あの地獄から解放され、疲労が限界突破して倒れる。
そして、目を開けると…
ファンタジーなどで魔法使いがよく被っている三角帽子を被った男達が私を囲むように手をかざしている。
「や、やった…本当に成功した…。」
男の一人が呟く。
囲んでいる男達は皆、とても喜んでいるようだ。
私一人だけは何が起こっているのか分からず、ただ呆然と眺める。
少し経ち、男達が近づいてくる。
起きていることが飲み込めずにされるがまま手足を縛られ、身動きが取れない状態にされる。
またもやピンチに晒され、恐怖という感情が表に出てくる。
思わず泣き出してしまう私を哀れむような目で見る男達。
此処がどこなのか、私は今どういう状況なのかも分からない。
分からないというのはそれだけで恐怖なのだと、改めて分からされた。
男達は手足を縛り、そのまま放置する。
泣き喚く少女を放置とはあまりにも非情だ。
先程の歩かされていた時と同じ感情が自分の中で渦巻く。
泣き疲れ、そのまま眠ってしまう。
これからどうなってしまうのか…。
あの退屈な夏休みがこんな泣いて、恐れるモノになってしまうなんて知る由も無かった。
これからどうなってしまうのか、それは神のみぞ知ると言うやつなのだろうか…。
深い眠りから起きる。
もしかしたら先程あった出来事は全て夢なのだった、という希望を持ちながら…。
「やっぱり夢__なわけないかぁ。」
目を開けると放置されていた床で涙を流しながら横になっていた。
恐ろしいなどという感情もあるのだが、自分自身良く分からなくなっている。
私は意外と図太いのかもしれない。
そして、目覚めた時から何か違和感があるのだ。
全身に力が漲っており、今ならなんでもやり遂げられる自信がある。
この拘束も容易く解けるかもしれない。いや、解ける。
試しに解こうと力を入れてみたら自身を縛っていた縄は簡単に千切れた。
あまりにも簡単に千切れたので自分でもびっくりしている程だ。
床に寝ていたためか、身体中が痛い。
立ち上がると痺れてビリっという苦手な痛みが全身に広がる。
「私これ嫌いなんだよぉ…」
文句を垂らしながら、立ち上がろうとする。
ヒリヒリする体を擦りながらゆっくりと。
だが突然、部屋の扉が勢いよく開かれる。
まずいと思い硬直し、扉の方向を見る。
昨日、私を縛って放置した男達が信じられないという目でこちらを見る。
「あ、え?拘束を解いたのか?流石に…え?」
オロオロと扉の前で騒ぎ立てる。
その騒ぎにも負けないほどにドタドタと音を立てて部屋に向かってくる者。
「なんの騒ぎだ!さっさと召喚者を連れてこい!」
無駄にオーラがある男。
本当になんなんだ此処は…。
「そ、それが…拘束が解かれ、そこに… 」
と、こちらを指差す男。
次第に私の顔が引き攣る。
いや、こっち見んな。指差すなよ。人に指差すなって習わなかったのか???まだ小学生だぞ、クソガキだぞ。 死にたくないッ!!!助けてッ!!?
私と男達の間で緊張が走る。
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