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#不倫
#離婚
「わざわざありがとうございます。こちらへどうぞ」
彼女は社員証でピッ、ピッ、と通路ドアを開けると、またピッ、と部屋のドアを開ける。
「柏木さん、どうぞ」
二階堂さんを呼び出すつもりではあった。でも、ドアを開けて手招きしてもらうということまでは想定外だ。
「すみません、すぐに失礼します」
私の言葉に、コクコクと頷いた彼女も忙しいのだろう。
「少しお待ちくださいね」
と二階堂さんが出て行った。
―― 俊介さんを呼びに行った?
ドキドキするけれど、私はこれを届けに来たのよ。悪いことはしていない。そう心で叫んで、紙袋の持ち手をギュッと握る。
コンコンコン……
ドアがノックされ、入って来たのは、小さなトレイに紙コップのコーヒーをふたつ乗せた二階堂さんだった。どこかホッとした私は
「こちらは二階堂さんに。こちらは皆さんで、どうぞ」
と手土産を渡す。受け取ってくれたあと、二階堂さんはコーヒーを飲みながら
「柏木くん、家ではどうですか?……彼、仕事は頑張っているんだけどね」
と言葉を選ぶ様子を見せた。
「はい、真面目にやっていると思います」
仕事のことなら、この答えしか浮かばない。
「真面目なのよ。そこは本当に評価しています。ただ……ずっと“ムラ”があるのよね」
「ムラ……ですか?」
「企画書の文体が毎回違うの。若い子らしい柔らかい文章の時もあれば、急に“教科書みたいな堅い文章”になったり。構成の癖もバラバラで、まるで別人が書いているみたい……」
「……」
「会議でも“今日は妙に自信満々だな”と思ったら、次の日は“台本を読んでいるだけ”みたいに固まっていたりして。彼の“地声”がどれなのか、私は正直…まだ掴めないんです」
「……そうですか……すみません、仕事のことはよく分からなくて」
当たり障りのない返事しかできないまま、会社を出る。私と種類は異なるけれど、二階堂さんにも俊介さんに感じる違和感がある、ということだよね。
コメント
3件
上司も違和感を感じてるのね😱マザ俊は二重人格?

マザ俊を呼ばなかった事に何かがあるような気がするわ🤔 二階堂さんにも感じる違和感…😵
二階堂さんムラがあると言ってたけど、それ以外にもなにか感じることがありそう。 マザ俊を呼ばなかったし、どのようにあずあずが来社したことを伝えるのかも気になる マザ俊、ママに甘えられた時は調子がいいのかな?( ´;゚;ё;゚;)