、』
先 ) おい 、佐野..!
先 ) わかるか、? 先生だ。
『 ッ゛..は、』
先 ) 誰か、佐野を保健室に..ッ
女 ) ぁ..!
女 ) 先生、! 私が..
「 先生、俺が行きます 。」
女 ) ぇ、..
女 ) だ、大丈夫だよ、吉田くん!
女 ) 私が、行くか、ら..
「 大丈夫、俺が行く 」
( ..それに、)
( 勇斗を、他の人に触らすわけには行かない 。)
女 ) で、でも..ッ
「 ..しつけぇなぁ、」
女 ) ..へッ? いま、なんて..
「 ..勇斗、大丈夫? 」
『 ッ..! 』
( 仁人だ、仁人の声がする.. )
みんなの声は認識しにくい 。
でもなぜか、意識が朦朧としていようと、頭が痛かったとしても、仁人の声だけは、はっきりと鮮明に俺の耳に届いていた 。
『 じ..ッん、 』
『 じん…と ..ッ 』
「 勇斗、保健室行こう 」
「 立てる? 」
『 ッ..、』
返事をしようとするが、上手く声をだすことができず、言葉が喉に詰まっているような 感覚がする 。
朦朧とする意識の中、動きにくい身体を必死で動かし、首を横に振る
「 わかった 。」
「 ..勇斗、掴まって 」
『 ..、ッ ん 』
震える右手を必死に伸ばし、仁人の肩へと腕 をまわす 。
” 身体を支えながら、隣を歩いてくれるのかな “
何てことを考えてるいると、突然、身体が宙に浮くような感覚がした 。
頭痛のせいか、上手く頭がまわらず、状況を飲み込めずにいると、こんな状態の自分でさえも聞こえるほどの声量で、みんなが叫んでいるのが聞こえた
..さらに分からなくなってくる 。
俺はいまどういう状態で、みんなはなぜ叫んだのか __ 、
友 ) ぇ..は、?
友 ) 吉田、お前..何して、ッ
( 、ぇ..? )
( あいつ、何して.. )
「 何って.. 」
「 お姫様抱っこだけど? 」
『 ..ぇ、』
お姫様…抱っこ、?
( ..ぁ、おわっ、た.. )
この時、俺は終わりを悟った 。
突然の頭痛や目眩で倒れ、ましてや、みんなの目の前で、仁人に姫抱きをされる __ なんて、
この先のことを考えると、どうもいまの俺にとっては、絶望的な状況だった 。
重たい瞼をゆっくりと開く 。
目線だけで周りを見渡すと、俺はベットの上で寝ていて、周りはカーテンで囲まれていた
そして、隣には椅子に座った仁人がいる 。
「 ..ぁ、勇斗.. 」
「 おはよう、」
『 ..おは、よ 』
寝たお陰なのか、意識はさっきよりもはっきりとしていて、頭痛は少し治まっていた 。
「 水いる? 」
『 ..ん、いる、』
「 はい 。」
『 … 』
仁人に水を渡されたとき、ふいに、心のどこかで思った 。
” 最近、仁人に甘えてないな.. “ と 。
一応、俺は仁人の彼女..というか、恋人なわけであって ..
そういう ” 甘えたい “ だとか、” もっと一緒にいたい “ なんてことは、そこら辺にいるカップルと同じくらい、俺だって思っている 。
でも、勇気のない俺はその度に ” やっぱり俺には.. “ と、諦めてばっかりだ 。
.. でも、今なら、
体調が悪いというのを口実に、甘えられるんじゃないか 。
.. なんて、少しずるいかな 、?
( ..でも、いまの俺には、このくらいしか.. )
「 勇斗、? 」
「 飲まねぇの? 」
『 … 』
『 ..の、ま..せて、』
「 ..は、? 」
『 …// 』
.. あぁ、どうしよう 、
今の俺は、たぶん、物凄く顔が赤い 。
( ..ッ、引かれた..かな、)
『 ..やっ、ぱ 』
『 いまの、な、し.. 』
「 ん 、」
『 、ッ..!? 』
ゆっくり、優しくお互いの唇が重なり合う 。
温かくて、でも、どこか恥ずかしくて ..
さっきよりも一層、顔が赤くなってしまうのが自分でもわかった 。
「 ..ふは、っ笑 」
「 勇斗、顔真っ赤じゃん笑 」
『 ッ..わる、い..?/ 』
『 ..あ、と 』
『 これ..ねつの、せい、だから..// 』
「 ふーん.. 」
「 勇斗、熱だったの? 」
『 ぃ、や..わかん、ねぇ../ 』
『 ..でも、ね、つ..っぽい、/ 』
「 ..もし熱だったら、」
「 俺、移っちゃうなぁ、笑 」
『 ..! 』
「 ..まぁ、勇斗なら本望だけどね、笑 」
『 ..笑 なんだ、それ.. 』
『 へんなやつ 、//..笑 』
なーにが ” 勇斗なら.. “ だよ、
いつもは中々甘えてこない癖して、こんな時にだけ、不意打ちに甘えてくるなんて ..
( ..ほんと、ずるすぎんだろ..// )
そんな、たまにデレがでる仁人に、俺は振り回されてばっかりだ 。
仁人のせいで、この赤くなってしまった顔も、抑えられない気持ちも ..
全部、熱のせいだと言えたらいいのに __…
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なっがいなぁ ..
短くまとめるの、大嫌いなんです笑
前半は、あれ?さのじんじゃね..? って思うじゃん、?
佐野さん、吉田さんのこと彼氏呼びしてるんで、一応じんさのです!笑
まぁまぁな駄作 …
コメント
15件
(っ'ヮ'c)ウゥッヒョオアアァアアァ 最高すぎやて、😇
じんさのの話も良かったです 出来ればでいいんですけどさのじんって出来たらしますか? 全然出来ればでいいです。
めっちゃ好きです、、🥹🩷ほんとにもう熱のせいにしたいよね、でも本当は甘えたい佐野くんが可愛すぎます、、🩷