コメント
6件
この続きが気になります!
「愛してあげられなくてごめんね」という曲のパロみたいなものです。
ふと、”これで🟦🏺バッドエンド書きたいな”、と思い衝動で書き始めました。
⚠️後半にR-18G(グロ)表現、nmnm、解釈違い⚠️
最近、つぼ浦がよく俺を見ている気がする。目を合わせればアイツは目を背けるけど、またこっちを見てくる。それに、なんだか顔を赤くして気まずそうにしている。
…つぼ浦は俺に恋をしてるのでは?と考えたら腑に落ちた。面白いおもちゃを見つけたような気分だ。だって、いつも自由に犯罪者を蹴散らし、俺にも生意気な態度を取ってくるアイツが俺に恋だなんて!
ああ…さて、どう遊んでやろうかなぁ。
そうだ、アイツの車の中に手紙を入れよう。今アイツはちょうど事件対応中だし車の中に入れるにはちょうどいい。東署…は、ちょっと怪しまれるかな?まあでも俺からって書いたら来てくれるでしょ。
“東署で待ってるよ、つぼ浦”…っと。あとはつぼ浦を呼び出すだけだね。
『つぼ浦〜』
『はいつぼ浦です、なんすか』
『お前のジャグラーの中にプレゼント入れといたよー、見といてねー。』
『了解しましたァ』
楽しみだな〜。俺から告白されちゃったつぼ浦の反応。俺は付き合ってあげるよ、つぼ浦。
東署に行って2分ほどでつぼ浦は東署に来た。面白いな。爆速じゃん。
「なんで呼び出したんすかアオセン、お叱りすか」
そう言うつぼ浦は態度こそいつも通りでも、サングラスに隠れた瞳は泳いでいる。耳は赤いし、手も若干震えている。
やっぱりつぼ浦は面白い!まだ俺に、ただ呼び出されて2人きりになったってだけなのに。
…あぁでも、こんな歪んだ理由で告白したって知られたらつぼ浦どんな反応するかな。さすがに可哀想だからずっと黙っておこ。
「…つぼ浦」
「…だからなんなんすかって」
「好き、付き合って」
「…ど…どういう風の、吹き回しだ。アオセン。ほんとの要件を言え。」
そういえばこういう時勘が鋭かったな、つぼ浦って。妙に悲観的ってことでもあるかなあ。そんな疑わなくていいのに。
「だから、つぼ浦のことが好きだから付き合ってほしいの。」
「ほんとか…?嘘じゃないんだな?」
「俺は嘘つかないよ」
なんて、全部嘘だけどw
「わかった…そこまで言うなら付き合ってやる…。」
そう生意気な態度で言うけど、お前はとことん加虐心をくすぐる反応をしてくれる。つぼ浦の口角は上がり気味だし、目が少し潤んでいる。ずっと見ていられる。…あぁ、お前は全部が面白い男だよ。
あれから、つぼ浦は前より俺に話しかけてくるようになった。俺は変わらない態度でずっと接しているけど、それでもつぼ浦は嬉しそうにしてくれる。ペットを飼ったような気分だ。ご飯にもよく誘ってくれるし、よく犯罪対応でバディを組む。
アイツと一緒にいるのは飽きない。犯罪者とのコントも、テンポの良い会話も。ずっと俺の傍に置きたいと思った。
それに、好き、と良く伝えてくれる。最近その頻度が多くなってきた。尻尾を振って撫でて欲しそうな犬に見えて、また加虐心がくすぐられる。キュートアグレッションっていうんだっけ?だから俺はつぼ浦に好きを伝えていない。”好き”を軽く流されてへこむつぼ浦が一番見てて飽きない。もっと遊んであげるからね。
俺は今どんな顔してるのかな。つぼ浦にはとても見せられないかも、とんでもなく邪悪な笑顔をしてる気がする。
今日は夢を見た。綺麗な夕焼けの下、つぼ浦と一緒に白、ピンク、青、オレンジ色の花を育てる夢。一緒に水浴びして遊んで。浴びた水がつぼ浦から滴って、その水滴が花に落ちた瞬間白色の花が急に大きくなって、つぼ浦が爆笑する夢。
我ながらおかしな夢を見たな、と思わず笑った朝。あの花の種類が気になったけど、情報が色しかなかったせいでわからなかった。
本当におかしな夢だ。本当に。俺とつぼ浦は最近あまり仲良くない…というか、つぼ浦が俺を避けているというのに。
むしろつぼ浦は俺に会うと悲しそうな、寂しそうな顔を一瞬する。違う。俺はそんな顔をしてほしいわけじゃなかった。
でも今日は少し違った。つぼ浦から急に呼び出されたのだ。
“オイルリグで待ってるぜ”、それだけがメールで送られてきた。額から流れた汗は、つぼ浦からメールが来たという嬉しさと、急な呼び出しに対する怖さが混じったものだった。
