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「さあ、到着よ。」
教室まで来る間、泰揮クンは何も言葉を発しなかった。何か気に障るようなことしちゃったのかな……?
「そんな顔しないの。アタシは怒ったりしてないわ。ただ、花月チャンにはもう少し危機感持ってほしいかな。」
「危機感……?」
「その意味を知って、もっと知りたいと思ったらアタシのところにいらっしゃい。アタシのすべてを尽くして教えてアゲル。」
「あー!花月きた!」
「足、大丈夫か…?」
「軽い捻挫よ。2,3日安静にしていてね。」
「さっきはごめん……俺調子に乗りすぎた。」
「大丈夫だよ。それに、運動苦手なのは本当なの……。だから気にしないで。」
「そこで僕たち考えたんだけどね、いつも花月にはたくさん迷惑かけてたから、今回は花月のために一肌脱ごうと思って。」
「…?」
「題して。目指せ、体育祭で大活躍!作戦。」
「もちろん足が治ってからだけど、テストが終わったら体育祭の練習が始まる。その間に俺たちで何か力になれないかと思って……。」
「ありがとう。すごく心強いよ。」
「うちの体育祭はね、毎年各学年から男女1人ずつMVPが選ばれるんだよ。MVPになると何でもやりたいことを1つできる権利がもらえて、もっともっと学校生活が楽しくなるよ。」
やりたいこと……。
「去年のMVPの人は、海外旅行したり、学食無料権を作ったりして、盛り上げてくれたんだ。」
「皆もMVP、目指すの…?」
「もちろん!だから一緒に頑張ろう!」
「あらあら、やんちゃなことして怪我しないようにね。それじゃあ、アタシは教室に戻るわ。」
「泰揮クン、ありがとう…!」
「あっ、そうそう、花月チャン。ああいう顔はアタシ以外に見せちゃだめよ。」
「ああいう顔って何!?泰揮と何があったの!?」
「何って……理性が飛んじゃうって話かな……?」
「泰揮―!!」