テラーノベル
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ーーうぐっ!!
校舎裏、呻き声と共に何かがぶつかったような音がした。
いや、呻き声というより、笑い声の方が大きく響き渡っていた。
ーー痛い、苦しい、辛い、熱い。
咳き込み、地べたに吐かれた嘔吐物を見つめたのも束の間、彼は背後からやってくる踵(かかと)に蹴り倒された。唾液で口がいっぱいになり、呼吸するのすら困難になっていく。
喉の奥から血の匂いがし、 切れた唇からは血が流れていた。
ーー血は見慣れている。
命の源である血が鼻からだらだらと垂れてくる感覚がする。彼は体中から、果実を搾るように血が溢れてくるような錯覚に揉まれながら、
『このような状態』になった原因を見渡す。
3年生の先輩。何十回、下手したら何百回も見てきた顔だ。1人は鋭い目でこちらを見つめ、その傍にいるもう1人は嘲笑しながらスマホのレンズをこちらに向ける。
あともう1人は━━━━━━。
既にこの場に居なかった。その人だけは彼を虐めずに接してくれたが、つい先週いじめが原因で転校した。
ーーもう俺しかいない。
全身が悲鳴を上げ、溢れ出す涙を抑えられずにいた彼は、「やり返さない自分も自分だ」という感情に押されながら、今日も先輩たちのサンドバッグになっていた。
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スミセス🍏スミと呼んで欲しい
遥