七福神達が優雅な宴を開く最中、
人知れず小さな宴を開いている
小さな小さな神様がおりました。
1体はわたぼこりの神様、
わたぼこり歴は2年で
何かの手違いで知恵を授かりました。
最近毛玉の神様との間に
おびちを授かったのをやたら自慢しています。
今日も自慢話をしようと意気込んで、
この宴に参加しました。
他には炭のかけらの神様と、
茶碗のかけらの神様と、
杏の神様の私物の指輪の神様と
同じく杏の神様の私物の
イヤリングの片割れの神様が出席しています。
炭のかけらの神様と
茶碗のかけらの神様は
同じかけら同士仲良しです。
お茶碗は陶器なので大丈夫ですが、
炭はやがて自然に帰ってしまうので、
この宴を開いては、
皆が炭を少しずつ持ってきてくれるのです。
今回は指輪の神様とイヤリングの片割れの神様は
なんとか杏の神様にお願いをして、
立派な新しい炭を持ってきました。
2体とも気が利きます。
炭のかけらの神様は
美味しい美味しいと言って
身体にくっつけ始めました。
わたぼこりの神様は
その辺にある服の繊維を1本だけ
巻き取って満足した様子。
お茶碗のかけらの神様は
指輪の神様にきれいな瓶の破片を
渡してアプローチをしています。
イヤリングの片割れの神様は
それを見てうっとりしました。
このような感じで、
立派な木造の家の
縁側の下で定期的に神々の宴が
開かれているわけです。
その頃杏の神様は
「今日も指輪がお留守だわ」
と言ってため息を付いていましたとさ。
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