『最低だ、最悪だ………』
そうだ、全部全部
『お前らのせいだっ!!』
こんなに辛いのに助けてくれないお前らのせいだ、ろくに愛されてこなくて居場所なんてないのに…………
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
いつも通りに親の愛を受け止める。これが愛の正解だって思い込まなきゃどうにかなりそうな孤独という名の愛だった。
『流月はもっと頑張らなくちゃ、また98点なんて』
私、哀川 流月(あいかわ るる)はそうとう親に期待されていた。嬉しい限りだろう。そのはずなのに心に傷ができていく気がした。
『うん、お母さん私、勉強してくるから』
『あら、そうね今度はこんなミス二度としないでちょうだい』
『うん、もちろんその通りだよ』
嘘の笑顔で自分を隠す。愛だって受け止めなければこの世界では本当に孤独になってしまう。
(これは愛なんだ)
ガチャ
何事も無かったかのように机に向かう。いつものことだろう。静かな部屋で1人、時計の針が動く僅かな音でさえ部屋では鳴り響くように聞こえた。
カリカリ カリカリ カリカリ
単純に早く勉強を終わらせたいという思いとお母さんに叱られたくないという思いが積み重なった。そのおかげかいつもテストは高得点だった。
ピロン
『……なんだろ』
特に動画も勉強系しか見ない、それ以外はニュースだろう。何かしらの通知がきた。休憩もしていい時間になったからベットに寝転がりその内容を拝見する。
『何、これ』
画像はある街のようだがその中にはとても可愛らしい子が4人ほど集まって何かをしている。
ニュース記事には「地雷」などの言葉が出されていた。所々あった文字に検索をかけて見るとそこには私の知らない世界があった。
(みんな私と似てるんだ。)
何となくそんな気がした。でも愛されないから、愛されたいから愛す。そんな変な理由でお金を貯めてある人に使う。これだけは理解できなかった。
(変なの)
少し、この街に行ってみようか?なんて馬鹿げたことだ。第1お母さんになんて言う?また何か言われて心に傷を負うだけな気がした。
でも地雷というワードで検索する度にリストカットという言葉もチラチラと見る。リストカットとは手首を切ること、でもそれもどれも痛々しくてもちろん私は理解が追いつかなかった。
『でも、自由に生きられてていいな』
私もそんなふうになってみたかった。このままお母さんの指示に従ってればいつか私は引かれた線路から外れて壊れていく、少しだけでいい自由になりたい。
(お小遣いどれくらいあったっけ)
少し色んなものを揃えてあそこに行ってみたい。お母さんに逆らってみたい。
(大丈夫って思うことでストレスへためてたんだなぁ)
いつか幸せになれる日を願って大丈夫だって言ってきた。でも今はそれが人生が苦しくなるほどストレスをためる行為になっていた。
ガチャ
休日あたりに服やらなんやらを買いに行こう。今度のテストもきっと高得点を狙える。分かりきったことだ。98点で足りないとかいうお母さんもおかしいだろう。
『お母さんご飯は…』
『何?できてないって分かるでしょう?』
『う、うんお風呂入ってくるよ』
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
チャプン
何となくそんな気がした。ああやって怒られるんだって…でも無断で出かけても叱られるんだろう。
『慣れてるはずなのにな』
こんなこと日常茶飯事で慣れてるつもりだった。周りと比べると確かに変だとは分かってるけど、これが私の普通だったから。
ここでもまた静かにシャワーから少し垂れる水の音を聴いてゆっくり湯に浸かっている。少しだけ暇な感じだ。
『あー!早く休日になんないかなぁ』
少しおかしくなった私、変わった私をどう受け止めてくれるんだろう。こんな私を愛してくれる人はいるのだろうか?
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