テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
篝火

14,018
コメント
1件
ああ〜もう、この家族尊すぎて泣いちゃう😭💕 元貴くんが作った朝ごはんのシーン、めっちゃほっこりしたよ!涼ちゃんのキスマークだらけの首見て小さい頃は「病気になっちゃった」って泣いてたエピソードとか、可愛いがすぎるでしょwww 両親ラブラブすぎて息子が苦笑いなのも最高〜!でも最後の「この家の子供に生まれてよかった」ってセンス、本当にジーンときたよ…。また続き読みたい!!🌸
元暴走族の総長の滉斗、同じく元暴走族の総長の涼架。
そんな二人に溺愛されている、一人息子の元貴。
元貴は両親のことを名前で呼んでいます。
容姿イメージは、テレビ×ミセスでのインフェルノ。
あと描写には出てこないですが、オメガバースの世界です。
滉斗はα、涼架はΩ、元貴はβです。
両親の寝室のドアを開けると、カーテンの隙間から一筋の光が洩れていた。室内はほんのりと薄暗いままである。視線を広すぎるベッドへと向けると、端っこの方にこんもりと盛り上がっている布団の山を見つけた。
「涼ちゃん、朝ごはんできたよ~」
まだ中で丸まっているであろう涼ちゃんに、揺すりながら声をかける。するとしばらくして、布団の山がもぞもぞと動いた。
「……う~ん、もうちょっと~」
あ、声が掠れている。
これは寝起き特有のそれじゃなくて、散々喘がされて枯れちゃったやつだ。だから今、ソファーに座って英字新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる滉斗の機嫌がいいわけね。
年頃の息子がいるのに、俺の両親は相変わらず仲のよろしいことで。
「早く起きないと、せっかく涼ちゃんのために作った朝ごはんが冷めちゃうよ?」
「……うぅ~、わかったぁ」
そう言うと涼ちゃんはのそのそと起き上がり、両手を広げてきた。俺はそんな涼ちゃんをぎゅっと抱き締めて挨拶をする。
「涼ちゃん、おはよう」
「おはよう、もとき」
ふにゃんと顔を緩ませて挨拶をする涼ちゃんは、俺より子供のようで可愛らしい。寝癖のついている後ろ髪を撫で付けながら、背中を優しく撫でてやる。相変わらず寝起きの体温が高めだね。
あと、滉斗、キスマークつけすぎ。
襟ぐりが大きく開いているTシャツからは、昨夜付けたであろう独占欲の痕が、首元から鎖骨までびっしりと埋め付くされていた。
小さい頃はこのキスマークの意味なんて分からなかったから、こんな状態の首を見るたびに、『りょうちゃんがびょうきになっちゃった~』って、大泣きしながら抱きついていたっけ。大きくなって痕の意味が分かってからは、滉斗の独占欲は相変わらずだなって呆れるばかりだけど。
涼ちゃんを起き上がらせて、手を引いてリビングへと向かう。大人しく後ろを付いてくる涼ちゃんの足元はおぼつかない。
平日は先に起きて軽くランニングを済ませてから朝ごはんを作ってくれているけれど、週末はこうやって一番最後に起きている。
滉斗曰く、奥さん業と母親業は、週末は休業なんだって。
いつも自分達のために生活基盤を整えてくれている涼ちゃんに感謝の意を込めて、二人で思いっきり涼ちゃんを甘やかす二日間なのだ。これは俺が中学生になってからの、我が家の絶対的なルールである。
先週は滉斗が朝ごはんを作ったから、今週は俺の番。最初は食パンを焼いてゆで卵ぐらいしか作れなかったけれど、滉斗も涼ちゃんも笑顔で美味しいって食べてくれていた。そんな二人の優しさが嬉しくて、ちょっとずつ料理を覚えたんだよ。今ではおしゃれなカフェのモーニングに見えるぐらいには成長したかな。
「ほら、涼ちゃん足元気をつけて」
リビングにつくと握っていた手を離して、俺は涼ちゃんのために温かいコーヒーをいれてやる。
涼ちゃんはふらふらとしながらも、ソファーに座っている滉斗のもとへと向かった。すると滉斗は新聞をテーブルの上に置いて、大きく両手を広げる。
「涼ちゃんおはよう。今日も相変わらず可愛いね。愛してるよ」
「ひろとおはよ~。俺も愛してるよ」
滉斗の腕に飛び込んで抱き締められると、涼ちゃんはまるで猫のようにスリスリと額を滉斗の胸へと擦り付けている。そんな涼ちゃんの寝癖を優しく梳きながら、滉斗は涼ちゃんの頭頂部へとキスをした。いつもの光景だからもう気にならないけれど、少しは息子の目が気にならないもんかね。仲がいいのはいいことなんだけどさぁ。
「涼ちゃーん、コーヒー入ったよ」
「あ、はーい!」
俺の言葉に、涼ちゃんはダイニングの椅子へと腰かける。
