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赤（ 先生 ） × 黄 （ 患者 ）
肺の癌を患っている 黄 の担当をすることになった 赤 。
一緒にいる時間が増えていくたびに 赤 は 純粋で素直な 黄 を患者としてではなく、恋愛として好きになっていく。
不器用だけど誰よりも 黄 を思っている 赤 。
他人思いだからこそ、自分を後回しにしてしまう 黄 。
そんな2人の恋愛物語 ＿ 。
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いつも通りの朝、病室のベッドに寝転んでる俺は7:30に目が覚めた。
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👑 「 ん “ … 、 」
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目を擦りながら体を伸ばし起き上がる。
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👑 「 … ぁ 、 晴れてる 、 」
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窓から外を見ると雲一つも無い青い空が浮かんでいた。
「 最近ずっと雨だったから久しぶりの晴れで嬉しいな… 」 そんなことを考えながらベッドのサイドテーブルを開き、日記を置く。
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👑 「 今日は晴れ … と 、 」
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8月12日と日付を書き、その横に天気を書く。
俺の日課は毎日 日記を書くこと。
まぁ、病院にいるとやることなんて毎日ほとんど一緒だから書くことも一緒。
21歳の俺は、 「 友達とカラオケとか行きたかったなぁ、 」 とか無駄なことを考えながら文を書く手を進める。
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👑 「 … ぁ 、 」
日記を書いてると病室のドアがこん〃 とノックされた。
「 ご飯かな、 」と思いながら「 はーい 」と返事する。
ドアが開くと、見たことの無い男の先生が立っていた。
👑 「 … ？ 」
「 新しい人かな … ？ 」とか思ってると先生が口を開いた。
？ 「 失礼します。 みことさんの部屋で合ってますか？ 」
かっこよくて柔らかい声質で俳優さんみたいな顔立ちな人。
完全にモテるイケメンって感じの人だった。
👑 「 ぁ 、 はい みこと です 、 ！ 」
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俺が名乗ったら、安心したように頬を緩め「 良かった 、 」という先生。
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🍍 「 今日から担当することになりました、いとまなつです。 宜しくお願いします 」
👑 「 ぁ 、宜しくお願いします、 ！ 」
🍍 「 なんか硬ぇな 、 笑 タメでいいぞ ？ 」
んは、と白くて綺麗な歯を見せて笑って。
👑 「 じゃあ … タメ口で 、 ！ 」
🍍 「 ん 、 」
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そう返事して、 赤 は 黄 の現病歴を見て「 癌なのか … 」とぼそっと言って。
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👑 「 … 、 」
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その間、 黄 は晴れた空を眺めていて。
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🍍 「 … 空になんかあるのか？ 」
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それに気づいた 赤 は現病歴を把握し終わって 黄 の横に座り。
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👑 「 今日久しぶりに晴れて嬉しくて… 」
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黄 は頬を緩め空を眺めたままで。
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🍍 「 … じゃあ外行くか？ 」
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👑 「 え 、 行きたい 、 ！！ 」
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久しぶりの外で嬉しくなり。
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🍍 「 ん 、 車椅子乗るか？ 」
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👑 「 ぁ ー 、 ん ー 、… 」
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歩きたいって気持ちがあるが、「 ちゃんと歩けるかな … 」と不安な気持ちもあり。
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🍍 「 … じゃあ 中庭まで車椅子で行って、 そっから歩くか？ 」
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👑 「 … うん 、 そーする … ごめん 、 」
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「 迷惑かけたな … 」と申し訳なくなり。
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🍍 「 気にすんな、 サポートする為に俺が居るんやから。 」
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そう言いながら車椅子を出して。
👑 「 … ありがと 、 ！ 」
にこっと笑っては、車椅子に乗り。
🍍 「 ん 、 」
笑い返して車椅子を押し、中庭に向かい。
👑 「 … ♪ 」
