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「あたしは江入アン、よろしく!」
「アンちゃんやな!」
転校生、名前は江入アン。身長は低め。
オレンジ色の混ざったような茶髪のウルフカットに、エメラルドのような瞳。
首にはエメラルド色の石のついたチョーカーをつけている。
「ねぇ、君が、探偵の服部平次君?」
「あ、あぁ、せやけど……」
「すごい! 最高にクールだ!」
キラキラとした眼差しで平次を見る。
なんだか、すごく新鮮な反応だ。
「あのさ、お願いがあるんだけど……」
「ん? なんや?」
「“銀色の蛇の指輪”って、見たことない?」
「なんや、それ。見たことあらへんなぁ……」
「あたしもや。落としたんか?」
「あ、うん。落としちゃってさ……」
「少し、質問してええか?」
「え、うん」
「それって、どのぐらいのサイズや?」
「普通に、指に入るサイズ」
「蛇の指輪ってゆうても、どんな感じや?」
「蛇がぐるっと輪をつくったような感じ」
一言一言、平次の質問に答えていくアン。
「なんで、“銀の蛇”なんや?」
「あ、えーっと……なんでだろう」
「なんや、わからへんのか」
「うん。お母さんから貰ったものだから」
そう言い、アンはしょんぼりした顔を見せる。
「そりゃ、見つからへんかもしれんなぁ」
「あ、見つからなくても、全然大丈夫だから!」
「なぁ、その首の石、なんや? すごう綺麗やねん」
和葉がアンに聞く。
多分、チョーカーについている“六角形の石”のことだ。
「この石はエメラルドっていって、お母さんからもらったんだ」
「なんや、それもあんさんのお母さん貰ったんか」
「あ、うん」
「ええなぁ、優しいお母さんで」
和葉の言葉に、アンは答えない。
というか、答えられなかった。
*:.。..。.:+・゚・*:.。..。.:+・゚・*:.。..。.:+・゚
同じ日の米花町、帝丹高校では。
「セオだ。よろしく」
転校生が来ていた。
藍色の髪にサファイアのような瞳。
青いメガネをかけていて、手首には“六角形の石”がついたリストバンドをしている。
「なぁ、何を読んでいるんだ? セオ君」
「犯罪心理学だ」
「へぇ、そういうの、興味あるんだ?」
「まぁな」
「もしかして、また推理オタクなの??」
「また?」
「えぇ、あの席。あの席の、工藤新一君。彼、ホームズオタクなの」
「へぇ、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ……。」
「うん。新一は、“平成のシャーロック・ホームズ”って言われてて、キッドと比較されることもあるんだ」
「子供?」
そう言い、セオは目を閉じる。
そして、数秒して目を開いて言った。
「“平成のアルセーヌ・ルパン”、怪盗キッドのことか」
「そう、キッド様! あんな推理オタクと対比するにはもったいないわ!」
「怪盗……」
「で、推理オタクなの? ど、う、な、の?」
「確かに、推理小説は面白いが、そこまでではないな」
「へぇ……」
天から差し込む光で、セオの顔はよく見えなかった。