あ、太ももにもキスマークを発見。短パンから覗く、白い太ももにも滉斗の痕が赤く色づいていた。この分じゃ、見えないところには、おびただしいほどの痕が散っているんだろうなぁ。
「わあ~、今日も美味しそう!元貴、ありがとね!」
コーヒーを受け取ってちびちびとすすりながら、涼ちゃんは目の前のプレートに乗った朝ごはんに目を輝かせた。
前回は和食にしたから、今週は洋食にしてみました。サラダに添えているドレッシングも手作りなんだよ。
そう思いながら、向かいの席に腰を掛ける。俺のどんな料理も、本当に美味しそうに食べる涼ちゃんに、思わず笑みが零れてしまう。いつまで経っても子供のように愛くるしい涼ちゃんに、滉斗が今でもベタ惚れなのは分かるなぁ。
「あ、月曜日の授業参観、滉斗と一緒に行くからね」
すると涼ちゃんが、はぐはぐとパンを咀嚼しながら声をかけてくる。
ああ、そういえば、学校からそんなお知らせメールが来たって言ってたっけ。
「ええ~……別に来なくていいよぉ…」
「なんで~?元貴がお勉強しているところ、ちゃんと見ておきたいのに。ね、滉斗?」
「うん。俺、その日は仕事休みにしたから、涼ちゃん一緒に行こうね~!元貴、涼ちゃんが行くって言ったら、それはもう決定事項なわけ。異論は一切認めねぇし!」
「……はいはい」
涼ちゃんへとバックハグしながらに滉斗が言う。
その顔ヤバいね。思いっきりニヤけちゃってますけど。
別に二人が来ること自体が嫌なわけじゃない。二人してペアルックで手を繋ぎながら教室に入ってきても、二人でくっついてラブラブな雰囲気を醸し出していても、俺からしたらそれが当たり前の光景だから別に嫌なわけではないのだ。
ただ、参観が終わって、男子からは『元貴のかーちゃん、やっぱめっちゃ綺麗だよな~。家に帰ってあんな綺麗なかーちゃんがいたら、俺、ぜってー引きこもるわ!甘えまくるわ!』なんて言われるし、女子からは『若井くんのお父さん、本当にカッコいいよね!ねえ、今度家に遊びに行ってもいい?』とか言われちゃうから、いちいち相手をするのが面倒臭いだけ。
まあね、確かに息子の俺から見ても、容姿がずば抜けて整っている両親だと思う。
家では洗いざらしの髪の毛だし、たまに無精ヒゲを生やしている滉斗だけど、涼ちゃんとデートするときには髪をばっちりセットして、グラサンに革の上下を着こなしている姿は、息子の俺から見ても本当にカッコいい。
俺がそんな滉斗に密かに憧れていることを知っている涼ちゃんは、この前初めて革ジャンを買ってくれたっけ。滉斗とお揃いだね、よく似合ってるよって、涼ちゃんは嬉しそうに笑っていた。
涼ちゃんはすっぴんだったら本当に愛らしいのに、メイクをしたら一気に雰囲気が変わる。とにかくもう、色気が半端ない。
滉斗とのデートの時に、痛むことを知らない綺麗な金髪をハーフアップにして、胸元の開いた黒のセットアップを着ていた。それがとても似合っていたから、その服装に合いそうなパールのネックレスを誕生日に贈ったら、涼ちゃんは俺を抱きしめて嗚咽を洩らすぐらいに泣いていた。
『…元貴、やるじゃん』
涼ちゃんに抱き着かれている俺の頭を小突きながら、滉斗もちょっと涙目になっていた。
こんな二人だけど、昔は暴走族の総長だったらしい。
滉斗は昔ヤンチャしてたのは何となく想像がつくけど、今の涼ちゃんしか知らない俺は、涼ちゃんが総長をしてたって想像もつかなかった。だからたまに遊びに来る阿部ちゃんや廉くんに、『よくチームが潰れなかったね』って聞いたら、涼ちゃんは容姿こそお姫様だったけど怒らせると冷酷無比だったと教えてくれた。あと、こっそりと二人のなれそめを教えてもくれて。
「ねぇ、今日は天気がいいから、久しぶりに三人でピクニックに行こうよ!」
「え、涼ちゃん、腰大丈夫…?昨日、散々喘がせちゃったし、なんか理性が効かなくて、ごめんね?」
涼ちゃんの肩に額をぐりぐりと押し付けて、滉斗が気弱な声で謝っている。
いや、だから息子の前だっつーの!そんな赤裸々な内容を口にされても、こっちは苦笑いをするしかできないじゃん。
「もう、滉斗。元貴の前でそんなこと言っちゃダメじゃん。でも、心配してくれてありがとね。腰は大丈夫だし、いっぱい愛されて嬉しかったよ?」
一応は滉斗に怒るけど、涼ちゃんも結構なこと言っちゃってますけどね。
これが僕の家族です。
ちょっとラブラブすぎるけど、俺はこの二人から無限の愛をもらっています。
この家の子供に生まれてよかったって、心の底から思っているのです。
~END~
週末ぐらいから、大森さんの誕生日記念話を上げていければいいなぁと思っております。
書きあがるのか微妙ですが、また遊びにきていただけると嬉しいです。