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創作BLハマりすぎてirxsあんま追えてないってのはここだけの話。でも全然好き。夏休み中に全国いれいす色大作戦見ようと思ったのに。クソ。
初めて見た時。天使だと思った。大袈裟に聞こえるかもしれないこの表現は俺の中ではドンピシャに当てはまる言葉で彼にふさわしい言葉だと思った。
軽音楽部の俺はたまに何故か美術部へ顔を出す機会があった。特に知り合いとかいないのにも関わらず教室が近いからという理由で特に特別な知り合いとかいる訳でもない部屋に入ってはみんなの絵を一通り見て出ていくという謎の行動をしていた。
そんな俺の珍行動に対してみんなは俺に反応してくる。そりゃそうだ。でも自然と話に発展していくの、すごく楽しくてやっぱり人と話すのは楽しいなって思わされる。
でもそういうみんなと俺が話している時に、1人だけ。目の前の絵に向き合って、筆を持つ手が止まらなかった男の子がいた。窓側に座って絵を描き続ける彼のその姿は美しくて、まるで絵画みたいに見えた。
「内藤ー?どうした?」
「あー、バカ疲れたんだよね。冷房ガンガン最高〜っ」
「美術室は涼しいよなぁ、よく運動部遊びに来るんだよ」
「ウケる、美術室ってみんなの涼み場だったんだ」
なんて他愛もない会話を繰り広げてる間も彼は一切こちらに耳を向けるような素振りは見せずに筆を動かし続ける。何を描いているんだろう。特に深い意味は無いけれど単純に気になった。
「やっほ、なに描いてんの」
「…絵」
「それは見たらわかるよw」
目の前の椅子をかっさらって座って彼の顔をじっと見つめてみる。近くで見れば見るほど絵で描かれたような顔立ちをしていて惹き込まれる。美しい、素敵、透明感ある。…その全てを持ち合わせていて、それをまとめて天使みたいというふうに俺は括ってるわけだけど…
「なんで毎日俺のとこ来るの?…俺特に話したりとかしてないよね?」
「君が絵を描いてるところを見たいから気にしないで」
「…俺じゃなくて絵を見てよ、見るなら」
そう言われたから横に座って絵も彼も見られる位置に移動する。
大神りうら。1年生の後輩で美術部員としてもかなり優秀だという話を聞いたことがある。まだ入学して間もないのでコンクールも2回ほどしかしていないがその2回とも金賞。
「…草原に野球ボール…、?」
「…」
俺には思いつかないような構図!俺には美しく描けない、ただの風景画になってしまうようなものも彼は美しく描きこなしてしまうもんだから恐ろしいなとまでさえ思ってしまう。
「へぇ、前回は海だったのに今回は草原なんだ」
「気分次第では変わる可能性無きにしも非ずですけどね」
「あはは、変わるとしたら何になるの?笑」
気分次第で背景が変わるなんて、やっぱり絵を描く人って考えてること面白いなって思わされる。
「おい内藤!お前戻ってこねーの!?」
「今行くー!」
もう少し彼の絵を見ていたかったけれど俺にだって部活動はあるし、泣く泣く撤退しなきゃ。
「失礼しまーす」
いつものように美術室に入るといつもは騒がしい美術室が今日はやけに静まり返っていた。それに不気味さを覚えながらもいつもの窓際に目をやるとそこには見慣れた姿が目に映る。
「他のみんなは?」
「コンクールに出展するテーマ探し行っちゃった。俺は決まってるから黙々と描いてたんだよね」
「この前見た絵だ」
この前見た時は軽い下書き状態だったのが今は本格的に線が引かれている。たった黒鉛筆で薄く引かれているその線も美しく見える。
「…まって」
「…?」
「内藤、…先輩って、先輩だったんですか?」
「え、今更?」
「やば、めっちゃため使ってたすみません」
こちらを急に見てきたかと思えばこういって頭をペコペコ下げてきてくれるから愛おしい後輩だよ本当。
「別にいいよ、親しげに話せるほうが楽しいし」
「…そう、ですか」
あーあ、せっかくタメで話してくれてたのに敬語になっちゃった。今度から赤色の上履きはこうかな。緑色の上履きなんて要らねぇし。ちぇ。
「…あー。戻りたくねぇ。君の絵はすごく癒されるよ…っ」
「それならよかったです」
本当は絵だけじゃなくて、絵を描いてる君自身も含めて美しくて癒されるんだけどね。そんなこと伝えたってきっと彼は軽蔑する目でこちらを見てくるに違いないんだから言わないでおこう。
「あ!そうそう!今度の文化祭さ、軽音楽部が発表あるんだよねー、ぜひ聴きに来て欲しいんだ」
「…俺そういうの苦手なんですけど」
「お願い!まじでたくさん練習してるから、たくさんの人に見て欲しくて…」
