青「うるみやはこれからどうするの?」
しゃるのお母さんが帰ったあと、しゃるは聞いてきた。
橙「なんでや…?」
青「一人暮らしできるようなお金はあるんでしょ?」
青「もともと同棲に渋ってたみたいだし…」
橙「同棲ちゃうわアホ」
確かに、しゃると同棲(仮)することはあまり気が進んではいなかった。
でも、きっと東京のどれだけ狭いワンルームに住んでいたとしても独りの寂しさに勝つことはできないだろう。
独りが怖い。
これはしゃると一緒に暮らして気づいた、自分の本心。
友達なんていなくても、なんて思えていたのはきっと両親の存在があったから。
そして、独りにならなかったのはしゃるのおかげ。
しゃるが世話を焼いてくれたから、両親の死を受け入れられたのかもしれない。
橙「…」
青「うるみや…?」
橙「うるみやはやめたない」
橙「もし、しゃるがええって言ってくれるんやったら」
橙「まだ、ここに居続けてもええか…?」
青「……」
しゃるの目をみて、しっかり自分の気持ちを伝えた。
うるみやが最後まで言う前に、しゃるは目線を外し、俯いた。
橙「しゃる…?」
無言で抱きつかれた
俺たちの間に少しの沈黙が生まれたが、不思議と気まずい雰囲気にはならなくて。
2分ほどの無言の時間も心地よいと感じられた。
青「よかったッ…」
青「もう離れるって言われなくてッ…」
青「ほんとに良かった…」
無言の2分を過ごしたあと、しゃるの口からは少し震えた声が聞こえた。
橙「まだ…しゃるの返事聞いとらんのやけど…?w」
青「これからも一緒に居てくれる?」
橙「もちろんやで!w」
青「はぁ…」
青「大好き、ありがとう」
橙「なッ…」
橙「うるみやも大好きやで!」
青「意味わかってないくせに…/」
橙「今なんか言ったか…?」
青「ううん、なんでもないよ」
都内某所男子2人のワンルームは今日も、温かい雰囲気に包まれている
都内某所男子2人のワンルーム end