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深夜。
音をたてないようにそっと寝室のドアを開ける。
すやすや眠っている彼に近づき、起こさないように髪を撫でる。
自然に笑みがこぼれた。
愛おしくてたまらない、特別な存在。
可愛い頬を指でなぞると、さすがに彼は身じろいだ。
ゆっくり眼を開け、ふにゃと顔を崩す。
「おかえり、勇斗。」
「うん、ただいま。仁人。」
手を延ばしてきた彼を抱きしめる。
とても暖かく気持ちいい。
「遅かったね。お仕事ご苦労様。」
耳元で優しく囁かれる。
ありがとうと言うのと同時に愛おしさで抱きしめる力が強くなる。
「はやとー、いたい。」
ごめんと言い、身体を放すと仁人は『骨、折れるわ』と笑いながらベッドから出た。
「寝ろよ。明日も仕事だろ?」
ベッドに促すと、仁人は首を振った。
「お前も明日一緒だろ?暖かいお茶入れるな?」
パジャマにモコモコのパーカーを着てキッチンでお茶の準備をしている。
「俺、着替えてくる。」
そう言って部屋を出て、自室に行く。
自室から帰ってくると、仁人がこっちを見てちょうどよかったと言った。
「今入ったところ。タイミングいいな。」
それからはお互い今日の事柄を報告しあった。
この業界、楽しい事もあるがストレスが掛かる事もたくさんある。
だから、言える範囲で報告し合ってお互いの悩みを少しでも解決できるようにした。
しばらくして、時計を見ると約1時間くらい話をしていた。
「おい、寝るぞ、仁人。あと3時間しか寝れない。」
自分は慣れているが、仁人は慣れてない上に体力も気力もあまり無いので、寝かせないと身体や仕事に影響が出る可能性がある。
寝室に誘導し、寝かせる。
お互いベッドに入ったところで、仁人がおやすみっと言ってきた。
「おやすみ…。」
そう言うと、仁人は優しく微笑み、俺の胸あたりに顔を置いて目を閉じた。
はぁ、と溜息を付き、仁人を包み込むように抱きしめる。
可愛い、すげぇ可愛い。でもダメだ。時間が無い。
いつイチャついたかも覚えてない。それくらいお互いに忙しい。
「……休み欲しいな…。」
小声でボヤきながら言った。
頭にキスをし、眼を閉じた。
いつかこのささやかな願いが叶いますように…。