テラーノベル
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カタン。
静かな音が、玄関の方から響いた。
日本は手にしていた本から視線を玄関へ移す。
この時間に郵便の予定は無かったはずだ。
ゆっくりと立ち上がり、玄関へ歩みを進める。
郵便受けを開けると、中には一通の封筒が入っていた。
差出人の欄は空白。
けれど、不審なものではない。
この国では珍しく無いからだ。
日「指定日配送……ですか」
誰かが未来の日付を指定して送った手紙。
何年も前に投函されたものが、指定された日に郵便受けへ届く。
封筒を裏返す。
そこにはただ一つだけ、文字が書かれている。
『開封推奨日 : 本日』
日「……」
少し首を傾げる。
随分曖昧な指定だ。
差出人の名も無ければ、宛名も自分の名前しか書かれていない。
それでも、何故だろう。
妙な既視感があった。
日本は封を切る。
中から現れたのは、一冊の古びたアルバム。
表紙には丁寧な字で題名が書かれている。
『幸せコレクション』
ぱらり、とページを捲る。
中は白紙だった。
ぱらぱらと捲った指が、最後のページで止まる。
そこには短くこう記されていた。
『6カ国の幸せな瞬間を集めてください。 対象者は自分で判断を。』
『七枚集まった時、全てが分かります』
日本は思わず眉を顰める。
胡散臭い。
何より数が合わない。
誰の悪戯だろうか。
そう思いながらも、もう一度アルバムへ視線を落とす。
理由はわからない。
けれど、やらなければならない気がした。
日「…誰かさんの悪戯にでも付き合ってみましょうか」
アルバムの表紙をそっと撫でる。
何故か、目を離せなかった。
コメント
5件
文章力エグ
「指定日配送のお手紙」と「白紙のアルバム」…胡散臭いのに目が離せない感じ、すごくわかります🥀 「6カ国の幸せな瞬間を集めて」ってどういう意味なんだろう。七枚集まった時に全部わかるって言われても、数も合わないし不気味すぎる…。でも日本さんが「やらなきゃ」って感じた引力、ちゃんと伝わってきました。 続きが気になりすぎる…! このアルバムに何が起こるのか、ゆっくり読ませてください🌙🤍