來夢は自室に行くと、机に置いてあったパソコンを開いた
來夢「さーってと、ここなら異世界だし、どんだけネット侵入しても気づかれない。ここより、最高の侵入スポットはないよ〜」
すると、來夢は引き出しに入れておいた大量の書類に、何冊かの資料本、黒と赤と青の三色ボールペンを取り出した
來夢「あのヨコハマで感じた嫌な予感の正体を突き止めないと、ね」
それから來夢は、書類や資料本に目を通しながら、ボールペンでチェックを入れ、パソコンで何かを検索していた
來夢「(カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ」
◇ ◇ ◇
來夢「はぁー、一寸休憩休憩!」
來夢(こんだけ探しても、手掛かりが見つからない。嫌な予感は、気のせい?……いや、そんな筈は無い。私の予感は100%当たる。今迄だって、一度も外したことは無い。じゃあ、なんで…)
デビルスパレスに来て、調べ物をしてからもう2時間は経っている
音之瀬來夢は天才情報屋と言われていた
その腕は確かで、彼女はどんな情報も見つけ出し、知ることが出来る
それなのに、嫌な予感の正体が一つも見つからない
それに繋がる手掛かりさえも
來夢「これは対策されてるとしか…。でも、私の手口を知ってるのは、私が情報屋だった頃を知ってる人だけ。その人数も極僅かなのに……、どうして…」
すると、來夢の自室の扉からノックをする音が聞こえた
來夢「はーい」
ルカス「主様、失礼します♪」
來夢「ルカスじゃん、どうしたの?」
ルカス「アフタヌーンティーをお持ちしました。仕事前にどうです?」
來夢「あ、そうだ、仕事…」
ルカス「頑張り過ぎは身体に毒ですよ」
來夢「確かに…、んじゃ、折角だしアフタヌーンティー頂くよ」
ルカス「かしこまりました♪」
本当は正直調べ物をしたかった來夢だが、屋敷の医療係をしているルカスに言われては、反論も出来ない
調べ物がバレると後々面倒なので、來夢は急いで机の上にある物を全て引き出しにしまった
ルカス「主様、準備が出来ましたよ」
來夢「ありがとう、ルカス」
◇ ◇ ◇
太宰(助けが必要な人達のところ、ね)
屋上で來夢と別れてから、太宰は武装探偵社へとあしを足を運んだ
敦「あ、太宰さん!おかえりなさい!」
太宰「ただいま、敦くん。今、乱歩さんはいるかい?」
敦「乱歩さんなら、」
乱歩「僕はここだよ、太宰。それで、僕に何の用?」
太宰「……乱歩さん、時々來夢について、何か違和感を覚えることはありませんか?」
乱歩「違和感、ね…。あるにはあるよ」
太宰「矢張り、そうですか」
乱歩「誰かに聞かれるのは避けたい。少し場所を移動しよう」
太宰「はい」
そう言い、太宰治と江戸川乱歩は何処かへ向かった