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百済るくあ【colorful】
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#執着
猫とろ
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臣桜
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朝。意識は、異常信号によって強制的にスリープ解除された。
(……ん?)
妙だ。
セットしたアラームはまだ鳴っていない。少し寝不足気味の僕は、あと十分だけでも睡眠リソースを確保したい状況だった。
だが今、布団の中で何かがもぞもぞ動いている。
しかも、かなり執拗だ。
恐る恐る視線を下げる。
「おはよう、陽一さん♡」
そこには、僕の理性を日常的に弄ぶ妻がいた。
「……ちょっ、何してるの!?」
「ふふっ……起こしてるの♡」
ひよりさんは、まるで猫でもじゃらすみたいな手つきで、僕の頬をつんつんとつついた。
「起こし方がおかしいよ!?」
「そうかな♡? ねえ、おはようのちゅーは?」
身を乗り出すように覗き込まれて、ふわりと甘い匂いが鼻をくすぐった。
まずい。一瞬で脳の処理能力が奪われていく。
(朝イチでこの負荷は高すぎる……!)
ただでさえ寝起きで判断力が落ちているのに、僕は依然としてこの人への耐性を獲得できていない。
(落ち着け……これはただの夫婦間スキンシップだ)
(正常なコミュニケーションの範囲内。よし、深呼吸しろ)
「ねえ、はやく〜」
彼女の指先が、今度は僕の髪をくしゃりと撫でた。
「……分かった、分かったから」
そう言うと、ひよりさんの瞳がきらっと輝いた。
「あ、起きた♡」
(終わった……)
「そりゃ起きるよ!? これだけ騒がれたら!」
「ふふっ。寝起きの陽一さん、かわいいよね〜。私、陽一さんのそういうところも好き♡」
(この人、結婚後からさらに遠慮を失ってないか?)
心の中でツッコむ。
隣の部屋からは、ゆずの小さな寝息が聞こえている。
「陽一さん、顔真っ赤」
「誰のせいだと……」
「私♡」
僕が必死に理性のファイアウォールを維持しているのに、彼女は当然のように管理者権限を奪ってくる。
観念して、唇を重ねる。
「ん……」
ひよりさんは嬉しそうに目を細め、僕の肩口に頬を擦り寄せた。
猫か? いや、猫より危険かもしれない。
「ねえ、陽一さん」
「……ん?」
「土曜日、行きたい場所があるんだけど」
彼女は僕のパジャマの裾を軽く掴んだ。
「一緒に来てくれる?」
「別にいいけど……どこ?」
「ひみつ♡」
(絶対なんか企んでるよな?)
彼女はにこにこと笑っている。だが、その笑顔は妙に意味深だった。
(嫌な予感しかしない……)
これまでの経験上、彼女の“サプライズ”はだいたいろくでもない。
「BL漫画の資料にしたいから♡」と、やけに本格的なコンセプトカフェへ連れて行かれそうになったこともある。
「新しい扉を開こう♡」と、満面の笑みで猫耳カチューシャを差し出されたこともある。
本人に悪気は一切ない。
むしろ、僕と一緒に新しい世界を見ようとする純粋すぎる好奇心が、僕の胃と理性をガリガリと削っていく。
今回も絶対何かある。
でも――。
(……彼女が楽しそうなら、まあいいか……)
そう思ってしまうあたり、僕もだいぶ彼女に甘いのかもしれない。
コメント
1件
うわあああ朝から尊すぎる…!!😭💕💕 陽一さんの理性が朝イチからガリガリ削られるの、毎回、ホント毎回面白いし可愛いしで最高です…!笑 「猫より危険」って表現、めっちゃ分かる〜!!ひよりさんの無邪気な悪意(?)のない攻撃がもう、陽一さんには重すぎてウケるww 「土曜日行きたい場所がある♡」「ひみつ♡」のくだり、絶対なんか企んでるフラグで笑ったww でも最後に「彼女が楽しそうならまあいいか」って思っちゃう陽一さん、もう完全に甘やかしモード入ってて愛おしすぎる…!!🥰💞 番外編、これからも日常の尊い破壊力、楽しみにしてます!