久しぶりに病室を出れて嬉しいのかうき〃 しながら周りを見渡し。
🍍 「 ん 、 どこ行きたい？ 」
👑 「 花壇 、 ！ 」
中庭に着き、 近くの花壇を指差。
🍍 「 おっけー 」
花壇の近くで車椅子を止め。
🍍 「 うし、歩いてみるか 」
手を差し出し。
👑 「 うん 、 ！ 」
差し出された手を握り立ち上がって、支えになる柵に手を置き。
🍍 「 ゆっくりでいいから一歩〃 歩いてな 」
👑 「 うん 、 」
柵に手を置きながら右足、左足と順番に前に出してゆっくり歩き。
🍍 「 … 、 」
黄 を見ながら「 歩行は安定してる 」とメモして。
👑 「 っ、… 」
徐々に足が震えていき。
🍍 「 … 大丈夫か？ 」
気づき、すぐに 黄 の身体を支えて。
👑 「 大丈夫 … あとちょっと、 」
🍍 「 … 、 」
止めず 黄 を支えるのをやめ、近くで見守り。
👑 「 … 、 」
再度歩きだし、さっきよりかは安定していないが歩けていて。
🍍 「 … 、 」
黄 から目を離し、細かくメモして。
👑 「 … わ … っ 、 」
足の震えで転けてしまい。
🍍 「 … ぁ 、 大丈夫か？ 」
すぐ気づきメモする手を止め、しゃがんで「 怪我してないか？ 」と 黄 の膝を見て。
👑 「 うん 大丈夫 、 」
ちゃんと歩けなかったことに少しショックを受け。
🍍 「 … お前のペースがあるけ、 そんな悲しそうな顔すんな 」
そう言い 黄 の頭をわしゃ〃 と撫でて。
👑 「 … ぅん、 ありがと いとま先生 、 」
微笑んで
🍍 「 … ！ そろ〃 戻るか？ 」
名前を呼ばれたことに対して嬉しくなり。
👑 「 うん戻る 、 ！ 」
🍍 「 うし 、 」
黄 を軽々しく姫抱きし、車椅子に乗せ。
👑 「 ぅわ 、 ありがと 、 笑 」
少し照れくさように笑って。
🍍 「 いーえ 」
微笑み、車椅子を押して病室に向かい
🍍 「 みことってそういや何歳だっけ？ 」
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👑 「 21歳 、 ！ 」
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🍍 「 21か … 病気あるって知ったのは？ 」
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👑 「 19 、 ！ 」
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🍍 「 19 か 、 まだ 〃 若けぇのに 、 」
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👑 「 … 将来とかやりたいこと決まってった時期やったから癌って知った時はショックやったなぁ … 笑 」
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🍍 「 … 、 」
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なんて返してあげるべきか分からず。
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👑 「 … でも今はそんな辛くないかな、 先生達が優しくしてくれるし、 」
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🍍 「 … そっか 、 」
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病室に着き、 黄 はベッドに座り
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👑 「 うん 、… っ 」
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🍍 「 … 俺らが絶対治すから 、 」
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少し間が空いた後、 赤 は 黄 を見詰めて言い。
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👑 「 … っ 、 うん 、 信じる 、 」
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🍍 「 … ん 、 」
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赤 は 微笑んで頭撫でて。
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👑 「 … いとま先生ってイケメンやね 、 」
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🍍 「 え 、 そう ？ 」
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👑 「 うん 、 絶対モテるやろ 、 」
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🍍 「 まぁ 若い頃は遊びまくりだったな 〜 笑 」
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👑 「 ぅわ 〜 、… 笑 」
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🍍 「 でも彼女は出来ねぇんだよなぁ 、… 笑 」
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👑 「 え 、 居らんの 、 ！？ 」
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🍍 「 うん 10年くらい 居ねぇわ 、 笑」
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👑 「 ほんまに 、 ！？ 信じられへん 、 」
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🍍 「 25で独身は悲しいわ 、 笑 」
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👑 「 いとま先生かっこいいから絶対すぐ出来るよ 、 笑 」
🍍 「 出来る かな 〜 笑 」
👑 「 出来る 〃 笑 」
🍍 「 やったらいいけど 笑 」
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