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episode 4
「 なんで俺に優しくするの 」
キーンコーンカーンコーン
いつものように1日が終わった。
今日も普通の日常が終わってあの家に帰りた くないからなるべく予定を立てる。
ジヨン 「 … ヨンベ 。
今日暇 ?? 」
ヨンベ 「 すまん !!
今日 、家族と外食行くんだわ !! 」
手を合わせて謝ってくるヨンベに
こちらの方が申し訳なくなった
ジヨン 「 また今度遊ぼ 。 」
ヨンベ 「 おう !! ごめんな ~ 」
そう言ってすぐに教室を元気よく開けて
帰っていった 。
ジヨン 「 … タプ 。 今日、暇 ?? 」
タプ 「 今日は用事がある 。 」
鞄の支度を淡々と終わらせて
後は帰るだけという顔をしていた
ジヨン 「 そ 。 じゃあ、またな 」
タプ 「 ああ 。 」
1人 。
ぽつんとまだ賑やかな教室なのに
取り残されたような気がする 。
あっち行くか 。
少し遠いけど
昔から友達がいなかった俺は
姉と比べられて泣きたい時にある所に
行っていた
ジヨン 「 … ついた 」
夏の暑さにじめじめと
制服に汗が着くのを感じて気持ち悪くなる
そして目の前には
少し古めの駄菓子屋。
ガラガラガラ _
ジヨン 「 … こんちわ ー 」
声は小さいけど
毎回しっかり聞き取って奥から
出てきてくれる
婆 「 こんにちは ~ 、
あらぁ 、 また来てくれたのねぇ 」
優しく微笑んでくれるおばあちゃん。
俺がここを見つけた時に何も言わずに
アイスをくれた人。
ジヨン 「 … うす 。」
俺は少し頭を下げて
アイスコーナーへと足を運ぶ。
種類は少ないけど
いつも決まって選ぶのはソーダ味。
婆 「 これにする ??
はい 、 80円です 。 」
ジヨン 「 はい 」
婆 「 ちょうどね 。」
俺が奥の少し休憩できるスペースに
行こうとしたのに
婆 「 待って 、 ジヨンくん 。
もう少しで今日は店を閉める予定なの 。」
またもや申し訳なさそうな顔をされた
俺は仕方なく足を止めて店のドアの
方向へと進む
ジヨン 「 わかりました 。
また来ます 」
婆 「 ごめんね ~ 」
ガラガラガラ _
ど ー しよ 。
いつもあそこで時間潰してたのに 。
俺はアイスを咥えて
これからなにするかを考えてた 。
あの家には帰りたくないけど
することも無いし帰るしかないのか 。
そのとき 。
後ろから凄い早い足音がした 。
ダダダダダ _
「 あの ッ !! 」
ジヨン 「 … ん ?? 」
そこには黒髪のポニーテールで
目が凄く垂れ目な子が息を切らして立ってた
スンリ 「 さっき 、 駄菓子屋で
アイス買ってくれた人ですよね !? 」
女の子と話すの何年ぶりだ ??
なんか声出ないかも
スンリ ( ??
俺が返事しないので
戸惑って首を傾げる女の子におもわず俺は
頷いた
ジヨン 「 … あ 、うん 」
スンリ 「 よかった ー … 近くにいた 」
ふにゃっと笑う姿に
少しだけ驚いたがなんの用だろうか 。
スンリ 「 あ !! そうそう 。
呼び止めちゃってすみません …
私、あそこのおばあちゃんの孫なんです 」
うん。 どうでもいい。
何この子。それだけ ??
スンリ 「 それで 今日おばあちゃんが用事あって
お店開けないから私が代わりに手伝うことに
なったので、休んでいきませんか !? 」
わざわざ俺のために
息を切らしてまで走ってきたの ??
何この子 … 俺のこと好きなの ??
ジヨン 「 … 行く 。」
スンリ 「 わかりました !!
