いよいよ冬の寒さが始まる頃
僕、ポケカメンは敵のアジトに突撃します。
ෆ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ෆ
⚠️この物語はフィクションです
⚠️実際にこのような絡みがあったかは知りません(てか、たぶん無いです奇跡起きない限り)
⚠️2022年11月まで遡ります
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ジロジロと不審なものを見るような視線が自らに降り注ぐ。それもそのはず。今俺がいるのは数日前に画面を通して殴りあったないこの会社VOISINGの中なのだ。
社長の敵とあれば、当然社員も敵対心を抱くだろう。
(それにしても怖ぇ…)
俺がこうしてVOISINGに来ているのには海よりも深い重大なワケがある。
それは、俺のチャネルが危機に追いやられてること。VOISING軍は自分たちが写ってる俺の動画を手当り次第削除申請していて、あと1個消されたらジ・エンドという所まで来ている。
YouTubeは俺そのものであり、命の次に失いたくない。これまで色んな危機にさらされてきたが5年以上かけてなんとかあそこまで伸ばすことができたんだ。ぽっと出の新人に消されてたまるか。
色々考えた末、俺は元凶に直談判しようという結論に至った。何を考えてるのかイマイチ掴みにくい奴だから、多少の恐怖は感じるがチャンネルの死に比べればミジンコサイズ。
「すみません、ないこ居ますか?」
「社長になにか用ですか…?」
そこら辺の社員さんを捕まえてないこの居場所を聞くと、明らかに不機嫌そうに顔を歪められる。
「ないこと話したいことがあって」
「いや、ちょっと」
「わかった、しらいしけんき って奴でもいい」
「もっと無理です」
頑なに教えてくれない社員さんと言い争っていると、
「え、っポケカメン…?」
「社長ッ…!」
「ないこ!!」
そこには俺の目当て、_ないこ@敵のボス_が立っていた。
「なんであなたが…」
ゴミでも見るような目で俺の頭からつま先までを観察するないこ。
「2人で話したい」
そしてそんなないこの視線を返すようにないこの目を見つめて言う。
「……わかった」
「社長!?!?」
ないこは渋い顔をしながらも、俺の頼みに了承してくれた。俺が何言っても引かないと思ったんだろう。こういうとこ見るとやっぱ賢いんだなって思う。
「来て、」
そう言われ、ないこに他の部屋より少し豪華な扉の部屋に連れられる。きっとここが社長室なんだろう。
「で、事務所にまで来て何の用?」
本人は抑えてるつもりなんだろうけど、ないこの溢れ出る怒りがヒシヒシと伝わってくる。
「俺のチャンネルの件なんだけど…」
怖気付きそうになりながらも、ここで負けてはいけないと平常心を装う。
「7年間、色んなことありながら育ててきた、大切なリスナーと出逢うきっかけになったチャンネルだから失いたくないんだよ。削除申請を取り消してほしい。」
「お願いします」と頭を下げる。ないこに向かって頼み事とかすげぇプライド傷つくけどそれ以上にチャンネルが大事だから。今だけそんなプライド捨ててやる。どんな返事が来るか想像できず静かな部屋に俺の心音だけが響いてるような気がする。なかなか声が返ってきず、心配になってないこの方をちらっと見る。
「はぁ、はぁ…ッ」
「ないこ…、?」
頭を抱え、息を荒くするないこ。
「あぁ……ッ、チャンネル…?わかった、今日」
心做しか頬がほんのり赤く染まっている。
「ないこ?大丈夫?」
ただならぬ様子のないこに思わず駆け寄った。ないこの身体は燃えるような熱さだった。
「はぁッはぁ、頭…ッ……い゙……」
「頭…?頭痛いの?」
横になろ、とないこの身体を支えながらソファに誘導する。
「はぁッ……」
目には涙が浮かぶないこ。
「だれか…っ」
俺一人でないこの看病をするのはキツいと考え、ないこの支えになりそうな誰かを探そうとその場を離れようとすると…
「まってッ、いかないで……っ」
キュッと俺の裾を摘まれ引き止められる。弱々しく発せられたの声に、俺は保護欲にかられ足を止めた。
「大丈夫、どこにも行かないよ」
口から零れた言葉はさっきまで殺伐とした関係だった俺らからは感じられないものだった。
どこにも行かないとは言ったが、このままずっと傍にいるだけじゃダメだろう。運良く人が入ってこないかな〜
なんて、会社の奴らは俺とないこがここで対峙してることを知ってるから来ないんだと淡い期待も難なく散る
「ないこ、人呼んでくるからちょっとだけ待ってられる…?」
頭を刺激しないようできる限り声のトーンを落とす。
「やだぁ…っ」
「え〜」
こいつ体調崩したら驚くほど甘々になるんや。ないこの知らない1面を知れたみたいでちょっと心が躍る。
「お願い、頼む」
「やだやだやだっ…独りやだ、、」
くっそ、ないこのくせに可愛い。こんな可愛い幼児化したこいつを放っておけるやつなんているのか?
「このままじゃしんどいままだぞ?」
「んむぅ……」
「眠い?」
ウトウトと今にも意識を飛ばしそうなないこ。俺は頭を撫でるのを止め、お腹あたりをトントンとリズム良く叩く。
「いいよ寝な」
5分ほど続け暫くするとないこから寝息が聞こえた。すこやかとは言い難いもののさっきよりは気持ちよさそうに寝るないこの頭をふわっと撫でる。
「溜め込んでたんだろうなー…」
ついこの間まで同じリーダーとして親近感湧いてたけど、もうこいつは会社の社長という重役があって何十人の人生を背負ってるんだよな。
「うし、…」
ないこが起きないうちに社長室を出て人を呼びに行く。変な緊張感が身体を強ばらせる。
「おい、なんでお前が」
誰に話かけようかウロウロしていたら低く、声だけで人一人ころせてしまうのではないかと思うほど思い声に呼び止められた。
「…!あぁ、いふくんか…」
声の主はないこと同じいれいすのメンバーであるいふだった。
「ないこは?」
「そのことでちょっと来て」
ないこの相方ともあれば都合がいい。こいつは頭がいいし、俺に対して少し威圧的なところはあれだが普通は優しいらしいからないこも安心するだろう。
「なに?ないこになんかあったん?」
さっきとは打って変わってないこを心配する色になるいふの声。
「体調崩したみたい。俺1人じゃ見切れないから」
いふくんの手を引いて急ぎ足で社長室に向かう。勢いよく扉を開け、ないこが寝てるソファを見る。
「ないこ〜、体調……ッ!?」
俺の顔を見るや否や今にも泣きそうな顔で俺の名前を呼ぶないこ。どこ行ってたんだと睨み頬を膨らます。
「ないこ、、」
いふくんもまた泣きそうな声でないこの名前を呼び、小走りで近づいてギュッと抱きしめた。
ないこはいふくんが来るとは思ってもみなかったらしく元々大きい目をさらに大きくして抱き返す。
熱いメンバー愛を見たところであとはいふくんに任せようと扉へと向かう。
「あ、ポケ…!!」
「ありがとう…チャンネルの件、検討しとくよ」
あえて結論を言わない、ないこの回りくどい性格が滲み出た最高にないこらしい返事。
「いい返事待ってるわ」
桃pkは世界を救うと思います
コメント
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桃pk好きが自分以外にも居た事が何よりも嬉しくて、、