急いでヘリに乗りオイルリグへと向かう。徐々につぼ浦の元へ向かっているという事が、俺の手元を狂わせようとしていた。
「…よぉ、来たかアオセン。」
呼び出されてから10分程。着いた時にはちょうど、今日の朝、夢で見たような夕暮れだった。
「俺がアンタを呼び出した理由…分かってるか?」
つぼ浦はこちらを見もせず、心から溢れ出る感情を押し殺すように言った。
「いや…わかんない」
「…なぁアオセン、俺さ…、アンタに付き合ってほしいって言われた時…めちゃくちゃ嬉しかったんだ。」
つぼ浦がこの先言うことを予想した。思考が無駄に回るせいで言葉を発せない。
「だからさ、アオセン。別れてくれ。アンタは…ッ俺が好きじゃないんだろ?」
つぼ浦は泣いていた。こちらを横目に、苦しそうに笑いながら、泣いていた。
その顔が、今朝見た夢の中のつぼ浦と重なる。夕日に照らされた小麦色の肌と涙、儚げなその笑顔は息を呑むほど綺麗だった。つぼ浦の頬を伝った涙は、鮮やかなアロハシャツにシミを作っていた。
「もう辛いんだよッ…アンタにこっぴどく…ッフラれる夢を見たんだ……だから、さ、ケジメをつけようぜ」
動悸と汗が止まらない。何を言えばいい?つぼ浦が離れるなんていやだ。…俺はつぼ浦のこと好きじゃないのに止める資格があるのか?好きってなんだったかな、好きと言うタイミングが無かっただけなんだ。なんて、つぼ浦に届くはずもない言い訳を自分に言い聞かせる。
「…なんも言わねえんだな、アオセン。それじゃあ、こっちのケジメを付けさせてもらうぜ。じゃあな。」
そう言いながらつぼ浦は落ちるギリギリまで足を進める。際の際まで行って、こっちを振り向いたつぼ浦の手にはグレネードが握られていた。そしてつぼ浦はグレネードのピンを引き抜き、大層大事そうに、両手で胸にグレネードを当てる。
俺はただ。ずっと、呆然と。その光景を見ていた。
「つぼうら」
やっとのことで声を絞り出した瞬間。景気よくつぼ浦が弾け飛んだ。
肉が張り裂け骨が粉々になる音。夕焼けに溶け込んで馴染む血飛沫。あちこちに飛び散る細かな肉。半分吹き飛んでなくなった生首。海へと倒れるつぼ浦の、上半分がなくなった体。
残酷で美しく、吐き気を催すようなその光景が脳裏に焼き付く。活発で自由で特殊なアイツに、ある意味お似合いと言える光景だった。
俺は自覚した。自覚するには遅すぎる、純粋で、永遠の幸福を願っていたはずの”好き”を。
急いで海へ潜る。考える前に体が動いていた。俺に付着していた血肉が霧散する。
だが、どれだけ見渡してもつぼ浦の死体はない。…あぁ、リスポーンしたんだな。
この街は不思議なもので、いくら体がボロボロになろうと治ってしまう。少し時間がかかる場合はあるものの。
きっとあいつのことだ。俺と付き合ったあの日から、それかもっと前の、俺のことを好きになった時からの記憶は無いんだろうな。
だとしたら。なんて酷くて、しっかりとした罰なんだ。
つぼ浦が乗ってきたであろうヘリを押収して、俺は病院へと向かう。病室にいるであろうつぼ浦を確認するために。
「つぼ浦いるか〜?」
この時ばかりは、抑揚のない声で良かったと思った。心の内を明かさないようにするのが簡単だからだ。
「おぉ〜、アオセン。ここは病院か?」
「合ってるよ〜、で、どこまで覚えてる?」
「あ?なんだ覚えてるって。まるで俺が記憶を失ってるような言い方するんだな。」
「いいから、どこまで覚えてる?」
「あァ〜…?わかった、話すぜ。」
つぼ浦にどこまで覚えてるか、しつこく聞いた。
どうやら最近のことも覚えてるが、俺との記憶がすっぽり無くなってしまっているらしい。
本当に都合の良い脳だ。
…できるなら、お前が死ぬその日までそのままでいてほしい。これは俺の勝手な贖罪だ。
あれから毎晩夢を見る。
つぼ浦があらゆる方法で死んで、記憶をどんどん失っていく夢。おかげで最近眠れない。
でも、現実のつぼ浦は眩しいほどに元気だ。今日も犯罪者を蹴散らしている。
「アオセン!!なに突っ立ってんすか!仕事しろやァ!!!」
「…はは、ごめんごめん。仕事するよ」
夢の中のつぼ浦に比べれば、現実のつぼ浦はずっとずっと優しい。
どうか、俺のことを思い出さないまま、この関係を保てますように。
夢で見た花はカーネーション。色ごとに花言葉が違います。是非調べてみてください。好評であれば、これの続き等を書きます。