テラーノベル
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「なぁ、看守さんよぉ」
夜の巡回路で、その声はやけに軽く響いた。
私は足を止めなかった。
「……うるさい。黙ってろ」
感情を込めない。それが看守の基本だ。
囚人に情を見せれば、隙になる。
「冷てぇな。名前も呼んでくれねぇし」
鉄格子の向こう。
レイは床に座ったまま、こちらを見ていた。
反省も後悔も感じさせない目。
ただ、人を値踏みするような、どこか楽しそうな光。
私は歩き去った。
なのに、その夜から、なぜか夢にあの声が残った。
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