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「ずっと一緒。」☕×🐰
☕side:
俺︎︎“たち”は何処に行っても離れない。離れたくない。まぁ、そう思っているのは俺だけだと思うんやけどね。
俺には好きな人がいる。
同じMAZZELのメンバーの…
SEITOだ。もちろん、恋愛的な意味で。多分その恋が叶うことはないと思う。
俺は別に今の関係のままで居られるなら別にいい。俺はいつでもSEITOと触れ合いたいし、笑い合いたい。あーあ。この恋、叶うといいんやけどな。
🐰side:
俺には好きな人が居るんやけど…同じMAZZELのメンバーの
KAIRYUを好きになってしまった。しかも俺は…よく奇病にかかりやすい体質だ。今回は、
「花吐き病」
にかかってしまった。
これは厄介だ。
KAIRYUと触れ合うほど、花を吐きそうになるし、治す方法はその人と両思いになるしかない。はぁ、神様は残酷だなぁ。
あーあ。早く恋がかなって欲しいなぁ。
☕side:
TAKUTO「おはよ~」
そうみんなに声を掛けるリーダー。これは毎日じゃないが、たまにある。たっくんが1番最後に来た時ね。なぜか余裕を持って来る。
今は撮影中。やはり締めのSEITOのブレイクダンスはいつも通り神がかっている。あ~、まじでかっこいい。憧れるわ~。
でも時々可愛いところもあるんよな。あんなでかい体してるのに。パフォーマンス最強なのに普段は可愛いねんな。ギャップ凄いわ~。 あ~、…こんなこと考えちゃったら歌に集中できんくなる。早く諦めないと。叶うはずがないんやから。
🐰side:
ほんま、KAIRYUの歌声好きやわ~。聴いただけでリラックス出来る。かっこいい。唯一無二の歌声を持ってるから、それなりにファンも多い。けどな、あいつ。普段の会話おもろいねんな。まぜべやとかでも盛り上げてくれるし。ほんと、ギャップ凄いわ~。
…こんなこと考えてても仕方ないんやけどな。
そんなこんなでKAIRYUのことを考え続けていたら…
「…ぅ、」
やばい。最近花を吐く頻度が高まってる気がする。
色々な花を吐き続ける。辛い。
家だけならまだいいが、吐き気は撮影中の時もダンス中の時もやってくる。
「………ッ」
苦しい。吐きたい。
~まぜべや撮影中~
KAIRYU「~ということで!」
今日も君は元気そうに司会をする。
「…」
やばい。撮影中はやばい。
吐き気が治らない。
KAIRYU「…お前なんか顔白くね?」
「え?」
え。バレた?どうしよ、えっと…
いや、でもええか。トイレ行けるから、逆にナイス。
KAIRYUはほんま優しいな。
KAIRYU「…お前吐きそうなんか?」
KAIRYU「トイレ行けるか?」
「自分で行ける…」
KAIRYU「そう?なら気をつけてな。」
KAIRYU「…んでさ~」
あぁ、さすがKAIRYU。俺が抜けてもしっかりと切り替えて司会してくれる。
…さっきのKAIRYU優しかったな。
あ、そんなこと考えちゃ、吐き気が。
やばっ、早くトイレ行こ。
「おぇ……ぅ……ッ」
俺は日に日に吐く花の種類が増えていった。花言葉にも注目すると、
ベゴニア「片思い」、
パンジー「私を思って」、
リナリア「この恋に気づいて」。
どんどん吐く。止まらない。
苦しい。苦しい。
…
俺は吐き終わったので撮影に戻った。
…
家に帰っても、吐きたくなる。
そしてついに、普通に生活するのも苦しくなってきた。なので俺は、ようやく病院に行くことにした。
~病院~
色々あってやっと待合室に来た。俺は名前が呼ばれたので、部屋に行った。
コンコン。
医者「どうぞ~。」
医者「…」
医者「…SEITOさん。」
SEITO「…はい。」
医者「あなたは、まず、
間違いなく 【花吐き病】と診断できるでしょう。」
医者「治療法として手っ取り早いのが、好意を寄せている方と両思いになるしかないのですが…。」
医者「…厳しい状況ですかね?」
SEITO「まず両思いになるのは難しいと思います…」
医者「そうですね。では、症状を少し抑えることが出来る薬を処方しますので、そちらを飲んで様子見、という形になりますが…」
SEITO「…それでお願いします。」
医者「…わかりました。では、もうすぐで処方しますので、待合室の椅子に座ってお待ち下さい。」
SEITO「…はい。」
とりあえず薬を貰うことはできそうだ。これで少しは楽になるかな。
☕side:
最近SEITOの様子がおかしい。いつも顔が白い。最近痩せている気がする。トイレにめっちゃ行く。多分吐いているんだろう。
あんな元気なSEITOが、ここまで変わるなんて、絶対何かあったに違いない。 …心配や。
最近まではSEITOの家に遊びに行ってたのに、急に様々な理由で断られている。…
…俺が嫌いだからちゃうよな?
