第1話
私が通うのは、中高一貫校の華山学園。
所属している吹奏楽部では、中一から高二が一緒に活動している。
強豪校というわけではなく、ほのぼのと楽しく活動する部活だ。 週五の部活だけれど…。
「こんにちはー!」
授業終わり、挨拶はちゃんとするというルールを守るべく、後輩が挨拶してくる。
音楽室前はうるさいほど挨拶が飛び交っている。
高二だからと偉そうにせず、きちんと挨拶しなければいけない。
「こんにちは!今日の予定を確認します」
うちの部活は先輩後輩の仲が良すぎて、パート練も個人練もみんな話してしまう。
私のパートもだが、パートリーダーなので一応は練習させるようにしている。
先ほどまでのうるささが嘘のように静まり返った音楽室前。
そこには高二専用の会議用イスが人数分置かれており、高二は練習前や活動終了後、ここで会議することになっている。
夏のコンクールに向けての合宿計画立て。
夏コンは中学生と高校生に分けられているので、行動計画も二パターン考えなければいけない。
「練習はみっちり入れないとだよね」
「今の時点でもう個人練の時間は取れてるから、合奏の時間を長くしたい」
部長の美咲と副部長の優里を中心に、行動計画を立てていく。
夏コンは優勝したい、という目標を部内で一致させ、さらに団結力を高めたい。
部活に注ぐ熱量が違うと、もめ事が起こりかねないのだ。この時期に退部者が出たら演奏に支障が出る。
原曲を聴く時間を作りたい、お楽しみタイムも欲しい。
みんなの様々な提案に沿って、慎重に計画を立てる。
そうこうしているうちに合奏の時間になり、トランペットパート人数分のイスを並べる。中一は準備できなくて申し訳なさそうにしてたけれど、これくらいはやりたい。
そうして始まる合奏。
低音から重ねられるBの音。最後まで気を抜かずに綺麗な音で終わらせる。合間に中一に音程の直し方を教える。
基礎合奏後はコンクールの曲。
中学生は「ノルンの神」、高校生は「シネマ・シメリック」。
どっちも難しい曲で、自分の曲で精一杯出中一に上手く教えられないのがもどかしい。
周りの音を聞きつつ、気を抜かないように意識してメロディを吹く。
自分の音だけに集中してしまったらダメ。周りの音も慎重に聞きつつ自分の音を丁寧に吹く。
合奏終わり、後輩と「恋愛は難しいよねー」と話しながら楽器を片付けていると、突然、後ろからパーカッション担当の佐々木悠太が現れた。
「恋愛で悩み事?ガールズトークか?」
男子のうざいノリ。まあ嫌ではないので話すが。
「そうだよ~。悠太は好きな人とかいなさそうだもんね」
私の好きな人はこいつ、佐々木悠太。
小さい頃から一緒にいて、友達だったが、演奏姿に惚れて好きになった。
幼馴染みが一番報われにくいと、何かで読んだことがある。
一緒にいる時間が長いほど、異性として見られなくなる、とか。
「恋ってトライアングルみたいだよなぁ」
突然、悠太はトライアングルを片手に言い出した。
「何言ってんの?」
部員のざわめきが消え、私たちだけの世界に入り込んだ気がした。
「トライアングルって、叩く場所によって音が変わるんだ。少しのずれで音が外れるから大変なんだよ。恋愛みたいに、どこか間違えたら報われないんだ_」
どうもこんにちは、あいです!!
最後意味不明ですね。謎解明は明日にしましょう。
トライアングルについては私もよく分からないんです…笑
なのでご了承ください!
基本的に毎日投稿を目指してますが、投稿がなかったら疲れてるんだなって思ってください!
それではまた次回!
前回の投稿、いいねありがとうございました!!
コメント
1件
面白かった! 次回も楽しみにしてるね!