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※👻 🔪さんの初配信のボイス
VTA
「大丈夫ですか?」
声を掛けると此方を見る得体の知れない生き物。物体なのかな?よくわかんないな。でも助けないと!ヒーローになるんだし!
学校を卒業する前ぴょんにヒーローをやらないかと言われた。俺は全然賛成だし困っている人を助けるのは好きだった。小悪魔ですけど。まぁ、そんなことは置いといて今は夜だ。それに路地裏。なんでこんな所にいるんだ?それになんというべきだ…?蛸?いやでも色が。
『貴様。我が見えるのか…?まぁいい身体貸してもらうぞ』
脳内に響く声。低い声と高い声などが混ざって気持ち悪い。同時に頭が痛くなる。息があがる。目眩が…。誰かに言わないと…。ケータイを開き1番上の連絡先に電話をかけた所で意識が途絶えた。
深夜2時。星導から電話がきた。こんな時間になんだよ。ゲームの誘いか?そう思い電話に出るも向こう側は静まり返っている。いたずら電話かよ。そう思ったもののよく聞いてみると星導の荒い息が聞こえてきた。急いで外に出た。星導とはいえが近かったから思い当たる場所を全てまわった。思い出の場所、人気のない場所、全てをまわっていると約10分した頃路地裏で倒れている星導を見つけた。でも様子がおかしい。服がいつもと違うのになり、髪が短めのミルクティー色から紫色がではじめている。すぐに病院へ。でも西にひ技術があまりない。東まで行くか。約30分と言ったところか。急がなくては。夢中で走る。気づいたらビルやロボットが沢山ある東まで着いた。
「なんや!?このボロボロな男は」
歩いていると後ろから声を掛けられた。
「人間…?頼む!こいつを助けてくれ!」
「うっ。これは…ひどい…」
「頼むよ!俺の友達なんだ!東の技術はすごいんだろ!」
必死の思いで叫び続ける
「あれ?よく見たらこいつ白狼の…」
「上手く使えるかもしれんな」
「何言って…」
言いかけた時には気を失っていた。
「リト、ラボに連れて行って。」
「うん。ごめんな。小柳。るべちゃんは救ったるから」
目覚めると見知らぬ天井が目に入った。此処は何処だろうか
「おっ起きてる」
ドアが開いたと思ったら聞き覚えのある声が聞こえる。
「リト!!!!」
宇佐美リト。学生時代からの友達。
「なぁ!!!!星導は無事なのかよ!!!!彼奴どうなったんだよ!!!!」
「落ち着け。るべちゃんは無事。目覚めたとての問題もあるけど…とりあえず息はしてる」
安心して力が抜ける。
「星導は…」
「他の部屋で寝てる。今は俺の仲間とテツが見てる」
「イッテツがいるなら安心か」
「信頼してくれてるなら何より」
「そりゃ学生時代の時からリトが裏切らないのは知ってる。」
「そうかよ。 」
その後は沢山話した。
東と西の話や仲間の話学生時代の話も勿論した。
『星導が目覚ました』イッテツからそんな連絡が来て急いで西のラボに行く。救護室のような場所のドアを開けると完全に見た目が変わった彼奴がいた。
「星導!!!!!」
俺が声を掛けるまで気づかなかったのだろう。星導は此方をむく。
「無事なのか!?俺、心配したんだぞ…お前が電話の向こうで無言だったから…助かってよかった」
安堵で涙が出そうだった。でも星導は何も言わない。いつもなら「大丈夫ですよ〜!あ、もしかして心配してくれたの〜?」や「小悪魔なんでドッキリです」とかいいそうだが。
「あの…何方様でしょうか」
口を開いたかと思ったらそんなこと。いつもの冗談か?いや、にしても演技が…頭をフル回転させても答えが出てこない。星導が記憶喪失?否そんなことは無い。いつもの冗談だ。
「なんだよ。いつもの冗談かよ」
無理に笑いかけるもキョトン顔のまま。
「あ、るべくん起きた〜?」
「イッテツ!!!!!」
何か知ってるかもしれない人が来た。
「なぁ!!!星導何があったんだよ!!!なんで記憶が…」
「あ〜。待ってね。リトくん呼んだ方がいいかな?」
「知らないなら…」
別室に行きイッテツに説明してもらった。星導が記憶を失ったのは最終手段。見た目が変わったのはどうしようもなかったこと。とある蛸に襲われていたこと。蛸は宇宙と合体したものだったこと。星導が記憶喪失になったのは宇宙の負荷に耐えられなかった可能性もあること。
声が出なかった。彼奴何やってんだよ。俺ら置いてくのかよ
「なぁ。星導。お前何処まで覚えてるんだよ」
夜帰る前に星導に問いかける
「多分蛸に襲われる寸前から。誰かに電話したんだ。その時にぴょんって字が見えたのもわかる。けど小柳くんと仲良くしてた思い出も全部忘れちゃった。声は懐かしくて居心地がいいのに。何も思い出せないや。ごめんね」
そう言って笑いかける星導を見てられなかった。泣きそうになるから。悲しい顔をしていたから。とりあえず、俺らがヒーローをやること、本来のラボとは反対側にいること、できるだけの情報を伝えて帰った。
ある日、俺は見た目を変えた。紫よりだった髪も青にし青い目、黒などを基調とした服。見た目を知ってる人からすればわかるだろう。実際リトとイッテツ等に会った時に「変わったね。似合ってるよ」と言われた。これも、彼奴が思い出すため。
結局、デビュー時になっても思い出さなかった。配信では「学校を卒業してここに身を置く前のことです。1匹のタコに出会って記憶を根こそぎ持っていかれました。」と言った。学校を卒業したことも全部俺が伝えた。俺は配信で遠回しで星導のことを伝えた。気づいてくれただろうか。
彼奴は2人の時になったり4人の時になると定期的に「思い出せなくてごめんね。」と言ってくる。大丈夫。お前が思い出せなくても俺は近くにずっといる。
「ねぇ。3人とも。昨日ね、8月7日だったじゃん?その日だけ記憶ないの」
「は…?」
「なんか俺と声が近いミルクティー色の髪をした子が話しかけてくるの。『無理に思い出さなくで大丈夫。無理に思い出さなくてもぴょん達は近くに居てくれるから』って」
なんなんだよ。居るじゃん。