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ぎゃっっ(? 最近NL再燃してる私にぴったりすぎて にやにやしちゃってますよ((((( てか題名素敵すぎません、? 心浄化された気持ちです(?? 投稿ありがとうございます!!
ピアノが音を奏でる、その瞬間、まるで幻想的な何処かへと迷い込んだみたいだ。
ピアノは自分で動くことも、音を出すこともない。
でもピアノにはたくさんの種類があって、それぞれ得意とする音や曲がある。
だからピアノにだって好きな曲があると思っている。
今日もまた、僕はピアノを弾く。
その隣で君は歌っている。
僕の心もっと、もっと君に飲み込まれていく。
夕焼けの音楽室、雰囲気の良いこの場所でただ二人の音が重なり合う。
ある日の放課後、いつもと変わらない音楽室。
僕は隅のピアノに手をそっと置く。
優しく流れるあの音は僕の心を包み込む。
僕一人しかいなくても、88の音が孤独なんてものを打ち消してくれる。
突然扉が開いた。でもゆっくりとピアノの音を邪魔しないようにしているのか、とても静かに開いた。
扉の方向を向くとそこには一人の女子生徒がいた。
ピアノの横に座り、 目を輝かせながら音に合わせて揺れている。
ピアノを弾き終わり、聞いてみた。
「どうしたの?」
彼女は少し照れくさそうに言った。 「とても綺麗な音色が聞こえた 」と、僕は嬉しかった。
ずっと誰にも認めてもらえなかったピアノを初めて認められた気がした。
「もしかして自分の曲?とても心に響く音だね」
「ありがとう…!僕が初めて作った曲なんだ」
気づいてもらえて、褒めてもらえて、また僕は嬉しくなった。
中学生の頃、自分の好きを詰め込んだ曲を作りたくて、半年かけて作った曲。
「この曲に歌、付けてみてもいい?」
「歌、付けてくれるの…?」
「うん!よければだけど…」
自分の曲に歌を付けたいと言ってもらえるとは思っていなかった。
「良くないわけないよ!歌、付けてほしい…!」
彼女も僕もお互い笑みを浮かべていた。
僕はその時思った。「可愛い」と思った。
その日から毎日、放課後に音楽室で二人集まってお互いの得意な事を教えあったり、時には雑談をしたりと楽しく過ごした。
そして7 月の夏休み前日。
「ねえ怜央くん、夏休みって何か予定ある?」
「予定か…そういえば今年は何にもないかも」
家族は海外に住んでいて滅多に会いに行く事が出来ない、そして友達も彼女以外いない。
「な、ならさ!一緒に出かけたり、曲作ったりしない…?」
「いいね!でも雫さんは予定とか大丈夫?」
もし彼女に予定があるなら流石に自分を優先してもらうのは気が引ける。
「私も何にもないよ!一人暮らしだし!」
「雫さんも!?僕も一人暮らしなんだ!」
「本当!?じゃあお互いの家にも行けるね!」
家…機材と姉ちゃんの服が……
まあ片付ければ問題は無いか。
「そ、そこでなんだけど…」
さっきまでとは違い、少しモジモジしだした。
「ん?」
「れ、連絡先交換しない…?」
「連絡先?」
確かに家が近いとかそういうわけじゃないだろうし、わざわざ集まって約束するのも大変だろうし。
「だめ、かな…?」
「ううん!そっちの方が楽だしいいと思う!」
「よかった……」
とてもホッとした顔をしている。
断られると思ったのかな、僕からしたら断る理由なんて無いのに。
あれから2日後、「ユキ森の喫茶店」というお店で集まることになった。
「早く着きすぎちゃったかな?」
朝の九時半、まだ人1人もいない。
待っている時間、昨夜録音した新曲のラフを確認する。
最近、雫さんの勧めで、動画投稿サイトに曲の投稿を始めた。
作詞やボーカルは雫さんで、作曲はもちろん僕。
そしてこの間チャンネル登録者が1万人を突破したのだ。
軌道に乗ってきたからか、自分のモチベーションも上がってきた。
「おまたせ…!」
そこにいたのはとても可愛らしい格好をした雫さんだった。
いつも学校でしかあっていなかったから初めて私服姿を見た。
「雫さん……」
「そ、そういえばこうやって待ち合わせするの初めてだよね!…服、変だったかな…?」
「う、ううん!とても似合ってると思います…!」
いつも以上に可愛らしい雫さんが話す度、正直少しドキドキしてしまう。
「あの曲の事なんだけどね、歌詞をこんな感じで書いてみたんだけど…どうかな?」
「と、とてもいいと思います!」
「ふふっさっきからどうしたの?敬語になっちゃって」
誰だってそうなるに決まってる!
す、好きな人がいつも以上に可愛かったら……!