テラーノベル
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家のドアを開ける。
ひんやりした空気が迎えてくれた。
エアコンの効いた部屋。
いつものソファ。
そこには彼が寝転んでいた。
「ただいま。」
そう言うと、彼は眠そうな顔で笑った。
「おかえり。」
「楽しかった?」
それだけだった。
きっと。
今日ヤマが来ていたことも知っていた。
それでも何も聞かない。
探ることもしない。
疑うこともしない。
ただ、私が楽しそうに話すのを笑って聞いてくれた。
付き合いたての頃から。
この人は何も変わらなかった。
私はソファに座って、彼の隣にもたれかかる。
昔は、運命みたいな恋に憧れていた。
何年も忘れられない人がいることが、本当の愛なんだと思っていた。
でも違った。
本当に大切な人は。
帰りたいと思える人だった。
安心して「ただいま」が言える人だった。
初恋は、きっと人生で一番きれいな思い出。
でも。
人生で一番幸せな恋とは、限らない。
私は今日。
ようやく初恋を思い出にできた。
そして、心から思った。
私がおる場所は、ここや。
― おわり ―
noteでは裏話を公開中♪
【https://note.com/___itsuka】
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ユキ
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コメント
1件
完結おめでとうございます……! 「ただいま」が言える人のそばが、いちばんの居場所なんだなってじんわり染みました。昔は運命みたいな恋に憧れていたけど、本当に大切なのは「帰れる人」なんだって気づく主人公の心の動きが本当に優しくて。方言のラストもぴったりでした。ずっと読めて嬉しかったです、ありがとうございます🤍