まぁとりあえず、最近のSEITOを観察することにした。
…とは言っても、あいつは人の前で目立つことはしない。ここ3日くらい観察しているけど、何も進展がない。
…もうちょい観察しよう。と思った矢先、SEITOが全く撮影に来なくなってしまった。
本人曰く「風邪」らしい。
まぁ信じられん。
仕方ないので、俺はSEITOの家に向かった。
ピーンポーン。
…
ガチャ。
SEITO「…はい。」
ものすごく低い声で返事をする。
KAIRYU「…SEITO?大丈夫か?」
SEITOはびっくりした様子でこちらを見つめると、「大丈夫」とそれだけ言い、ドアを閉めようとした。だが、その瞬間に俺は見てしまった。
机に置かれた大量のサプリメント。
最近キッチンを使った形跡がない。ろくに飯も食っていないのか?
KAIRYU「SEITO…お前さ、」
SEITO「…」
俺は気づくと家にあがり、机に置かれていたサプリメントを見つめていた。そしてサプリメントにはこう書いていた。
【花吐き病 症状抑制用】
…花吐き病?
俺は携帯で検索した。
…【花吐き病】。
花吐き病の症状は、片思いをこじらせて苦しくなった際に、嘔吐物として花を吐き出すというもの。
正式名称:「嘔吐中枢花被性疾患」
主な特徴
この病気は、誰かを深く愛しているにも関わらず、その相手に想いが届かない場合に発症するとされている。
完治するには、好きな人と両思いになることが唯一の治療法だとされている。
完治すると、「白銀の百合」を吐く。
…へぇ。片思い。
俺は最後の行を見た時、鳥肌が立った。
最悪のケース:両思いになれなかった時、
最悪の場合は死に至る。
…え?
嘘でしょ?死ぬの?は?
無理無理。俺が許さない。
もうどうせなら、俺と両思いになってよ。
…いま冷静に考えてみたら。
…片思い、してるのか。
こんな病気になるほど。
…
俺がいるのに。
ふと家を見渡すと、俺が遊びに行っていた頃と全く違っていた。
ゴミ箱に沢山ある花。
冷蔵庫を見ると、まともな食材がない。ほぼ空っぽだ。
…待て。
SEITOが片思い拗らせるほどいい相手がいるってこと?
俺、嫌なんやけど。
KAIRYU「…片思い拗らせてんの?」
SEITO「…そう」
KAIRYU「飯食ってる?」
SEITO「食べるのめんどくさい から…その薬しか飲んでない。」
KAIRYU「はぁ…」
SEITO「食べるのめんどくさい。」
KAIRYU「食えよ。お願い。」
SEITO「え~…」
あーあ。SEITO、もう既に片思い拗らせるほどの相手いたんや。じゃあもう俺、無理やん。叶わないやん。
ほんと、神様って残酷やな。
🐰side:
あ…、KAIRYUに花吐き病のことバレちゃった。この、このタイミングで、好きって言えたら。
叶うかな。
…KAIRYUが俺のこと好きな訳ないやろ。何言ってんや。俺。
KAIRYU、俺のことを心配してくれるKAIRYU、いつでも笑ってくれるKAIRYU。全部大好き。だけど、好きな人を好きになっちゃいけないなんて、ほんと残酷。
☕side:
KAIRYU「お腹減ってる?今。 」
SEITO「え~…うーん、わかんない。」
KAIRYU「う~ん…」
SEITO「あ、ちょっとごめん」
SEITOは自分の部屋に駆け込んでいった。
あ…、多分花吐くんやろな。
部屋から咳き込んでる音が聞こえるもん。
もうやだ。SEITOが苦しそうにしてるの、見たくない。
KAIRYU「…ねぇ。」
SEITO「…何」
KAIRYU「…あのさ、」
………
KAIRYU「…好き。」
SEITO「…ぇ、」
KAIRYU「俺さ、SEITO
好きやから、」
KAIRYU「俺、好きに
なってよッ、」
KAIRYU「そしたら死なないでしょ?」
KAIRYU「だからッ… 」
SEITO「…」
SEITO「…まじで、」
KAIRYU「…?」
SEITO「まじで、
好きなのッ、?」
SEITO「ほんと、?」
KAIRYU「まじで、好き。大好き。その…恋愛的にな。 」
SEITO「えっと…俺も、」
SEITO「…っ、げほっ 、 うっ…」
SEITOが吐き出した花は、
「白銀の百合」
だった。
KAIRYU「…っあ、ぇ…」
SEITO「俺もッ、好きやからッ…」
KAIRYU「…もっと、
早く言えよッ…、!泣」
KAIRYU「俺どんだけ心配してたか…どんだけ嫉妬したと思っとるん…」
SEITO「…ごめん、」
KAIRYU「まじで大好き。」
SEITO「俺も、大好き。 」
ちゅっ…
SEITO「ん…ッ♡」
KAIRYU「大好き。全部、大好き。」
KAIRYU「死ぬまでずっと 一緒な。」
SEITO「いつでもずっと一緒な。」
「ずっと一緒。」 ~完~