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そのあと子供を侍女に預けて、食事場にあんないされた。
「…こちらへ」
別の20代程度のポニーテールの侍女に案内され、白色の長い廊下を進む。
足音がやけに響く。妙に静かだ。
まるで、この屋敷全体が“音を消している”みたいに。
やがて、扉の前で侍女が止まった。
「お食事の間でございます」
少し声が震えていたが、取り繕うように
表情はなにを考えているかわからないままだった・
「…ああ、わかった。」
返事をしながら、扉のほうを見る。
ゆっくりと扉が開く。
中には、長いテーブル。
そして——すでに一人、オレンジ色の目で黒髪の男が座っていた。
(…20歳…いや、18歳くらいか?)
(俺より少し高い、175cmくらいの無表情な男だ。…なんか、妙に既視感あるな。)
一瞬胸がざわつき、男を二度見する。
侍女の視線が、俺と机を交互に見ているのに気づき、もう一つある椅子に座った。
公爵が俺の目を表情を変えずに細い目で睨むように見た。そして――
「…遅い」
俺より少し低い声で言い放った。
思わず一瞬、身体が固まってしまった。
(こいつ…まだなにか言うことあるだろ。…遅れた俺もわりぃか?)
「あのな…いや、わかった」
途中から目を合わさずに言い、椅子を引いて座る。
息を吐き、机に目を向けると、スープや白身魚、そこまで大きくはないパンなどが皿の上に乗っていた。
(こういうの、久しぶりだな。)
公爵が音を立てずに食べ始めてるのを一瞬見て、両手を合わせる。
「いただきます」
少し小さな声で言い、右に置いてある箸を取った。
すると、侍女が少し目を開き、侍女の方に目線を少し向ける。
(…なんだよ?)
(…毎日、こうなのか?…なにか…いや、いきなり踏み込みすぎてもな。)
考えを振り切り、味わうのに集中しようと、スープを口に運んだ。
向かいの公爵を見ると、少ししか食べてなく、カトラリーをもとの位置に置いていた。
食べ終わり、カトラリーをもとの位置に置き、案内をした侍女のほうを向く。
侍女が無表情で少し目線を下にした。
「では、ご自室にお帰りください。」
そう言われ、椅子から立ち上がり横にずれて椅子を机の中に少し静かに入れる。
「ああ。」
そう言いながら、侍女ではなく二秒ほど男の方を見る。
あと数分もあれば食べ終わりそうな量で、
まるでなにも食事に感じてないような表情だった。すぐに侍女へ目線を向ける。
(…まるで読めないな)
片方の眉が少し上がってしまう。
ここに来る時に来た、長い廊下を侍女の一歩後ろで歩いていく。
食事の時を思い出し、侍女におもむろに尋ねる。
「なんで仲が悪いんだ?」
そういうと、侍女の頭が少しだけ上にあがり、そのあと小さく息を吐く。
「旦那様は、悪い人ではございません。」
声を堕として顔を向けないまま言った。
俺が少し横にずれて、少し不機嫌に低い声で言う
「仲が悪い理由は?」
そう言うと、侍女が一瞬顔を上げて、すぐに暗い表情になる。
「…お互いの家の利益のためですから。最初に言われたでしょう」
そう言い、スタスタと歩き出した。
(お金の問題で政略結婚とかか…?)
侍女のあとを追いかけるように早歩きする。
窓がさっきとちがい、カーテンで閉め切っていた。
そのせいか灯はついてるがい薄暗く少し不気味な空間になっていた。
コメント
1件
第2話読み終えたわ。公爵との食事シーン、空気がピリピリしててめっちゃ緊張感あった。「遅い」の一言で主人公が固まる感じ、よくわかる。侍女の「旦那様は悪い人ではございません」って台詞が逆に気になる…政略結婚の匂いぷんぷんやな。暗い廊下とカーテン閉め切った演出も不気味で世界観に引き込まれたわ。続き楽しみ🔥