テラーノベル
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手首が痛い主です。
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体育祭をわずか一週間後に控えたその日。 正面玄関を潜った日陰輝の姿は、
以前よりもさらに「異質」な色を帯びていた。 制服は着崩され、
背中には、黒い布で厳重に包まれた**「九尾」**が背負われている。
一週間の強制入院で溜め込んだ鬱屈としたエネルギーが、重く湿った殺気となって、前髪の隙間からダダ漏れていた。
彼が教室の扉を開けた瞬間、そこには鮮明な「断絶」があった。
ガラッ
扉の音と共に、教室の半分を占める空気がピリリと凍りついた。
彼らにとって、USJで見た輝は「救世主」である前に、理解を絶する「暴力の具現」だったからだ。
――――――――――――――――――――――――――――
九尾はひときわ目立つものだった。
黒い鞘だが、雄英高校の灰色の制服では目立つ。
赤い紐に、187㎝という輝が掛け合ってより目立っている。
そして、初めに輝に声をかけた人物は意外な人物だった。
爆豪 「おい、根暗陰キャ。てめぇおせぇんだよ雑魚が。」
爆豪だった。そして続いて、
切島 「おー!!やっと来たか!怪我大丈夫か?!
俺は切島鋭児郎!!よろしくな!!USJのお前、めっちゃ男らしかったぜ!」
上鳴 「おけーり!というかお前とちゃんと喋るの初めてだな!
俺、上鳴電気!よろー!それと怪我大丈夫か?」
瀬呂 「なんかすげぇもん持ってんな。刀?持ち込みありなんか?
あ、俺は瀬呂範太。よろしくー。」
輝 「、、あ、うん、大丈夫、、刀は許可された、」
さすがの輝も反応には困った。
クラス内の陽キャたちだ。
爆豪は陽キャではないが。
だが輝は確実に感じ取っていた。
このクラスで自分に向けられる警戒心と拒絶を。
青山、蛙水、尾白、麗日、峰田、口田、耳郎、
障子、砂籐、常闇、芦戸、八百万、葉隠、飯田
こいつらは確実に警戒していた。
峰田 「(こえーよ!武器持ってるし!)」
麗日 「(USJのあの時、さっきヤバかった、、怖いな、)」
八百万 「(あの方、この前の訓練の時もそうでしたが、なにか、おかしいです、)」
飯田 「(ヒーロー志望であるのにもかかわらず
容赦ない攻撃や自分を無碍にする行動、、ヒーローにふさわしくないな、)」
他にも何かしら思っていることがある人はいるだろう。
だが問題は、このクラスの大半がそう思っているということだ。
輝 「(、やっべ、久しぶりだな。この目線。)」
輝は無造作に、空いていた自分の席へと向かった。
歩くたびに背中の「九尾」がわずかに揺れ、その重厚な気配が教室内を圧迫していく。
陽キャグループの眩しすぎる歓迎と、その他のクラスメイトから突き刺さる「冷たい視線」。
その両極端なコントラストが、輝の肌をヒリヒリと焼く。
輝 「(あぁ、そうだったな。これが普通だ。俺が知っている、一番馴染みのある空、)」
自分を「異物」として排除しようとする集団の防衛本能。
無個性でありながら自分たちより遥かに「死に近い」場所にいる者への、本能的な嫌悪。
特に飯田や麗日のような、正義感の強い者たちの瞳に宿る「不信感」は、輝にとってはどんな罵倒よりも雄弁だった。
そんな中、緑谷だけが少し離れた場所から、震える瞳で輝を見つめていた。
緑谷 「(、、日陰くん。あの時、君は僕たちのためにボロボロになった。
でも、その時に見せた君の『牙』は、確かにヴィランと響き合っていたように見えたんだ、
僕は、君をどう見ればいい、?)」
教室の沈黙を破ったのは、相澤消太の登場だった。
ガラリと扉が開き、首から腕まで包帯を巻いた満身創痍の担任が姿を現す。
相澤 「席に着け。、、日陰、退院おめでとうとは言わん。一週間の遅れをどう取り戻すか、精々考えろ」
相澤の視線が、輝の背中の「九尾」に一瞬だけ止まる。それは、
ただの監視者の目ではなく、一人の「問題児」を崖っぷちで支える教育者の目だった。
相澤 「体育祭まで残り一週間。お前たちに与えられた時間は平等ではない。
日陰。お前には個別のメニューを課す。放課後、俺のところへ来い。、、、いいな?」
輝 「、、、うす。」
輝はボソリと呟き、深く椅子に沈み込んだ。 周囲の警戒心も、
爆豪の敵意も、そして切島たちの真っ直ぐな厚意さえも、今の輝にとっては通行人に過ぎなかった。
彼の指先は、制服の袖越しに背中の刀に触れていた。
前髪の隙間から覗くオッドアイに、薄暗い愉悦の光が宿る。
自分だけが暗い路地裏に取り残されているのではない。 自分から、その暗闇を抱えて、光の中を蹂躙しに行く。
体育祭。それは、更生プログラムという名の「鎖」に繋がれた餓狼が、
公式にその牙を世界へ晒す舞台。 日陰輝の本当の戦いは、この凍りついた教室から、既に始まっていた。
はいどうでしたか。
2046文字。
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コメント
9件
ごめんめっちゃ見るの遅くなった💦 手首大丈夫?痛い時は無理せずに休みんさいよ〜? 今回も良かったよ!続き楽しみにしとるねー!

見るの遅くなっちゃた、、手首大丈夫? 爆豪達は、日陰君の事を、警戒してなくて他のみんなは警戒しているのか、、 続きたのしみです!待ってます!