ぽちゃんという音と共に、うどんの汁が飛ぶ。
まさかと思いベストを見ると、嫌な予感は見事的中し先程の汁が染みとなっていた。
「 あっっ!!!?!?わりぃ!!!驚かせた!! 」
声を掛けてきた赤髪の彼は私のベストの染みを見て頭を下げた。
後ろには赤髪の人の他に3人いた。
『 いえ……、慣れてるので………。大丈夫です…。 』
「 え、慣れてる? 」
『 ベストで良かったです…。ベスト着てるときに話しかけてくれてありがとうございます……。 』
黄色い髪の人が疑問を口に出した気がするが、何よりベストで良かったという感謝を伝えたかった為私も彼に頭を下げた。
「 ちょっとまって慣れてるってなに?え、なに? 」
「 なんで俺に感謝!? 」
『 いやほんと……、シャツだったら取れないんで……。 』
「 え、スルー? 」
『 あ、すいません。手疲れますよね。相席ですか?どうぞどうぞ。何なら退かせて頂きます。 』
「 いやいや、それは悪いからさ〜、…ちょっとまって座って!? 」
私といたら間違いなく彼らも不幸になってしまう…。
退こうとすると黒髪の人が慌てて止めてきた。
ふと、私は彼らの制服に目が行った。
『 ボタンが一つ…、ヒーロー科ですか? 』
「 おう!1年A組だ! 」
『 あぁ!ヴィラン襲撃の…!ご無事で何よりです…。 』
「 ありがとな! 」
「 …チッ 」
え、舌打ち?
よく見ると未だに一言も喋って居なかったツンツンした髪の人が手元の麻婆豆腐に七味をぶっ掛けていた。
…麻婆に七味?
それ辛いのに…?ヒーロー科怖い…。
「 お姉さん名前聞いてもいい?俺上鳴電気!良かったら連絡先教えて!! 」
上鳴電気│個性:帯電
『 あ、不幸です…。不幸慧、連絡先は…、LINEでよければ……。 』
「 よっしゃ!!ふこうちゃん!!どう書くの? 」
『 えっと……、不幸せの不幸です…。 』
「 となると個性もそれ関係?あ、俺瀬呂範太ね、よろしく不幸ちゃん。 」
瀬呂範太│個性:テープ
『 あ、はい。自分が不幸になっちゃう個性なんですけど……。 』
「 んだそれつれぇ!! 」
「 雑魚が 」
切島鋭児郎│個性:硬化
爆豪勝己│個性:爆破
「 爆豪〜!こんな可愛い不幸ちゃんに雑魚とか言うなよ〜!! 」
「 うるせぇ。ぶっ殺すぞ。 」
ひえ、物騒。