テラーノベル
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『観覧車とか、めちゃめちゃ久しぶりだわ』
kzh「観覧車が?」
『観覧車ってあんま乗ろうとしなくない?』
kzh「そーでもなくね?」
『そう、あ、次うちらだよ』
そう言って、子供の時より少し小さく感じる観覧車のゴンドラに乗った。
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『思ったより綺麗!』
まだ、半分しか上っていないけど、所々キラキラ光る遊園地のイルミネーションが強調されて見えて、想像の何十倍も綺麗だった。
kzh「今の時間帯に乗れて、運良かったかもな 笑」
観覧車は、ゆっくりゆっくり上っていく。
観覧車のゴト、ゴト、という音が私たちの沈黙を割るように聞こえる。
その時だけはなんだか、時間が進むのが早くて。
気づけばもう少しで1番上に着くとこだった。
そこで沈黙を破るように葛葉が口を開いた。
kzh「俺さ、好きだよ。お前のこと。」
葛葉が言うと同時に、観覧車はいちばん高いとこに着いた。
『でも、私この前』
そんな私の発言を遮るようにまた、葛葉が話し始める。
kzh「俺、バイトの面接応募した。昨日の夜、お前が寝た後料理もしてみた」
お前みたいには上手くいかなかったけど、と笑う葛葉。
その笑顔が、夕日に照らされてちょっと儚くて。
ちょっと、︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎︎ 惚れ直しちゃった "︎︎
『うん、そっか』
kzh「それで、それで」
観覧車が下がっていく、それと同じように葛葉の顔も俯き気味になって、必死に話を続けてて。
なんだか、こっちまでその必死さが移ってきちゃうなぁ。
『葛葉らしくないよ、下なんて向いちゃって』
『私の大好きな彼氏はずっと前向いてたよ』
kzh「え?」
『あれ?なに?私の彼氏じゃないの?』
キョトンと目を丸くする葛葉を見て、なんだか癒されちゃった。
kzh「そう、だけど」
『だよね?別れるのやっぱなしにしていい?』
kzh「マジか…嬉しぃ…デス」
『敬語とかちょっと堅苦しすぎなんだけど?笑』
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そこからは二人で手を繋いで遊園地を出ました。
星川達と合流した時は、二人にありがとうと伝えておきました。
もちろん二人とも何も分かってませんでした。
愛情って凄いですね。
一度愛してしまえば中々抜け出せないんだもの。
その愛情が嘘で無ければの話ですが。
それでは、皆さんさようなら。
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ヒモ系彼氏と別れたい 𝑭𝒊𝒏.
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後書き
《嬉しかった》
コメント
8件
1話から見直してきたらさ口角あがったままにまにましちゃったᴗ̥̥ .̼ ᴗ̥ ᡣ𐭩 くーちゃんが可愛すぎるもんだい😾
/ 最高すぎです お二人が末長くお幸せでありますように
後書き 《嬉しかった》