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目が覚めた。
少し長い時間 、 眠っていたのだろうか。 頭がボーっとする。
白い天井 、 清潔なベット 、 繋がれた点滴。
病院だと気づくのに 、 そう時間はかからなかった。
でも 、 どうしてここにいるのか思い出せない。
確か外に出た時 、 車が …
🍤 「 、失礼しま、す………… 」
突然 、 誰かが入ってきた。
少しパーマがかったような 、 ふわふわした蜜柑色の髪 、 夕日をそのまま閉じ込めたような 、 オレンジ色の瞳だった。
🍤 「 目を覚ましたのか…? 」
泣きそうな目で 、 僕のことを見つめている。
🍤 「 !!!!!!…よ、よかった!!、、、起きたんだな!…
今すぐ報告しないと!!、 」
え…?どういうこと?
💀 「 君は、だれ、? 」
僕のことを知っている彼のことを 、 僕は知らない。いや 、 わからない。
… 思い出せない。
彼は一体……?
俺は医者を呼んだ。
医者が言うには 、 交通事故によって高次機能障害になってしまったのではないかという。
いわゆる記憶喪失だ。
🩺 「 頭部に強い衝撃が加わると、脳が損傷し障害が生じるんです。
おそらく、しにがみさんは事故によって頭を打ち、記憶があやふやになっているのかもしれません 」
🍤 「 そんな… 」
🩺 「 とにかく、検査をしましょう。ついてきてもらえますか? 」
🍤 「 は、はい………… 」
実感がわかない。
記憶喪失? 急展開もいいところだ。
今にも倒れそうな体を何とか支え 、 検査室へ向かった。
コツ … コツ … コツ … コツ …
足音だけが 、 廊下に響く。
何とも言えない気まずい空気に耐えられなくなり 、 俺は重い口を開いた。
🍤 「 あの、回復にはどれくらい時間がかかりますか? 」
🩺 「 人に寄りますが、約一年ほどです。
ですが、もっと早く回復した方もいますので、そう気を落とさないでください 」
🍤 「 はい、、 」
俺の気持ちに勘付いたのか 、 優しく微笑みながら話す医者。
そんな俺たちの後ろを 、 静かに歩くしにがみの方を振り返る。
どこか寂しそうに 、 横目で外を眺める彼に 、 かける言葉が見つからなかった。
💀 「 …あの、ごめんなさい……僕のせいで、、、、 」
🍤 「 !…気にすんな笑
しにがみ、、君は悪くないから 」
視線に気づいたのか 、 謝る彼の声は 、 消えてしまいそうな程にか弱かった。
🩺 「 …では、この部屋にお入りください。
しにがみさんは奥の椅子へどうぞ 」
💀 「 はい、 」
検査結果がわかるまでに 、 クロノアさんとトラゾー 、 しにがみの両親に連絡を入れた。
クロノアさん達からは 、 今から来ると返信が来た。
🍤 「…ふぅ……」
たった1時間の出来事が 、 頭の中を靄で埋め尽くす。
そんな中 、 戻ってきた医者の声が 、 その靄を掻き分けるかのように 、 頭に響いた。
🩺 「 検査結果なのですが、特に異常は見つかりませんでした 」
🍤 「 …え?、どういうことですか?
じゃあどうしてしにがみは俺のことを覚えていないんですか? 」
🩺 「 わからないです…
が、もしかしたら、別に原因があるのかもしれません。最近のしにがみさんに変わったところはありませんでしたか? 」
🍤 「 いや……特にないと思います…………
あの、多分、僕より別の人に聞いた方がいいと思います、
最近は電話もロクにできていなかったので… 」
こんなことになるなら 、 多少忙しくとも連絡を入れればよかったと 、 今更ながら後悔した。
🩺 「 そうでしたか。でしたら、これから他のお友達様に来ていただくことは可能ですか?
難しければ明日でも大丈夫ですが、 」
🍤 「 さっき連絡をしたので、もう少しで来ると… 」
ガラガラガラ!
🐯 「 しにがみさん!!大丈夫ですか⁈ 」
🐈⬛ 「 起きたって本当? 」
噂をすれば 、 タイミングよくクロノアさんたちが飛び込んできた。
💀 「 え?、、あっ…………えと、 」
名前を呼ばれたからなのか 、 しにがみは驚いて固まっていた。
あぁ 、 多分 、 トラゾーたちのこともわからないんだろうな。
表情からそのことを読み取るのは 、 容易であった。
🐯 「 しにがみさん?…どうしましたか、? 」
🍤 「 いや、実はな………… 」
トラゾーたちに 、 先ほどまでのことをすべて話した。
そして 、 最近しにがみに変わったところはなかったか 、 話し合うことになった。
続く