先 、 行っておきますね !! 」
まだ走っていくその姿を
俺は見つめながらまた歩き出す。
ガラガラガラ _
スンリ 「 ~ ♪ 」
ポニーテールを揺らしながら
品出しを手際よくしていく姿に
俺はつい目で追いながらも
休憩スペースへと腰をかけた。
スンリ 「 … あ、 あれも出さなきゃ 」
奥の部屋へと
戻ってしまったことに少し寂しさを
感じながら溶けそうなアイスを急いで舐める
ジヨン 「 … うま 、」
スンリ 「 それ美味しいですよね !! 」
後ろから急に聞こえた声に
ビクリと反応した。
いつの間にでてきたんだよ。
ジヨン 「 … うん 。 うまい 」
スンリ 「 … 」
俺が素直に応えると
女の子は俺の顔をじっと見つめるように
見てきた。
ジヨン 「 … なに ?? 」
俺は居ても経っても居られず
話しかけてしまった 。
スンリ 「 あ 、いや 。
凄い綺麗な顔してるから 。
お人形さんみたいだな ~ って !! 」
この顔を褒められてもいつもなら
嫌な気持ちしかしなかったのに
この子に褒められても何も感じなかった
それよりも嬉しいと感じた。
ジヨン 「 … そう 。 」
無意識に口角が上がってしまう感覚に
変に思いながらもアイスへと視線を落とした
ガラガラガラ _
子供 「 こんにちは ー !!
あ、 今日はおばあちゃんじゃない !! 」
スンリ 「 わ 、久しぶり ~ !!
いつぶり !? 」
子供 「 1ヶ月くらいだよ ~ !!
スンリお姉ちゃんは元気してたの !? 」
スンリ 「 してた してた ー !! 」
へぇ 、
スンリって言うんだ。
スンリ 「 何買う !? 」
子供 「 これ !! 」
スンリ 「 今日は特別におばあちゃん居ないから奢ってあげるね 」
子供 「 ほんと !? やった !!
ありがと !! また来るね ー !! 」
スンリ 「 は ー い !! 」
ガラガラガラ _
他の奴にもあんなに優しくしてるんだな。
まぁそうか。
スンリ 「 ふふ 、 」
スンリは嬉しそうに目を細めながら
また奥の部屋へと入っていった。
ジヨン 「 … なんだあいつ 」
ぼそっとした声が出たことに自分でも
驚いたが食べ終わったアイスの棒を見て
その棒をくるくると回してた
スンリ 「 ん ~ … おいし 」
商品の前に置かれてる椅子に座りながら
パックのいちごミルクジュースにストローを
刺して頬を緩ませる。
俺はその姿をじっと見つめてた。
スンリ 「 なんですか、 ?? 」
その視線に気づいたのか
スンリはすぐさま俺の方を向いた
ジヨン 「 … いや、なんでもない 」
顔が不意に熱くなった気がした。
スンリ 「 あ、 飲みたいんですか !? 」
は ??
スンリ 「 ちょっと待ってくださいね !! 」
バタバタとまた奥の部屋へと走っていく
スンリに俺は何も言えなかった
スンリ 「 はい !! 」
差し出してきたのは
スンリが飲んでたいちごミルク。
ジヨン 「 … ありがと 」
受け取らない訳にもいかずに
俺は受け取ってストローを刺した
ゴクッ _
スンリ 「 美味しいですか ?? 」
ジヨン 「 … 甘い 」
正直甘いのはあまり好きじゃない。
けど、なんかちょうどいいくらいに
甘い気がする
カラスの声が響く夕方。
空はオレンジ色に染まって綺麗に雲が浮いている。
そろそろ…帰るか。
ジヨンは鞄を取ってスンリに一言お礼を
言って帰ろうとしたのに
スンリ 「 zzz , 」
寝てる。
こいつ、ほんとどんだけ無防備なんだよ。
俺の事意識してないってのはわかるけど、
そこまでされたらなんか腹立つ。
起こすなんてなにかを悪い気がして
… ど ~ しよ。
スンリ 「 … ん 、 あ 、 え 、 ??
あ、 ごめんなさい !! 私寝てた 、 」
スンリは眠そうな目をゆっくりと開けて
状況を理解する
ジヨン 「 … ありがと。 」
_ ガラガラガラ
俺はそれだけ行って
駄菓子屋を後にした。
こんなに寂しくない放課後は久しぶりで、
何故か暖かい気持ちになった。
episode 4 完
ジヨンくん
🎉🎂 Happy Birthday ~ !! 🎂🎉
コメント
1件
つ、続きがッッ…!!! 楽しみすぎます…ッッッッ、!!!🫣❤️🔥