テラーノベル
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俺が初めて見た彼は、首を骨折していた。
そして、そこからの彼と俺との関係が深まっていく速さは、まるで『流星』のように。
俺は県内一の不良高校と言われている”ある高校”に入学してしまった。
”ある高校”というのは、成績が悪い、もしくは元々いた学校で何か相当の”悪行”を犯したなどという経歴を持つ人が多くいる、結構やばい共学の高校だ。
何で俺がその高校に入ったか聞きたい? 聞きたいよね!!なら教えてあげよう!
俺は中学時代、ダンス部に入っていたんだ!勉強は苦手だし、運動もあまり得意ではなかったからね!だから部活で推薦をもらって、行きたかった『素能高校』に入学しようとしたんだよね〜!
でも案外成績が足らなくてさ、志望校に入学するのは難しいって言われちゃって。もう諦めかけて受験したら案の定受からず、滑り止めにしてたこの高校、『雪乃高校』に入学しちゃったってわけ!
まじで最悪だよ!まぁ中卒じゃないだけいいけどね!笑
憂鬱な気分の中歩いていると、もう正門に着いてしまった。学校の外観だけは綺麗なんだよね〜。まぁ中は汚いと思うけど。
「おはよう!」
「おはようございます」
学校に来て1番最初に挨拶したのはここの生活指導、『阿部亮平』先生だった気がする。
なんでこんな高校にいるんだろうと思いつつも、相談しやすそうな先生で少しほっとする。もうちょっと怖い先生なのかと思ってたけど、案外悪くないかも。
「おはよ〜先生!わら」
「おはようございます」
「岩本くん、おはよう。深澤くんはピアス取って、シャツちゃんと入れてね」
「はーい!わら」
うわ。深澤?って人ごっごつのピアスしてるじゃん。さすがだわ。
岩本?って人はあんまり頭悪くなさそうだし、悪いこともしてなさそうなのになんでここにいるんだろう?
まだ知らないだけでここにはこういう人達が大勢いるのか…
先輩がこんなんじゃ俺の学年もこんな感じなのかな とか思いつつ、クラス表が貼られている場所に一人でとぼとぼ歩いていった。