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「君と、結婚の祝杯を」


彼の言葉にグラスをそっと合わせて、水割りを口元へ運んだ。


「先生、私と結婚をしてよかったと思っていますか?」


「思っていますよ。君とでなければ、私は結婚をしようとも思わなかったでしょうから」


揺るぎのない気持ちを伝えられて、胸が高鳴るのを感じると、


「……キスをしても?」


と、頬にスッと片手があてがわれた。


黙って目を閉じると、ウイスキーの薫りのする唇が重ねられて、アルコールで熱感を纏った舌が口内に緩く挿し入れられた。


「……智香、私を跨いで座ってもらえますか?」


「……えっ?」


そんな恰好なんて恥ずかしくてできるわけも……と感じていたら、脇腹が抱え上げられ彼を跨いで向き合うように座らされてしまった。


「……私に、キスをしてみて」


メガネを外した、微かに酔ってとろりと艶っぽく見える眼差しでじっと見つめられ、その瞳に囚われたかのように、彼の唇に自分からおずおずと触れた。


「そうじゃないでしょう? さっき私がしたように、してみなさい」


「……そんなの……」できないと言いかけると、人差し指が唇にあてられて、「できないことなんて、ないでしょう?」と、下唇がスーッと横に掃くようになぞられた。


「私の指を、舐めてみて…」


「……舐める、なんて……」


「ほら…」と、口の中に指の一本が入れられる。


「……んっ」


舌の先で彼の指に触れると、さらに奥へと咥え込まされた。


「このまま抱いてもいいですか?」


口の中に指が入れられてうまく返事もできないでいると、穿いているスカートがたくし上げられた。


「いやぁ…んっ…」


声が漏れると口から指が引き抜かれて、ウイスキーを含んだ唇で塞ぐように口づけられた。



「……アルコールが体に入ると、内側から熱くなってきますよ…ね?」



私を煽るように口にして、妖艶な笑みを口元に浮かべると、


下着の中へ手を差し入れて、しなやかな指で狭い布地の中を探るように蠢いた。



「責め恋」最終章 ーSecret gardenー「秘密の庭園」

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