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「おばちゃーんラムネ2本くださーい!」
「あいよ、220円だよ。今日も元気だねぇ乱歩くん」
「ふふっありがとう。じゃぁ、またね!」
駄菓子屋の店員に別れを告げた乱歩は外で待っているポオの元へ向かった
「ポオくんおまたせ!はい、これ、ポオくんのぶん」
さっき2本買ったラムネの一つを押し付けた
「えぇっ!?乱歩くんからくれるだなんて珍しいであるな!?えっ…いいのであるか?本当に…?」
「……僕をなんだと思ってんの…いいよ偶にはね」
「うぅ…ありがとうである」
ふっと笑顔を浮かべた乱歩はラムネの瓶と太陽を重ねてそれをしばらく見つめた後
「あっでもビー玉はちょうだい。最近集めてるの」
ビー玉で音を鳴らしながら横目で今度はポオを見つめる
「えっこれ取り出せるのであるか?」
「取り出せるよ。まぁ僕は他の人に毎回任せてるからやったことないけど」
「えぇ」
乱歩に頼まれて割ろうとしてみたり、逆にしてみたりしばらく瓶と戦ってみたが、ビー玉がとれる気配はまるでなく、たかがビー玉に向かって何故か焦ったい気持ちになった。
サイダーを飲む口の所で留まって一向に出てこない。
「……これ本当にとれるのであるか?」
「とれるよ。ラムネ飲むの初めて?」
「ソーダは飲んだことあるのである」
「ふーん。ポオくん紅茶とかコーヒーしか飲まないと思ってた」
乱歩は、にやっと笑って遠回しに罵ってみた
「失礼である…のか?」
「ははっ、おもしろいねぇ君」
乱歩の笑顔にポオは胸が動く。
「ポオくん、これ飲む所頑張って外してとるんだよ。一寸かして。」
「えぇと、確か左側に回して…」
「ほら!とれた!」
乱歩はまた笑う。
「…自分でビー玉とれるのではないか」
「へへまぁね」
ただめんどくさくて押し付けてきた乱歩に若干呆れたが、乱歩が嬉しそうならなんでも良いと思った。
乱歩は、ビー玉ばかりを見つめている。それを密かにポオは妬いた。
ビー玉に生命が宿ってるのかもしれないと錯覚するほど、さっきからビー玉へ向けてぶつけてやりたい気持ちがある。
何故だろう……ポオは考えた。
たどり着いた結論が、”乱歩に似ているから。”
ビー玉は綺麗だ。
光に当たると更に綺麗に見える。怪我をさせては、汚してはいけないと思える。
乱歩も同じだ。偶に見せてくれる瞳が綺麗だ。彼は、闇か光かで言うと光の世界で生きている。光の世界が彼を引き立てているのではないかとポオは思っている。
だからビー玉が取り出せないときに乱歩に重ねてしまったのかもしれない。
「ポオくん何みてんの」
ずっと遠くの景色を見ていたため、乱歩に突っ込まれた。
「いやぁ何も。ちょっと考え事である」
「何考えてたの」
ポオは一寸迷ってから答えた
「他人に汚されないで欲しいなぁって」
「何が」
「乱歩くんが」
「ふーん」
「え」
「え?」
あっさりした回答に最初にポオが驚き、少し遅れて理解した乱歩が驚いた。
「何……そういうこと」
薄ら目を開いて乱歩は言った。
「いいよ。汚してみなよ僕のこと」
「え」
またしても意外な回答にポオは驚く。
「……独り占めしてみなよ」
何もしないポオに焦ったくなったのか、乱歩は少し下を向いて呟いた。
「じゃあ、ビー玉かして欲しいのである。」
言われた通り乱歩ビー玉をポオに渡した。
それを受け取ると、なんと口に入れ、乱歩の体を近くに寄せ、唇と舌を合わせ、ビー玉を返却する。
「んぅ……っ」
乱歩から声が漏れる。
態とビー玉の返却に時間をかけて、しばらくして唇を離した。
「汚せたであるか?」
「ぅあっ……う…」
自分で了承したくせに、顔も耳も赤くなってビー玉のような瞳は白目の中で右往左往している。
「… これぐらいでよごせだとおもってうの」
戸惑いながらも何とか答える。口の中にビー玉が入っているためうまく舌が回らない。
「ほぉ……」
まだ汚していいということか。