TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

メイドの不器用な旅路

シモ「君たちが今朝ピアニに会った人?」

ファル「ピアニって誰だよ」

第三話『インファイター』

シモ「ああ、今朝君たちを襲ったサーナイトがいたよね?」

ファル(あいつか…ドラゴンテールで吹っ飛ばした奴)

シモ「僕はピアニの仲間なんだよね!ルカリオのシモだよね!」

ファル「はーん。で、そのお前が俺に何の用だ?」

ファル「(チーノ、家遠くないだろうしマホミルのやつを家に連れてけ)」

チーノ「(! わ、わかった…)」

シモ「簡単に言えばテスト!」

ファル「テスト?」

シモ「僕はアライアンスって組織の隊員なんだけどさ、これがま~人手不足で」

シモ「君が隊員足り得るかのテストをしに来たんだよね!」

ファル「ふーん?俺らは当てがないからそこの隊員になるのは大歓迎だが…」

シモ「あー待って待って、勧誘じゃなくてテストって言ったでしょ!」

シモ「もし君らが弱かったら足手纏いはいらないって事で”処分”させてもらうんだよね」

ファル「別に殺す必要なくねーか?」

シモ「だって君、昨日家と家周辺を壊したでしょ。+隊員を…ピアニへの暴行も含めて君は死刑だってさ。でも隊員になれば死刑は免れるって感じ」

ファル「暴行に関しちゃ攻撃あんま効いてなかっただろ」

シモ「したっていう事実が大切なんだよね!」

ファル(ウザ…)

ファル「んで、そのテスト内容は?」

シモ「僕と一戦交えて僕に合格と言わせられたら合格だよね!」

ファル「インチキじゃねーのか?本当にそれで合格できんのかよ」

シモ「それは君の強さ次第だよね」

シモ(”とびげり”!)

ファル「うお」

シモ「いくらしゃがんで避けたって…」

ゾッ…‼

ファル「!?」

シモ(とびげりの姿勢を活かし逆立ち、そのまま回し蹴りからのローキック、それで浮いた相手に対し前のめりの姿勢を維持するように下から何発も殴りかかる…!)


霜雪崩(ホアースペシャル)‼


ファル「ッ~~」

ファル(クソッ……痛ェ!)

シモ「やっぱり苦手なのかな?僕みたいな…」

シモ「インファイターに!!」

ファル「ぐぁっ!!」

ファル(クソ…避けられない!)

シモ「いくら強くても、苦手な相手には何も出来ませんじゃ話にならない…」

シモ「大前提がクリア出来ないようじゃ合格は叶わないよ」

ファル「偉そうに語りやがって」

シモ「………君、何か奥の手持ってる?」

ファル「ん?…まぁ無いわけでもないけど…」

ファル「今ここで使う意味も義理もない」

シモ「舐められてるよね…後悔するかもよ?」


バシギギッ…ゴォン!

チーノ「ひゃっ…すごい音!」

マホミル「あの人大丈夫なのかな…?」

チーノ「…まだファルと出会って1日半しか経ってないけど」

チーノ「こんな事でへこたれないと思うよ」


ファル「俺を処分できる腕前があるってんなら来てみろよ」

シモ「挑発のつもり?」

シモ(真上に飛んでる…誘われてるよね)

ファル(苦手な相手への対策も出来なきゃ合格は出来ないって言ってるあたりアイツ自身はその条件をクリアしてるはず…)

ファル(だとしたら飛んでる敵への対処はどうしてくる…?跳び上がってくるなら返り討ちにしてやるよ)


ファルの攻略法は正しかった。

接近戦最強格のシモに対しての殴り合いは圧倒的に不利。

自身の羽を活かし飛び上がるのは至極真っ当な手段だった。

だがファルは見誤っていた。

シモが持つ飛行相手への攻撃方法を…


シモ「”気流” “旋回” “明王” “混沌”…」

シモ「気合…玉‼」

ファル「!?あっオイッ、クソ‼」

ドォォォオオオン!!!

シモ「土煙でよく分からないけど直撃したね…」

シモ「3分耐えれれば合格も検討したんだけどね、やりがいが無くて至極残念だよね」

ファル「じゃあ3分もかからずに倒してやるよ」

シモ「!?なんで動け…」

ファル「ドラゴンダイブ‼」

シモ「ぬおっ…」

シモ(距離を離された!)

シモ(なんで動けている…!?”詠唱”もした気合玉をどうやって…)

シモ(!?あいつ、手だけ不自然にダメージを…)

シモ(まさか気合玉の仕組みに気付いて…!?)

気合玉。シモが持っている遠隔攻撃手段。

準備さえ出来れば地面を抉るほどの火力であり、重宝する技。

そこまでの火力を出せる理由が、

気合玉は風船のような構造になっており、膜の中に気合のエネルギーを溜めこんでいる。

だがその膜の部分を少しだけ破れば、風船から抜け出す空気のようにエネルギーが分散し、火力を抑えられる。

ファル「やっぱりこういうのは素手でやるもんじゃないな…」

シモ「…合格…って言いたいけど」

シモ「もうちょっとだけ遊ぼうかな」

ファル「ケチがよ」

シモ(ファストガード!)

ファル(雰囲気が変わった…)

二人は微笑み、ぶつかり合う結果を楽しみにするように攻撃を―――

チーノ「遅れてごめん!大丈夫だった!?」

ファル「チッ」

シモ「客が来たし止めにしようか」

チーノ「え…わ、私って邪魔者扱い?というか何してたの?」

シモ「赤レンズ、君は合格だよね!」

ファル「ファルだ。ちゃんとした衣食住は提供されるんだろうな?」

状況が分からずチーノは困惑し続けている。

シモ「もちろんだよね!部屋の管理とか掃除は各自で行ってもらうけど」

チーノ(ファル絶対すぐ散らかす…)

ファル「上出来だな。じゃあ俺らをそのアライアンスに…」

シモ「待って。」

シモ「僕は”ファルさんは合格”って言ったんだ。そこの可愛い子は入れるなんて言ってないよ」

場が凍り付く。

ファル「……」

ファル「よし、分かった。なら…」

ファル「チーノが俺と一緒に来ないと俺は戦わない。どうだ?」

シモは驚いた顔で硬直している。

チーノも同じ様子だ。

シモ(アライアンスは人手不足って事を利用されたか…)

シモ「分かったよ。そこまで言うなら入れてあげる」

ファル「アライアンスってどこにあるんだ?」

シモ「ここから90kmくらいあるけど、着くまでは一瞬だよ」

ファル「何を言って…」

パッ!

ファル「!?!?」

なんと。

さっきまで森の中にいたのに、いつの間にか謎の建物の中にいる。

状況が理解できず身構える。

シモ「言っとくけど…ここに入ったらすぐに地獄を見るよ」

シモは椅子にギシッと座る。

シモ「ようこそ。対暴徒抑圧連合、アライアンスへ」


め い ぶ き 次 回 予 告 ‼

マホイップ「ど、どこ行ってたのこんな夜中に!!」

マホミル「いや…ちょっと……さ、さんぽ?」

マホイップ「勝手に外出ちゃ駄目って言ってるでしょ!しかもこんな夜中になんてこと…!」

チーノ「次回第3話『対暴徒抑圧連合(アライアンス)』‼」

マホイップ「明日はおやつ没収‼」

マホミル「そ、それだけは…‼」

loading

この作品はいかがでしたか?

51

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