この作品はいかがでしたか?
12
この作品はいかがでしたか?
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前回の続きからです!
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「…私ですか?」
確かに…いつも喋りまくっているのあさんが喋らないのは何かがおかしい気がする。
「…もふくんとかだって喋ってないじゃ無いですか…」
確かにその言い訳は通じる。でも、もふくんは1人で考え込んで何かメモをとっている。
「え?俺?メモ作って考察してるんだけど」
もふくんはちゃんと人狼を追い込もうと頑張っている。でも、のあさんは?のあさんは何かした?そう言う気持ちが込み上げてきた。
「…ほら、のあさん何もしてない」
「他の皆んなは話し合いに参加したり、メモを取ったりしてるけど明らかにのあさん何もしてないよね?」
たっつんが口をペラペラと回して話した。いつものあさんはよく喋っている。この状況があってかもしれないが状況にそろそろは慣れる頃では無いかと思う。
「のあさん……ッ…?
もしかして、あの、ッ……人狼…?」
るながのあさんの近くにいたのに気づけば俺たちの方へと向かっていた。
「え…?違う…!!私はッ…!
村人……なのに…ッ!!!」
そう言って目に涙を溜めて泣きそうな顔になるのあさん。可愛い服の上に涙がこぼれ落ち、服をつたり、床にぽたんと落ちた。だんだんシミが増えていく。
「……でも、話し合いに参加しないって事は……あんまり自分の情報を知って欲しくないんじゃないの?」
ヒロくんが言った。
「村人ならさ、自分の情報知られてもいいよね」
「ッ……ちがッ…!!!」
のあさんが膝から崩れ落ちた。
すると、時計が鳴った。
「話し合い終了…2時間たっぷり使ったねさて、投票に移ろうか」
最悪のタイミングで時間が終わってしまった。みんな紙に処刑したい人の名前をかいて投票箱にいれる。みんな早く描き終えていた。
俺の鉛筆もいつしか、早く止まっていて気づけばもう投票箱に入れていた。
「結果を言うね」
「のあさん11票たっつん1票で
のあさんが処刑される事になった」
のあさんが泣いて泣いて号泣していた。
「そんな……ッ……どうして…ッ、?」
「…のあさん………ッ…」
俺はのあさんに感情移入してしまったのか手を取ろうとした。でも、誰かの手によって弾かれた。
るなだ。るなは俺を心配そうに見て言った。
「じゃぱぱさんダメです」
「もう、のあさんの処刑は決まったんです」
るなが必死に止めてくるのを俺は見てのあさんから離れてしまった。
「じゃあ、処刑するね」
「ッ、いやッ、……!!!!」
ゲームマスターは銃口をのあさんのデコに当ててぽつりと言った。
「さよなら天使さん」と。
俺はぎゅっと目を瞑った。
耳も塞いだ。
パン…ッ…!!!!
耳を塞いでいても聞こえるくらいの音がして俺はゆっくりと目と耳を徐々に開けていった。そこには血まみれののあさんが息を引き取っていた。
「ッ…!のあ”ッ、さんッ、…??」
俺はのあさんの死体に近づいて顔を覗き込んだ。綺麗な顔で静かに息を引き取っていた。きっと悟ったんだろう。自分が死ねば他のみんなは死ぬことはないと。
「ねぇ…”ッ、うそ”ッて言ってよ…
今すぐ起き上がって…”ッびっくりした笑?ってわらってよ…”ッ…」
のあさんの冷たい手を取って俺は泣いた。他のみんなも泣いていた。みんなわかりきっていたことなのだろうけど、やっぱりみんな大切な人が死ぬのは怖いんだ。涙が自然と溢れてしまう。
「ああ”ああああああ”ッ!!!」
守れなかった。あの時、俺が手を取っていたらのあさんは安心してくれたかもしれない。なのに俺は離れてしまった。のあさんを心から拒絶してしまったんだ。
「………死体処理するから、
手を離してもらってもいいかな」
きまづそうにゲームマスターが言った。俺は泣き崩れて手をゆっくりと離した。
「ぅ”ッ、…」
泣いてしまう俺。気持ちが何も理解できずにのあさんが死んでしまったという現実を突きつけられた。
「…夜にもうすぐなる。11時には部屋にいといてね」
みんな立ち止まっている。
だから、俺は涙をぬぐってみんなに笑顔を見せた。みんなに安心して欲しかったから。みんなはほっとしたような顔になってやっと別々の方向に歩いて行った。たった1人を除いてー。
「……じゃぱぱ」
たっつんが心配そうな顔で俺の顔を覗き込んだ。俺は泣いてしまったせいで顔が腫れている。
「たっつん…大丈夫だからさ、
部屋に戻りなよ」
そう言ってたっつんに俺は笑いかけた。
「違う」
「……え?」
「…じゃぱぱお前…無理してるやろ」
何か心臓に大きなものが突き刺さった感触がした。…え?さっき笑っってたよ俺。なのに、なんで、?
「……リーダーやからって責任負いすぎやでみんなの前では笑顔で居ようとか思わんでいいねん」
さっき泣いたばっかりなのにまた涙が自然と溢れてしまう。すると、たっつんは俺をゆっくりと抱きしめてくれた。あったかい。
「泣きたい時は泣いてええねん
だから、今は思う存分…泣きや」
「……ッ、ぅ”ッ、グスグスッ、ポロポロ」
その後俺はまた大泣きをしてしまった。でも、たっつんはずっと俺を抱きしめてくれて優しい顔で俺に語りかけてくれた。辛かったよな。たくさん泣きや。そういう優しい言葉をたくさんかけてくれた。リーダーだからって我慢する必要はない。そう思い知らされた。
「……ありがとうたっつん」
「うん。大丈夫や」
「…たっつんのせいで涙めっちゃ
出ちゃったよ笑」
俺はやっと作り笑いじゃなくて、
ほんとうの笑顔で笑えるようになった。
「ごめん笑」
2人で起き上がって歩き出した。
ゆっくりゆっくり話をしながら、
気づけばもう11時だった。
ーーーーーーーーーーポォ☆ーーー
夜の時間がやってきた。クーラーがついた快適な部屋でクーラーの音が響いている。時計の針の音も聞こえる。音が入り混じったこの空間で勿論、俺は寝れなかった。
今日の出来事が多すぎて何があったかあまりわかっていない。
「……はぁ、明日もか」
そう呟いて俺は気づけば寝ていた。
1日目終了ーのあ処刑。
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コメント
7件
そうだよそんな感じ!! 雑談入れてもいいかもね!!✨