テラーノベル
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「先生って、人間ですか?」
夕焼け照らす教室、少女と教師は相対する
その純粋な質問の裏に何を企むのか、無垢な笑顔で問いかける
「もし、そうではなかったら貴女はどうしますか?」
一瞬の間でも押し潰れそうな空気が流れる
「それでも、愛してあげますよ」
そう、紅く鮮やかな少女は微笑みながら手を差し出す、
キーンコーンカーンコーン
あぁ、今日も退屈な1日が終わる、
私は 鳩部マオ 、私は完璧だ、容姿端麗、文武両道、そして愛想もいい、自分に酔いしれている訳じゃないけど、そこらへんの生ゴミどもよりは圧倒的に上回っている。
『ねーねー!今日こそは一緒にカラオケに行こう!?』
この子は 五十嵐スズメ 私にすごく懐いてるの、純粋さだけで言ったらこの子には負けるわね。
マオ「ごめんね、今日も習い事があるの。」
もちろん嘘、そんなくだらない事に時間を割くならさっさと帰ったほうが身になるもの。
スズメ『えーじゃあしょうがないなー。また今度誘うから予定空けといてねーじゃあねー!』
マオ「うん、またね」
またなんて、なくていいのに。もう、この世界の全てに絶望したんだから。もっとも、この身を投げる事はしないけれど…
「嘘はいけませんねぇ。」
ーーー絶句
なぜ、なぜ嘘ってバレたの、顔に出てた?嘘っていっただけ?それとも…
「そんな目をしないでください。可愛らしい顔が勿体ないですよ。」
こいつは 烏丸トウマ 若くて話しやすいってだけでチヤホヤされてる教師
マオ「なぜ嘘だと言うんですか」
烏丸「さあ、それは秘密です。」
マオ「変なイチャモンつけないでください、流石に怒りますよ」
烏丸「それは図星ということですかね?」
マオ「話になりませんね、付き合ってられないので帰ります、さようなら」
烏丸「はい、さようなら。帰り道には気をつけてくださいね。」
ムカつく、ムカつくムカつくムカつく、
色の白い少女の顔は夕日によって橙色に染まっていた。それは、抑えきれぬものを覆い隠すように、
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