彼に見られてるって、いつも絵ばかりを見つめている彼が俺のことを見てくれている。…いや、俺のメンバーを見てくれていると考えるだけで嬉しい。
「…まぁ、そこまで言うなら」
「本当!?」
「っしゃ〜、ガチ嬉しい…、ありがとう…」
勢いよく立ち上がったせいか、俺がすごく喜んでいたせいかりうらくんはびっくりした表情を浮かべながらも絵を描き続けている。
「よし、練習頑張ってくるね、また明日!」
「…はいはい」
文化祭当日。軽音楽部は1日目はスタートを飾る時間帯から。そして2日目はゴールを飾る時間帯から。演劇部とか色々発表してくる系のやつを挟むから最初よりも最後の方がハードル高くて緊張する。
ちなみに1日目の方は全然りうらくんを見つけられなかったから、しょんぼりしながら歩いていたら廊下ですれ違って「来てくれた!?」って訊いたら忘れてた、って返ってきた。しんどひ。
「内藤お前緊張しすぎな!?笑」
「俺の歌下手とか思われたらどうしよう…っ」
「下手じゃねーよ我のボーカル担当!」
りうらくん、今日こそ来てくれるかな。って胸を弾ませて深呼吸をする。
***
ステージに上がった瞬間、女の子からキャー!と黄色い歓声をあげられる。それにニコッと応えながらマイクの前に立つ。最初の立ち位置は0のセンター。
そしてその後にギターの中野が来るから1.5あたりに移動…。よし、シミュレーションもセトリも完璧。あとは楽しむだけ。
パチンと体育館内の電気が落ちる。ザワザワした体育館内の空気感を引き裂くようにドラムの音が鳴る
「…」
呼吸を整えて一音
「〜♪」
歌い始める。ドラムにギター、ベースと色んな楽器と俺の声が重なり綺麗な音楽になる。
それが気持ちよくてつい笑顔が抑えきれなくなる。でも抑えなくていいのがこの舞台だから。思い切り笑顔で歌っていると不意に視界に入る見慣れた赤髪。
「…っ、」
なぜだかすごく声が出やすくて今日の俺は150点くらい上げたくなっちゃった。
「りうらくん!!来てくれてたよね!!」
文化祭のラストを飾る一曲を歌い終わりゾロゾロ生徒が帰る中、りうらくんの背中を追って話しかける。
「かっこよかったね、歌上手くて憧れる」
なんて素直に褒めてくれる彼の声に思わず胸が高鳴る。この感情は絵にしか芽生えないものだと思っていた。なのにそうじゃなかったみたいで、自分でもびっくりする。
「りうらくんの絵はいつ見れるかな」
「んー、コンクールに出す予定だから総合展に行けば」
「今度は俺が見に行くね!」
そう伝えるといいよ、って笑いながら言ってくれた。りうらくんがどうとかじゃなくて俺が見に行きたいだけだから。拒否権なしだし。
「…内藤先輩の歌声、かっこいいのに美しいの。すごいね」
「うつく…!?は!?」
俺の歌声をそう評価されたことはなくて思わず間抜けな声が漏れる。
確かにかっこいい歌声!とは言われたことあるし爽やか!とかそういうのには慣れているけど美しいなんて、そんなのは俺に合わないジャンルだと思っていたからびっくりどころの騒ぎじゃない。
「…?変なこと言った?」
「いや、…初めての褒め言葉でびっくりしただけ…」
どうしよう、嬉しい。俺が彼の絵を美しいと思っていたように俺の歌声を彼は美しいと評価してくれた。それだけですごく嬉しかった。例え評価しているものがちがかったとしてもそれぞれ自分の武器を相手に美しいって思ってるって、そういうの、なんだか嬉しくなっちゃう。
「…俺もお前の絵が好きだよ」
「えっ、嬉しい」
違うな。俺が美しいって思ってるのは彼の描く絵じゃなくて彼自身だもん。…にこりと微笑む彼の笑顔は美しい以外何も出てこなくて。神様の使いだと言われてもおかしくないくらいに美しく素敵な子。
「…内藤先輩、なんでよくうちに来てくれるの?なんか、絵とか興味無さそうだから気になっちゃって」
「あー、…えっ、と…」
君の絵を見に来たって言ったら美化しすぎな気がするし、君に会いに来たっていうのは気持ち悪くないか…?どうしようなんて答えよう
「あのね先輩。 」
「俺は音楽じゃなくて先輩に会いに来たんだ、今日。」
どくん
「そう、なの?」
「まぁ、ってなんか恥ずかしい…笑」
どくんどくん
「…いつも、俺の絵を見て褒めてくれてありがとう。」
ずきん
この子は一体どれだけ俺を好きにさせてくれるんだろうか。だめだ、堕ちてしまう。
「…先輩」
「すき、ですよ」
自信なさそうに頬を赤らめて告白してくる彼は俺の命を掻っ攫って行ってしまった。
end
お休みするって言ったのに投稿してるのかまちょみたいですみまふぇん😑
スマホで3500文字書けたの嬉しすぎてむり