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帝都医療センターの東の窓が、ゆっくりと白み始めていた。濃密だった24時間が、ようやく一つの区切りを迎えようとしている。
救命救急室には、奇跡的にわずかな静寂が訪れていた。
京本大我はICU第3病室のベッドサイドに立っていた。
数時間前に心停止から蘇生した青年の呼吸器が、規則的に作動している。
脳波モニターには、安定した反応が映し出されていた。
蘇生後脳症のリスクを乗り越え、生存の可能性が見え始めていた。
「……繋いだ。俺たちで繋いだんだな」
京本は自分に言い聞かせるように、優しく言葉を落とした。
ナースステーションには、全員が集まっていた。
皆、それぞれの白衣と手袋には血と汗の跡が残っていたが、誰も倒れてはいなかった。
「お疲れ様でした……!」
ナースが声を震わせて頭を下げる。
「全員が奇跡ですよ、先生たちは」
その言葉に、樹が小さく苦笑した。
「奇跡じゃないよ。──努力の塊だ」
慎太郎は淡々と透析装置のスイッチをオフにした後、ぽつりと呟いた。
「でもさ、奇跡だろうが努力だろうが、助かった命の鼓動が鳴ってるのは…やっぱ凄いよな」
「それが、俺たちの仕事だ」
北斗が静かに答えた。
ジェシーは最後に手術記録を閉じると、皆に向き直った。
「24時間で、手術19件、心停止5件、蘇生成功4件。
ICUはフル稼働、救命搬送は27名──全員、命を繋いだ」
しばらく沈黙が流れた。
髙地が、ゆっくりと顔を上げて言った。
「……でもまた、今日も始まるんだよな」
その言葉に、全員が自然と笑みを浮かべた。
どんな地獄を見ても、どれほどの限界を超えても──
SixTONESの救命は、終わらない。
午前5時30分──
窓の向こうに、朝日が昇った。
六人は静かに並び、オレンジ色に染まる光の中で誓うように立ち尽くしていた。
『俺たちは、今日も命を救い続ける。』
その誓いは、また新たな一日の始まりを告げていた──
【完】
ぱいなつぷる。です。
久しぶりにいきなり出てきて、大量に更新してしまいすみません。
昔から医療ネタをしたいなとおもっていて、
ここ何ヶ月か、考えに考えて、作成しておりました。
ようやく完成したので上げさせていただきます。
医療知識はさほどありませんが、読者様の心に刺されば嬉しいです。これからも、更新続けますので何卒よろしくお願いします。
リクエストも受け付けております。
Fin.